コルトレーンのヴィレッジヴァンガード
2014年 03月 20日
なのにいっぽうではニューアルバムのステレオ盤がいくつも溜まってきてしまっている。いや中古レコードを買ってるぶんにはいいんだ。ちかごろ買う中古盤のたいがいは買い直しだから中身がどんな音楽だかわかってるから別段急がない。だけどホヤホヤの新しい録音のアルバムはやっぱり早く聴いてみたいじゃん。
まあ最近のニューアルバムのLPって同じ内容のCDもオマケでくっついてることが多いからそれを先に聴いたっていいようなもんではあるが、しかしそれってなんだかアレだよなあって気がしないでもないわけだ。わざわざCDじゃなくてLPを買おうと思ってLP買ってんのにさ。オマケのCDが先だなんてさ。
それはともかくとしてだな。せっかくモノラル針をつけてる間になにを聴いてやろうかと、ふと思い出したんだがコルトレーンのLIVE AT THE VILLAGE VANGUARD(impulse! A-10)をずいぶん長いこと聴いてないような気がしたので引っぱり出した。そうなんだよね。めっきり聴かなくなっちゃってんだ、この天下の大名盤を。
このアルバムが作られたヴィレッジヴァンガードのライヴっていうのは3日間にわたってたくさんの曲がプレイされていて、それはヴァン=ゲルダーによってすべて録音されたわけだけども、当然この1枚のアルバムに収録されなかったトラックが山ほど残った。で、それらは後年べつのアルバムに収録されたり、あるいはコルトレーンの死後ずっと後になってからコルトレーンの未発表トラックばかり集めたコンピレーションアルバムとしてリリースされてきたわけです。
もちろんCDになってからも何回かヴィレッジヴァンガード集がリリースされたんだけど20世紀もおしまいのほうになって写真の右のほうに写ってるコンプリート版が登場したんだな。
この写真に写ってるジャケットのLPはモノラルの初期盤だけど、じつは買うときに若干躊躇しないでもなかったんだ。というのもウチのレコード棚には古い国内盤は言うに及ばず何種類かのコンピレーションアルバムがあるところへ最初のころに出たCDに加えて写真のコンプリート版まで揃ってるわけで、しかもエリック・ドルフィーのファンとしてはドルフィーを聴くんだったら出番の少ないオリジナルアルバムよりもコンプリートCD聴いてたほうがずっと良かったりするんだよ。
だけどまあ、それはそれかなと思ってね。名盤だしね。それに、いちおうドルフィーの加わってる正規盤はオリジナルかそれに近い初期盤で持ってたいというのがあったもんだから買ったんだけども、買ってみるとやっぱりあまり聴かなかった。コルトレーンだったら同じようにモノラルのオリジナルを手に入れたバードランドのライヴ盤のほうが聴く頻度が高かったりしてね。ちょっと可哀想だよな。
だから多分このオルトフォンCG25Diで聴くのは初めてな気がした。
このステレオ初期、ルディ・ヴァン=ゲルダー録音のコルトレーンはプレスティッジだろうがインパルスだろうが左のスピーカーにぺったり張り付いて、たぶん当時彼が自分でこれを聴いてたらマズいと思ったんじゃなかろうかと思うんだが、彼がもっぱらモニターしてたのはプレイヤー全員がピシっと1点にいる1本のスピーカーだったことが当人の口からバレている。だからステレオ時代とはいえヴァン=ゲルダーの録音したレコードはモノラル盤で聴くほうがずっと自然なのは当たり前としか言いようのないことだったんだよな。
つうわけで、このレコードもじつに気持ち良くコルトレーンのソプラノが中央から吹き上がってきて、リズムセクションはちゃんとトレーンとドルフィーの後方にいるのだったが、この良いモノラル録音の前後感というのがじつに気持ちのいいモンなんだなと気づいたのも、モノラルカートリッジを買ってから後のことなのだった。あーやっぱり、このレコードを聴かない手はなかったな。
叶うことなら(まあ、とうてい叶わないでしょうけど)ぜひこの写真右下に写っている黒箱の中の全4枚のCDに収められたヴィレッジヴァンガードの全貌を、何枚になるかわかりませんけどモノラルのLPレコードによるボックスセットで出し直してくれないもんかなあ。どうせユニヴァーサルみたいなメジャー会社じゃムリでしょうからモザイクレコードとかでやってくんないかなあ(ステレオ版は不要です)。
あのさ。このボックスのDisk4のまん中あたりに入ってる演奏時間15分くらいのMiles' Mode、これなんかコルトレーンもヤバいけどドルフィーはもっとヤバいトンでもないトラックだから、こういうたしか一度もLP化されてない演奏をしかもモノラルLPにしてくれたりしたら、きっと世界中の大勢のジャズレコードファンが悶絶しますよ。いやほんとに。
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kurama66644 at 2014-03-22 20:40
こんばんは。
恥ずかしながらアナログに復帰してからコルトレーンは聴いておりませんでした(^_^;)
今回の お話を聞いてコルトレーンも聴いてみたくなりました。
>この良いモノラル録音の前後感というのがじつに気持ちのいいモンなんだなと気づいたのも、モノラルカートリッジを買ってから後のことなのだった。
おっしゃる通りだと思います。同意です。
恥ずかしながらアナログに復帰してからコルトレーンは聴いておりませんでした(^_^;)
今回の お話を聞いてコルトレーンも聴いてみたくなりました。
>この良いモノラル録音の前後感というのがじつに気持ちのいいモンなんだなと気づいたのも、モノラルカートリッジを買ってから後のことなのだった。
おっしゃる通りだと思います。同意です。
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god-zi-lla at 2014-03-23 13:12
kurama66644さん こんにちは。
モノラルレコードを専用カートリッジで再生して驚いたのは、独特の力感・実体感と「立体感」でした。ステレオカートリッジではまったくわからないというわけでもないのですが、モノラルカートリッジのほうがモノラル独特の前後の空気感のようなものが出てくるところが不思議です。
あー、やっぱり、ステレオもモノラルも常設にしたいなあ(笑)
モノラルレコードを専用カートリッジで再生して驚いたのは、独特の力感・実体感と「立体感」でした。ステレオカートリッジではまったくわからないというわけでもないのですが、モノラルカートリッジのほうがモノラル独特の前後の空気感のようなものが出てくるところが不思議です。
あー、やっぱり、ステレオもモノラルも常設にしたいなあ(笑)
by god-zi-lla
| 2014-03-20 14:57
| 常用レコード絵日記
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