神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

窓を開けたまま(細野晴臣のHOSONOVAとHEAVENLY MUSIC)

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ところで話は変わりますがレコード・コレクターズ誌で7月号から始まった「ゲレット・マンコウィッツが写す英国ロックの伝説」っていう写真いっぱいの連載がすごくいいすね。第1回はマリアンヌ・フェイスフルで、ブリティッシュロックに疎いおれなんかでもわくわくするような写真と文章による回想になっててさ。しかも第1回はかわいくてきれいなマリアンヌの写真が並んだうえにラストでちらっとストーンズが登場して気を持たせつつ終わってたりしてね。じつにうまいこと連載第1回を作ったもんだって感心しちゃうよ。

それはさておき2011年に出た写真左のHOSONOVAは、大震災と余震と原発事故のやりきれない日々に聴き続けた、どっか鼻歌のようでうまいとは言いにくいんだけど味わい深いといったら近年こんなに味わい深い日本人の、しかもおじさんの歌ってのはなかったんじゃないかと思える細野晴臣の歌のアルバムでね。おれにとっちゃ2011年間違いなくいちばんたくさん聴いたヘヴィーローテーションCDだった。

いま考えてもこの1枚をあの時期にリリースしてくれて、ありがたかったとつくづく思う。

で、今年になってそのHOSONOVA以来のニューアルバムが出るというので確かめてみると、LPのリリースもあるうえ前作もついでにLPにしますっていうもんだから、ありがたく2枚とも買い求めさしていただいたのが上の写真なのであった。めでたしめでたし。

そのニューアルバムのHEAVENLY MUSICは前作の続編といっていい雰囲気のつくりなんだけど今度は外国曲のカヴァー中心の選曲で、だから今回は細野さんのちょいとカタカナっぽい英語の歌がたっぷり聴けるという寸法になっている。もちろん今度もしみじみと味わい深くなおかつ前回同様アクースティック楽器中心のアレンジも聴きものなわけだけど、前作ほどしんみり聴く感じになってないのは英語詞中心なのと、こっちの気分が2011年に比べればずっと落ち着いてきてるってのが大きいんじゃないかという気がする。

それはともかく、これもまた急がず騒がず歌うというよりは口ずさむという感じの1枚になってるもんだから、抑えぎみの音量で聴いてもじゅうぶん楽しめるんだよ。だから夏至も過ぎたとはいえまだ窓を開けて風を通してやればそれほど暑苦しくなく過ごせるいま時分、アンプのヴォリュームを少し下げて扇風機でも回してやりながらのほほんと聴くのにちょうどよかったりするんだ。

まあそういうしみじみとしたレコードがいっぱいあるお宅ではべつにあらためて言うほどのことでもないんでしょうが、どういうわけだかおれんちにあるレコードはデカい音で聴いたほうが良さそうなのばっかなんだ。だから窓も閉めずに夕涼みしながらステレオ装置から音出す習慣なんてまるでなくってさ。それがこの細野盤でそういう生活もありなんだと初めて教えられたような気分もあって、おかげさまでそんなことがうれしかったりもする今日このごろなのであった。

それにしてもこういう音楽はLPレコードで聴くのがいちばんだな。
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by god-zi-lla | 2013-07-01 06:20 | 常用レコード絵日記 | Comments(0)