神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

この2か月で読んだ本の美貌力いやいや備忘録(すまん)

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ちかごろは桜が咲いてるといいますと肝心の桜に背を向けてスマホで写真撮ってるやつらがウヨウヨいますけど、せっかくキレイな桜に余計なモン写り込んで台無しじゃんね。

まあそういうごく当たり前な感想はともかくとしてだな。

ちなみにこの2か月で読んだ本のうち本屋さんで買った本は3冊、紀伊國屋書店のウェブストアで買ったのが2冊、Amazonで買ったのが1冊、それから借りた本が1冊。本屋さんは青山ブックセンター六本木店と三省堂書店有楽町店とあゆみブックス田町店でそれぞれ1冊ずつ。

そんなこたどーだっていいか。はい次、写真の左から。

歌舞伎の表現をさぐる 服部幸雄・編/市村羽左衛門・中村吉右衛門・市川團十郎・沢村田之助・尾上菊蔵・板東八重之助・中村又五郎・十三代目片岡仁左衛門・中村芝翫(演劇出版社・古本)
帝国の慰安婦 植民地支配と記憶の闘い 朴裕河(朝日新聞出版)
お勝手太平記 金井美恵子(文藝春秋)
成長のない社会で、わたしたちはいかに生きていくべきなのか 水野和夫・近藤康太郎(徳間書店)
クレオール・ニッポン うたの記憶を旅する[CD+BOOK] 松田美緒(アルテスパブリッシング)
グレン・グールドは語る ジョナサン・コット/宮澤淳一・訳(ちくま学芸文庫)
ピケティ入門 『21世紀の資本』の読み方 竹信三恵子(金曜日)

歌舞伎の本は立師で人間国宝だった板東八重之助のことを検索してたらヒットしたので買って読んでみた。評論家の編者が聴き手になって歌舞伎役者と裏方の人々が見得・隈取り・女形と若衆・ 舞台の約束事・立廻り・『忠臣蔵』芸の伝承・上方の芸と江戸の芸・狂言作者と狂言方・大道具小道具・衣裳の表現・鬘と役柄の表現・下座音楽という各章ごとに語っている。いわゆる「芸談」とは違って、約束事とか仕組みについて山ほど触れられていて初心者のおれにはすごく面白い本だった。

しかしね。読み進むうちに歌舞伎のこういう無限にありそうな約束事とか仕組みとか、あるいは技術とかそういうものを次世代に伝承していくことがいかに困難なことなのか。

奥付を見るとこの本は平成13年というから2003年か。たぶんこの12年のうちに、ここで語られてるいくつかの事柄についてはすでに失われているんじゃないかという気がする。

ただ下座音楽のとこは「チンチンチン」とか「ダダダダダ」とか「パンパンパン」とか「チャカチャカチャカ、チン」とか字で書かれてもねえ。

帝国の慰安婦は読書会のお題。

お勝手太平記は書簡体の小説であります。ただしアキコさん(推定70代)から女子校の同級生など数人に宛てた手紙だけで、相手からの返信はひとつもないんだ。受け取った相手がどんな反応をしたのかは、さらにその返信に返信した手紙からしか読み取れない。しかもその手紙ときたらオビにあるとおり「優雅なる脱線、冴えわたる悪口」ですからね。でね、脱線も悪口もたいしたモンなんだ。とくに映画の話題多し(おれにはやや豚に新宿歌舞伎町)。このクチの悪いオバチャンのじつに教養豊かでイヤミな無駄話に振り回される快感。

成長のない社会は2013年に出てずっと気になってたのに、ようやく今年になって読んだ。さて出てから2年株価はさらに上がってごく一部の人だけ景気回復と喜んでるけども、いまこの二人に語らせるとどうなるのか(同じ文脈になるのか変わっちゃうのか)。読み終わって、やっぱりこういう本は出たときに読まなきゃいかんなーと後悔することしきりなり。しかしすこぶる面白い取り合わせの二人。

クレオール・ニッポンはここで。

グールドはさすが録音のことについて深い。コンサート・ドロップアウトの事実だけあれこれ言ったところで何も意味がないということは、最近テレビ映像のDVD集を見ててもよくわかる。

ピケティ本というよりはピケティさんにかこつけて竹信さんが語る本。
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by god-zi-lla | 2015-03-31 10:29 | 本はココロのゴハンかも | Comments(0)