神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

こういう超高性能ってウチじゃ初めてな気がします

こういう超高性能ってウチじゃ初めてな気がします_d0027243_1758985.jpg
つう感じなので、いかにも超高性能!って雰囲気の写真にしてみましたけど、どんなもんですかしらね。オーディオテクニカのAT-50ANVといいます。ヘッドシェルは相変わらず古いSAECの使い回しですいませんけど。

SINCE1962とボディにあって50周年記念モデルってことは去年出たんだろうな。おれが買ったのはほんのひと月ほど前なんだけどね。

じつはいわゆるオーディオコンポーネントのレコードプレーヤーというのを初めて買ってかれこれ40年になんなんとするわけですが、最初に手に入れたテクニクスのSL-55っていうプレーヤーに付属してたカートリッジを使って以降いちども国産のカートリッジを常用したことがないってことに、わりと最近気がついたんだよ。

最初にカートリッジ単体で買ったのがシュアーのV15 type IIIでね。これが当時雑誌の記事や広告なんかには標準価格3万5千円くらいと書かれてたんだけど実際には1万4千円前後で売られてたんだ。よくわかんないけど、シュアーやエンパイアなど、あのころの米国製MMカートリッジってけっこうそんな感じに標準価格と実売価格がえらく乖離しててさ。多分にその商法に引っかかって買っちゃったってのがあったと思う。結果として国内メーカーのカートリッジのほうが割高に見えちゃうんだ。

まあそういう賢い消費者とは全然いえないところから始めたのがいけなかったのか、その後もずっとカートリッジだけは国産を使う機会がなくってね。こりゃあいっぺん国内メーカーのカートリッジも使ってみなきゃオハナシになんないじゃんか、なんて思ってさ。このトシになってようやく国産カートリッジを買うことにしたのでした。

よーし、どうせ買うんだったらこういうご時世だし、なるだけ世界に冠たるニッポンの工業技術のソコヂカラ!みたいのがいいよな。なんていうあんまり意味があるとも思えない条件つけて、あとはサイフと相談しながら探してたところこのオーディオテクニカの50周年記念モデルが発売から日がたってしまったせいかおれがギリギリ買えそうなお値段でAmazonに出てたんでした。

と思って、いま見てみたら、ありゃま!
おれが買ったお値段より1万7千円も高くなってるぜ。
もしかしてAmazonが値付けを間違えてたの?
(んー、いま付いてる値札なら買えなかった)

いやそれはともかくとしてですね。
そういうわけで初めて使ってみるオーディオテクニカ渾身の空芯コイルMCカートリッジは20枚くらいLPをかけたあたりからは期待にたがわぬ超高性能で、オーディオ評論家のクリシェじゃなくてマジで今まで聞こえなかった音がレコードから聞こえることしばしばなのだった。いやホントにホントのホントでさ。

んー、だがそれは素晴らしいことなのかといわれると、よくわからない。
間違いなく素晴らしいことのハズなのに、よくわからないものはよくわからない。いままで聞こえなかった音は、聞こえないままにそっとしといてくれたほうがよかったと思えるレコードが、全部とはいえないんだけど何枚か出てきてしまったんだな。

きっとこういう音について、おれの経験値が低すぎるんだろうな。
あるいはその聞こえたことのなかった音の聞こえかたをなんとかしてやるとか。

(その後いろいろやっていまも流動的なので to be continued ね、多分)
Commented by KT at 2013-08-17 10:14 x
そうそう、昔、シュアーやエンパイアとか、割引率大きくて、安かったですよね。
今は、ハイファイ堂の中古価格見て、高くてビビってしまいます。

AT-50ANVの現Amazon価格、結構なお値段ですね。
1万7千円安くても買えませんわ(泣)。
でも、何年か前も、記念モデルがあったような...
Commented by god-zi-lla at 2013-08-17 11:31
KTさん お暑うございます。

> でも、何年か前も、記念モデルがあったような...

テクニカは5年ごとくらいに記念モデルを作ってるんじゃないのでしょうか。
記念モデルを集めるコレクターがいたりして。

たしかにシュアーなんかの古いモデルの中古価格を見ると、当時こんな値段で買ってないじゃんかって突っ込みたくなりますね。
オルトフォンとかMM系でもエラックなど欧州系は、ああいう標準価格の設定じゃなかった気がするんですけどね。

こういうこというとナンですが、V15/IIIがあれだけ普及したのって、「音」もさることながら「値段」の要素が非常に大きかったに違いないと思います。

> 1万7千円安くても買えませんわ(泣)。

当分、オーディオの買い物は出来ません。
まるっきりのスッカラカンです(笑)

だけど、カートリッジは老後に備えてなるだけ数を増やそうと思ってるんです。
どうせ今回の50ANVだって「針交換」なんて実際には出来ないわけだし。

だったらいろいろ持ってて、取っ替えひっかえ80歳まで(笑)
Commented by ハルズ at 2013-08-18 17:51 x
>今まで聞こえなかった音がレコードから聞こえることしばしばなのだった..
なるほど、良い音でしたか?
フーム
Commented by god-zi-lla at 2013-08-18 19:37
ハルズさん こんにちは。

聞こえなかった音がきこえるということが、どうも「良い音」に直結してるとも限らない感じなので、そこに戸惑いつつ、あっちをイジりこっちを動かしてるとこなんですよね。

まったく、オーディオってのは一筋縄でいかないとこが面白いです。
Commented by inagaki at 2013-08-26 16:45 x
こんにちは岡田さん。当方、先月61歳になりましたinagakiと申します。岡田さんのブログを読ませていただいていたら、なんだか知らず知らずのうちに引き込まれました。面白いです。なんていうかなぁ人柄みたいなものが全体から伺えます。私もこのカートリッジ気になっていて本日、思い切って注文しましたけど、「在庫あるのかなぁ?」ってな感じです。手に入りましたなら、感想をコメントさせていただきます。私もアナログ大好きです。
Commented by god-zi-lla at 2013-08-26 18:42
inagakiさん 初めまして!
お読みいただきありがとうございます。

じつは毎日のようにこのカートリッジでレコードを聴いているんですが、いまだにこの音をどう言っていいのかわからなくて、こういう大手メーカーのカートリッジを聴いてこんなに戸惑うっていうのはもしかして長年すごくオーソドックスじゃないオーディオ生活をしてきたからではなかろうかと思ったりしています(笑)

inagakiさんが入手されましたなら、ぜひコメントをお願いします。
お待ちしております。

Commented by inagaki at 2013-09-07 22:25 x
岡田さん今晩は。やっと50ANV聞きました。最初送られてきた50ANVのカンチレバーが少し右よりに振っていましたのでクレームで交換してもらったのですが、2個目も右側に振っていましたので、今度はテクニカの相談室に直接相談したところ、商品交換と言われ、昨日メーカーから直接送られいてきました。最初からカンチレバーが右よりに振っているなんて、こんなことがあっていいのでしょうか?今日ほんの少しだけ聞きましたが、なるほどすごい細かな音まで拾い出します。私はFR-7(空芯コイル)も使っていますが、一言でいうと、このFR-7の音を高分解能にしたような音ですね。やはり技術の進歩を感じます。空間の再現性、分解能、滑らかさ等50ANVの方が明らかに上です。ただ低音はFR-7に少しだけ軍配があがるかなぁと思いました。まだ1時間も聞いていませんので、100時間ぐらい聞き込めば50ANVが全ての面でFR-7よりよくなることは確信を持って言えます。今回購入したのも岡田さんのこのブログを読ませて頂いた事が、思い切って注文のボタンをクリックするのを後押しました。購入してよかったと思います。それではまた。
Commented by god-zi-lla at 2013-09-08 07:25
inagakiさん こんにちは。

2回も交換というのは珍しいですね。しかし生産完了品にもかかわらず正常な製品を手に入れることができて良かったです。

なるほど同じ空芯コイルで国産のFR-7がやはり同じ傾向の音なんですね。こういうひたすら高性能を追求するカートリッジというのは、やはり日本独特なのかもしれませんね。

さいきん感じているんですが、このカートリッジが聴かせる音の感触はハイレゾデータを再生して聴く音を思わせるものがあって、非常に広い範囲にピントの合った見通しの良い音という感じです。

ウチでもまだ完全にエージングし切ってない感じがあるのですが、自分自身が先にエージングされてしまったのか、日に日にこの音にたいする違和感がなくなってきています。

うちは普段でも一度カートリッジを交換すると半年くらいはそのまま聴いていますので、来年の1月か2月までこのまま聴き続け、そのころにはどんなふうにきこえているか、あらためて書きとめてみようかなと思っています。
名前
URL
削除用パスワード
by god-zi-lla | 2013-08-17 07:01 | オーディオもねぇ… | Comments(8)