神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

不人気につき生産終了なんだってさ。

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おまえんとこの酒の写真はいっつもおんなじ場所でおんなじ構図でつまんねえぞなんてご指摘は、気づいてもしないよーに願います(笑)

どシロートがね。なんの技術も知識もそれにカメラ以外の道具もなくって、それでもウチんなかで自然光でストロボ発光せずにしかもブレたりボケたりなるべくしないよーに写真撮りたいよなあと思うと、そんな場所はまあ家じゅう探しまわって1カ所あればいいほうなんです。

居間の掃き出し窓を開けてその窓際の床に酒置いて、本人は外のベランダにべったり座り込んで撮ってんです。
けっこうナミダグマシイ努力、つか、まあ努力ってほどでもないですけどね。

それでも今日はくもってるもんだから多少マシな写真になったかなあと、シロートはシロートなりにね。思ったりしてるわけです。

せんだっての日曜日、銀座の福光屋のアンテナショップ覗いたときにこの福乃光の無濾過原酒があって、そういえばこいつはまだ飲んだことなかったっけねえって奥さんと話してたら店のおねーさんが「これ、生産終了なんですよ」って横から話しかけてきたのよ。だから「あーそうなんだ。ことしのぶんはこれでおしまいなんだ」ってったら、いえ、そうじゃなくって、もう作らないんです今後ずっとって言うんだよおねーさんは。へえ、そりゃまたなんで。

人気がなくて売れないんだってさ。
かなり濃厚な味わいで、お買い上げくだすったお客さまの評判が芳しくないんだって。
まあ、一般的にいってまだまだ「淡麗辛口」が主流だろうからなあ。

それにしても、だ。
濃厚だから人気がないってのも、ちょっと残念だよな。

店の人は「お燗つけても冷やでも、おいしいと思うんですが」って残念そうに言うし。

しかしあれだぜ。
お客に向かって評判良くないから生産終了って企業秘密バラしちゃうその馬鹿っ正直さがおらあ気に入った。しかも客の評判良くないけど「おいしい」っていうその「国民が聞く耳持たなくなった」つう発言と、一瞬似てるような気がしたけどそれは勘違いでじつは正反対にすっげー正直な(でも、どっちも失礼だけど)言いぐさだったりするのも笑えるぞ。

おー、ならば拙者が買って進ぜようではないの。
淡麗辛口は自慢じゃないけど苦手だもんでお酒濃厚でもいっこうかまやしません。
しかもこちとら筋金入りのアマノジャクとくらあ。

そんなに言うなら飲んでやろうじゃん。
金輪際飲めないってんだったらなおさらです。

それにダメだったらダメで、あれはダメだったねえとそれはそれなりに経験値の1ポイントも上がるでしょうしね。で、とりあえず4合瓶2本求めてきたのでした。

さて帰って晩メシんときに飲んでみるとたしかに濃厚なんだけどこれ原酒だしさ。度数だって当然高いしさ。ある程度濃厚なのは当たり前だと思うんですけどね。ただちょっと開栓すぐだとキツい感じがしてバランス悪いような気がしないでもなかった。んー、たしかにこれをイヤだっつう、それこそ酒にかんして経験値の低いお客さんはけっこう文句いったりするのかもなあ。

でも、おれはそれほどだとは思わないし、だいちこれだったら片口に開けて少し置いといたらずいぶん違ってくるんじゃないのって気配が最初っからあるしさ。それにこれだったら店の人がいうように燗して悪いわけないよ。

むつかしいもんだねえ。
ぱっと開けて、ぱっとおいしくないよーな酒なんかダメって人だっているだろうしさ。
燗酒なんてハナっから相手にしてない人は大勢いるもんな。

そんなことを日本酒好きを代表してボヤいてるうちにだって、片口に移した酒はなんとなく安定してまいります。

ただやっぱり基本的にゴツゴツとした味わいの酒だからさ。それはまあ持って生まれた性格ってもんでしょうし、それを矯正しちゃったらこの酒がここにある意味そのものがなくなっちゃう。飛びっきりの酒とまではいわないけど、おれも店のおねーさん言うようにこれはしっかりウマい酒だと思うんだけどね。

しかしまあなんだな。
福光屋みたいな地方の蔵元とはいえそれなりの大手メーカーになっちゃうと、やっぱそこそこジョーシキ的なところをそんなに踏み外さないで、ある一定の範囲のなかでの「個性」にとどめておかないと、おおぜいのお客さんを相手にする企業としたらやっぱいろいろ問題あるんだろうな。

そりゃあ地元じゃこういう自前のショップなんかじゃなくて、町々にあるフツーの酒屋さんに置いてもらって売るのが当然主流なんだろうからさ。これはこういう味の酒です、こうやって飲んでくださいって、酒屋のおやじさんがそうそう説明できるもんじゃないよな。

そうするとちょっと個性的な酒を並べて売ったりなんかすると、こんな酒とは思わなかったぞ、なんて苦情が近所のお得意さんからきたりすることだってあるだろうしさ。だからいきおいありふれた、万人好みの、無難な品揃えになるしかないと。

たぶんそういう「許容範囲」から、こいつはじゃっかん外れちゃってんだろうね。

でもね、正直な話。
徳島の旭若松や広島の竹鶴や埼玉の神亀に比べちゃったらさ。いっかな加賀の異端児、福乃光純米無濾過原酒だってブナンでフツーな味ですぜ旦那。

小さい蔵元は、ウチの味はこれです。どうぞこの味がお好きな人だけ飲んでやってください。そのかわり好きじゃない人にマズいと言われたってヘーキだもんねって、技術と気概があればそうやって生きてくことができるんだろうけどね。

大手はやっぱりそうもいかないとこが、ちょっと辛くはあるんだろうな。

ぬあんてことを思いつつ、きのうふたたび福光屋に行ってあと2本、
これで飲み納めというのも寂しいと思ったものですから、買い求めてきたのでした。

1本1,013円税込み。
いまどきこれよりずうーっと高い、そしてウマいとはあんまり言えない酒が、スーパーにだっていくらでも並んでるご時世ですから。
もったいない話だぜ実際問題。

これ当然21BYなんでしょうけど、20BYや19BY、もっとその前のだって人気ないんだったら残ってないのかな。あったら是非飲んでみたいもんでございます。
Commented by yayoishibainu at 2010-06-09 21:09 x
こんばんは。。。

神戸の木村酒造が、廃業
今年に入り
虹の宴(COOP KOBE)が、入手出来なくなり
何故なのかな?と想っておりました。

ごく普通のお酒
入手する事が、とても難しくなりました。

寂しくてなりません。
Commented by god-zi-lla at 2010-06-11 11:18
日本酒の蔵元は大半が零細なうえ日本酒離れや後継者不足が深刻で、どこも苦労しているようですね。

そんなに高級じゃない、日常飲むためのウマい酒がなくなるのは、ホントに困ります。
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by god-zi-lla | 2010-06-08 12:13 | 酒だ酒だ酒だ酒だ | Comments(2)