神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

この2カ月で読んだ本の備忘録

この2カ月で読んだ本の備忘録_d0027243_138732.jpg順不同、他意はないよ。

新リア王(上・下)/高村薫
日本奥地紀行/イザベラ・バード
本が崩れる/草森紳一
おくのほそ道全訳注/松尾芭蕉 久富哲雄・訳注
ピアニストが見たピアニスト/青柳いづみこ
アナログな日々 ときどきモバイル/牧野茂雄
白洲次郎 占領を背負った男/北康利
LPレコード新発見/山口克巳
わたしの嫌いなクラシック/鈴木淳史
東京飄然/町田康
ごはんに還る/勝見洋一
千々にくだけて/リービ英雄
iCon スティーブ・ジョブズ偶像復活/J.S.ヤング、W.L.サイモン

なんといっても新リア王だな。
晴子情歌の続編で、おれのまわりでは前作を読み通したやつがいなくて全員途中で投げ出してんだけど、おれにとってはこれほど読書の楽しみを与えてくれる小説はそうない。
この続編も同じ。だから、だれにでも薦められるという作品じゃない。

いちばんうれしいのは、この展開ならさらなる続編が期待できること。
前作が母と息子の物語。今作は父と息子。そして一度も姿をあらわさない息子の息子が、なにやらモンスターくさいぞね。

また3年待つぞお。

町田康の作品を初めて読んだのはミュージックマガジン誌上で、まだパンクロッカー町田町蔵のときだったな。いやーヘンなもん書くやつだなあこいつ、と思ってたら今や筆一本で立つ作家だもんな。この異様な文体、古めかしいようで突飛、背筋がわしわしするリズム感が、内容にかかわらず好きだね。

スティーブ・ジョブズはアップルを追われたあと、さまざまな経験を積んで成長して再びアップルにもどってきたと著者は主張しているけれど、ここにあるエピソードからおれに見えてくるのは「三つ子の魂百まで」という言葉。本質的にはこの男、なーんも変わってないとしか読めんのだけどね。

「おくのほそ道」は原文を読んでから用語解説を読み、それでも理解できないときだけちらっと現代語訳に目を通すというやりかたで読み進め、できるだけ現代語訳を読まないようにした。
だって現代語訳は死ぬほどつまんないんだもん。

リービ英雄のこの作品、シチュエーションは特異だけどとくになにが起きるわけでもない小説。そこがおれ好み。しかしそのシチュエーションこそがこの小説のコアなんだろうけども、どこをどう面白がって読むか、それは読者の勝手でしょ。

「白洲次郎」の本はこれでもう少し文章に品があるとなお良し、なんだけど、おれなんかに言われたかねーだろうな、だれしも。
しかし、こんな業績のある人とは知りませなんだ。

「日本奥地紀行」は明治初年、英国人のばあさんが来日して東北地方から北海道を旅した旅行記、なんだけど日光から北はぜーんぶ未開の秘境として歩いてるんですな。「無礼千万」と憤る心と、なーるほどと納得する心が、読んでいると交錯してきますなあ。しかしエラいばあさんではあることよ。

草森紳一ってヒトは、ヘンなヒトだねえ。
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by god-zi-lla | 2006-01-12 12:29 | 本はココロのゴハンかも | Comments(0)