2月某日と某日。
歌舞伎座は『猿若祭』と銘打って十八代目勘三郎の十三回忌追善公演。
早いねえ。
正面脇に貼り出されたポスターは左端が勘九郎と長三郎の『連獅子』。ちゃんと踊れるようになった次男坊もたいしたモンだが、父ちゃん毛振りに気合い入りすぎ。ムチウチになっちまうぜ。
その右は長男の勘太郎。兄ちゃんがまた折り目正しいんだ。
次は勘九郎七之助の『籠釣瓶』、右端は鶴松の『野崎村』。鶴松大抜擢のお光っちゃん。『籠釣瓶』に兵庫屋七越で七之助とともに花魁道中をやった中村芝のぶも含め、もっともっと「抜擢」し続けないと歌舞伎は滅びる。
2月某日。
夜、シアタークリエでケラの『骨と軽蔑』。
歌舞伎は男ばっかしの芝居で、こっちは女ばっかしの芝居だけど女が男やってるわけじゃなく男が出てこない。
クリエって小屋は初めて入った。もとは「芸術座」のあった場所で東京宝塚劇場の向かい。
宮沢りえに鈴木杏に犬山イヌコほか、期待してて実際面白くもあったんだけどアンプリファイドされたセリフが少し残念。できれば芝居はナマ声で見せてほしい。客寄せに演技トーシローなアイドルでも出てりゃ致し方なけれど、このキャストでなんでなんだ。
もしかしてこの小屋のそれが方針?
国際フォーラム中庭(っていうのかね?)恒例の『大江戸骨董市』。外国人観光客たしかに増えたけど、意外と遠巻きに遠慮がちなのはこういう「市」に慣れない客が多いか。日本人でも外国人でも好きなヤツらはみんな(おれも含め)気になるブツがあれば遠慮会釈なく突撃してくるからね。
ところで骨董市、ここんとこ3回に2回は手ぶらで帰ってくるけど今回は獲物あり。
武井武雄の『刊本作品』。古書を少しだけ並べてちんまりした店を出してたおじさんのところで豆本数冊のなかに混ざってるのを発見。虫喰いなど状態あんまり良くない。でもそのおかげで安いからオッケー。うふふふ。
開場前の幕見席入り口。
ドアには「集合 7:55」とあり。
この夜の幕見にはドイツ人のお客多し。まわりでドイツ語ばかりきこえる。
ドイツ語だってことしかわかんないんだけどね、こちとら。
肝心の『喜撰』は梅枝が良い。松緑もさすが。ちびっ子所化3人がカワイイ。
某日。
もひとつ「すきまタワー」。
いずれ近い将来この位置からタワーは見えなくなる。
麻布十番からほど近く、一の橋と二の橋の間。住所でいえば東京都港区三田1丁目。この一帯ついこないだまで低い軒の連なる東京の古い町場だったところで「再開発」のために町場は消えてなくなり更地になった。
手前の鉄パイプの「欄干」は古川にかかる橋。
数年後には上の麻布台ヒルズなんかと似たような、どこがどの「ヒルズ」だかわかんない無機的で無個性なビルディングの集合になるのは間違いない。
こんなとこばっかです、きょうびのトーキョーは。
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by god-zi-lla
| 2024-03-18 14:00
| 日日是好日?
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