花の名前だってろくすっぽ知らないのに南東北二県温泉ハシゴ旅
2015年 09月 26日
つうようなわけで花の名前というのを呆れるくらい知らないから、咲いてるのを見てその場ですぐにわかったのがアザミくらいなもんなのだった。だけどまあ、歌舞伎だって50を過ぎるまでなにも知らなかったし、考えてみるとトシを取ってきたときに知らないことが多いってのは、いろいろ忙しくってなかなか悪くないことかもしれない。なんちて。
シルバーウィークも終わりまぎわ、若い女の子とあまり若くない女の人がやたらに目立つ普段と全然雰囲気の違う東京駅のプラットフォームから東北新幹線で仙台駅に着くと〈嵐〉が吹き荒れているという仙台市内を避けてそのまま仙石線で松島へ出た。船着き場まで歩いてから遊覧船で一周、途中ブイの上に佇むウミネコなど鑑賞したあと再び仙石線で仙台駅へ取って返し今度は仙山線に乗り換えてその夜は作並温泉で湯につかって休む。
しかし嵐の吹き荒れてるのは仙台市街地だけかと思いきや、東京駅のホームから日本三景松島から作並温泉まで明らかに普段よりも多い若い女の子とあまり若くない女の人と、彼女たちの持つバッグにARASHIの文字を見ないということがないのであった。いやーすごいですねこれはまったくもって。この調子で日本全国津々浦々くまなくツアーで巡ってくれたなら、日本経済はアベノミクスなんて愚にもつかないモンは押し入れに片付けといたって復活するんではないかと奥さんが言うんだが、まったく同感である。
松島のいかにも観光地の食堂っつうとこでお昼ゴハン食べたんですが(まるで期待しないで頼んだカキフライ定食が意表を突くウマさでね)、横にいたお母さんとお父さんに高校生くらいの男の子と女の子の4人家族のそのお母さんと女の子のバッグを見るとこれがARASHIなんだ。きっとお母さんとお嬢ちゃんが仙台へARASHI追っかけて行くついでにお父さんとお兄ちゃんをぶる下げて「家族旅行」にしちゃったんでしょうが、こーゆーケースも多分いっぱいあったんだろうな。
家族旅行じゃなければ、お父さんとお兄ちゃんはおウチでレトルトカレー食ってお留守番なり。
翌日はふたたび仙石線で山寺。駅のホームからはるかに見上げる断崖絶壁にへばりつく立石寺の奥の院に一瞬ビビるも、とにかく登って降りてきたらソバでも食って昼メシにしようと、そんなことで気合いが入るのかというような気合いの入れ方で登り始めたのであった。そしてわれら準老人世帯ふたりは明らかに自分らより年かさの老人夫婦に追い越されながらヘロヘロと奥の院に到達、踏みしめた石段の数が1000余。その証拠の品が奥の院の木鼻に彫られた獏の写真でございます。
奥の院にちゃんとお参りしてから下山後ふたたび仙山線に乗って山形へ(もちろんソバは食ったさ。山形っちゃあ板ソバですがね)。山形からはレンタカー借りて(奥さん運転)ふらふらと〈かみのやま温泉〉に向かったんでした。途中セルフのだだっ広いガソリンスタンドにだたっ広い駐車場つきのドトールが併設されてるのが珍しくてそこで珍しくもないドトールのコーヒーを飲んでひと休みしたりなんかしながら、夕方かみのやま温泉着。
泊まった温泉宿がまたクールっていいますかね。玄関前でお出迎えとか女将が食事の最中にお愛想を言いに来るとか、お帰りの際は仲居さんやなんかが玄関先でいつまでも手を振ってるとか、そーゆー「おもてなし」つうのが一切ないの。もちろん「いらっしゃいませ」は言うし「ありがとうございます」も言うんだが働いてる人が余計なことを言わないし、しない。だけど、新しいとはいえないんだけど館内の設えにちょっと気が利いてたり客室の設備に特徴があったりして悪くない。
こっから枝線に入りますけどね。おれ、オリンピックやら外貨稼ぎやらが話題になると最近やたらに連呼される〈日本人のおもてなしのココロ〉つうのがどうも苦手でね。あれって、ようするにかつて乱用された〈大和魂〉つうコトバと使われるシチュエーションがまったくおんなじなんだよ。つまり大雑把にいえば〈貧弱な装備を精神力で補え〉って文脈でどちらも使われてるわけです。これ、会社とか団体スポーツなんかでも同じなんだけどさ、指導者なり経営者なり管理職なり政府なりが本来すべきであった準備を怠ってきたとき、選手や部下や社員や国民の目をそこからそらせると同時に自分らの責任を回避するために発するコトバのひとつなんだよ。
まあそれとはちょっとちがうんですけど、まあ温泉旅館でいえばフロもメシもたいしたことないのにうわべばっかり〈おもてなし〉されてもなあ、みたいなね。そういう意味でなかなかクールな旅館なのであった。
翌日は朝から雨のなか米沢に向かう予定なのを、かみのやま温泉のある上山市というところも城下町だったというので城址に建つ鉄筋コンクリートの天守閣に登って(ふつう地方都市のお城ってばその土地でいちばん高いとこにあるのが相場ですから)360度見晴らしたのち、古い武家屋敷が残っているところが近所にあるというのを見物に行ったところ玄関先にウメモドキの植わっている家など、それほど大きくないお屋敷(ようするに中くらいの身分の武士の居宅だな)4軒が並んで残っていて、これがまた小雨が降ったりするものだから余計風情があって結構なのであった。
げんに住んでいるお宅もあるなか1軒は室内を見学できるというので、その茅葺き屋根のお屋敷に入ってみるとボランティアらしい(いかにも近所のおじさんつう感じの)おじさんが留守番のようにしていて、おじさんに入館料100円だか200円だか払って入ってみると、なんだか懐かしいような室内でね。多分ここもわりと最近まで使われてたんだろうなあ(少なくとも昭和40年代くらいまでは)という感じなのだった。
そこからまた歩いて10分くらいのところへ沢庵禅師がこの地に流されていたとき住んでいたという春雨庵の址を見物に行ったところ、茶室などあるものですから庭にも少し花など咲いていてそれを撮ってみたのが上の写真なんでした。
だからね。名前はアザミ以外みんな帰ってきてから調べてみたんです。〈赤い実のなる木〉なんて検索してみてね。そうすると結構な数のヒットがあるんだよ。それでネット上にある画像と自分の撮った写真を見比べてってコレがきっとアレだったんだよなあ、なんてね。だからたしかにそうだと断定する自身はぜんぜんないの。なので写真のうちわからなかった花ひとつと、それ以外の間違いを指摘して下さればありがたいです。
つうわけで春雨庵から雨がすこし落ちるなかを上山城址の駐車場に引っ返して、米沢を目指したのであった。
(たぶん続きはない)
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ハルズ
at 2015-09-27 18:39
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ホトトギスの花でしたか。
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god-zi-lla at 2015-09-27 19:25
ハルズさん ありがとうございます!
ホトトギス、杜鵑草、まったく知りませんでした。
やっぱりご存じの方はちゃんとご存じなんだなあ、花の名前って(というか、自分が知らな過ぎか)。
だけどこのホトトギス、小さい花なのに存在感ありすぎるくらい、ありますね。
これでまたひとつ、知ることができました。
ホトトギス、杜鵑草、まったく知りませんでした。
やっぱりご存じの方はちゃんとご存じなんだなあ、花の名前って(というか、自分が知らな過ぎか)。
だけどこのホトトギス、小さい花なのに存在感ありすぎるくらい、ありますね。
これでまたひとつ、知ることができました。
by god-zi-lla
| 2015-09-26 23:41
| 物見遊山十把一絡げ
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