神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

ベルト取り替えました

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さて前回はいつ取り替えたんでしたっけね。

ブログに書いときゃよかったんだけど、どーでもいいことはグダグダグダグダ垂れ流すくせに肝心なこと書き漏らしてんだよなー。いくら見ても前回いつベルトを交換したのかなんてどこにも書いてない。たぶん7、8年前だったと思うんだけど。この狭っくるしいラックにアタマ突っ込んで取っ替え作業した記憶がかすかにある。

そして今日2018年3月4日、久しぶりにトーレンスTD521のドライヴベルトを交換したので此所に明記して後日の為と成さむ。よし、書いたぞ。

今回どういうキッカケでベルト交換に及んだのかというとだね。これは切れたりはしないんだ。徐々にベルトの表面が劣化してひび割れが入ってきたりするんだが、切れるまでには至らない。いや、いつか切れるのかもしれないけど、切れるまで使い続けたことはありません。

オープンリールにせよカセットにせよ、テープデッキやテープレコーダーのドライヴベルトは時としてブチ切れることがあるようだけど、あれはやっぱり早送り・巻き戻しで高速回転させちゃあ急停止する機会がすごく多いからなんじゃないでしょうかね。家庭用のレコードプレーヤーにはそういう機能も必要もまったくない。テープレコーダーから見ればレコードプレーヤーは、まるで極楽のような世界で日がな一日ゆっくりゆっくり回転しながらノンビリ暮らしてるわけで、さぞ羨ましかったことでしょう。

だけどぼちぼち取り替え時期かなという兆候はある。

おれはこのトーレンスTD521だけしかベルトドライヴのレコードプレーヤーを使ったことがないからほかの機種については知りませんけど、ある時からモーターの起動ボタンを押すとかすかに異音がし始める。シャーっという何かが擦れるような音が、起動して回転が安定するまでのほんの1秒あるかないかの間、ターンテーブル付近から聞こえるようになる(定速に達すれば音は消えるので再生に支障はない)。

そのまま使い続けても当分は問題なく回転してるんだが、そのうちなにかの拍子にベルトがサブプラッターから脱落するという事態が発生するようになる。

この、かすかなシャーっという音はモーター軸に取り付けられたプーリーかサブプラッターのどちらか、あるいは両方の接触面でベルトがスリップして発生するらしいということに随分経ってから気づいた。だけど最初にベルトを交換したときには多分気づいてなかったんじゃあるまいか。

最初にベルトを交換したのは頻繁にサブプラッターから外れるようになったときで、たしか使い始めて8、9年経ってたんじゃないかな。外れては掛け、外れては掛けを繰り返してりゃあ、さすがに鈍感なおれでもベルトの劣化に気がつく。なんだか表面に細かい亀裂が無数に走ってるし、いかにも使い古したゴムですって感じに弾力もなくなっている。

で、新しいベルトを買ってきて使い古したヤツと比べてみたら、なるほどこんなに延びちゃうもんなのか。


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これは今回交換したベルトですけど(長いほうが古いベルト)、いちばん最初に交換したときはもっとビローンと延びちゃってた気がする。

つまり延びてくるとモーターが起動したときベルトがプーリーとサブプラッターをグリップする力が弱まってスリップし、シャーっというような摩擦音を発するようになる。そしてさらにひどくなるとベルトは滑ってサブプラッターからズリ落ちてしまうわけだ(ゴムの緩んだパンツのように)。

シャーっと音がするのは最初スピンドルのオイル切れだと思ってたんだよ。だから初めてベルトを交換したとき同時にオイルを軸受けに差した。で、その異音が消えたのはオイルを差したせいだと勘違いしちゃったんだな。こういうとき二つのことを同時にやるから真相を見落とすんだよ。この失敗をおれはしょっちゅうやってしまう。ほんと悪いクセだよなー。この反省もしょっちゅうしてる。

つうわけで今回もベルトを取り替えてみるとシャーっという音はまったくしなくなり、静かに回転しているのであった。めでたしめでたし。

でもね、モンダイがひとつある。

最初にベルトを交換した20数年前にはTD521を買った秋葉原のヤマギワ本店へ行き、「ベルトひとつ下さいな」といって店頭で普通に買ってきたんだよ。

その次のときにはすでにヤマギワはなくなってたので、ネットで検索して在庫を持っていた近畿の大手ショップから取り寄せた。

で、今回もネット上で探してみたんだけど国内のオーディオショップや電気店に在庫が見当たらず、仕方なくドイツの業者に注文して手に入れたんだよ。

ベルト1本手に入れるだけのことにどんどん手間がかかるようになっている。しかも調べてみたら目下のところトーレンス製品を扱う日本の代理店がないんだよな。んー、ここ10数年というものトーレンスってブランド自体が消えたり現れたり非常に曖昧な状態が続いてたからさ(もしかしてまた消えたのか)。だから扱う代理店がなくなるというのもわからないではないんだ。

まあ30年以上も前の製品(なにしろ昭和時代に買った西ドイツ製)だから純正の補修部品がなくなるのも仕方ないっちゃあ仕方ないところだけどさ。しかも素材が素材なので買えるときに買ってストックしとくというのが得策とは限らない。

長く愛用してきたものをさらに使い続けるってのはとってもウルワシいことではあるんだけど、ナヤマシいこともいろいろと出てくるもんです。もしかしたら純正のベルトを手にするのもこれが最後ということにならないって保証はないんだ。

でまあ、みみっちい話ではあるんですが、前回新しくしたときに古いベルトをそのまま捨てずに保存することにしたんだよ。だから今でもパーツ箱の中にポリ袋に密閉されてそいつは潜んでます。当然、今回現役引退したベルトも上の写真のように延びちゃってはいるんだけど保管することにする。

ビローンと延びちゃいるけど切れたわけじゃないからね。新しい純正品が手に入らなくなり、代替品も見つからない、だけとコイツを使い続けたいという事態に至ったときは1年でも半年でも、この古いベルトを引っぱり出して使えるだけ使ってやろうなんて思ってるんだよ。

まあ、その頃にはこちとらもヨボヨボのじいさんになってて、トーレンスとおれのどっちの寿命が先に尽きるかというような状況でしょうから、多少レコードがよれよれ回転しようが止まろうが大したモンダイじゃなくなってると思うんだよな。



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Commented by 虎吉 at 2018-03-11 22:35 x
ゴジラ殿

こんばんは 三寒四温でございますね
毎度、左ねたですみません

『セトウツ』完結ーー実は小生、全巻持っている赤提灯のバイトくんから借りて読み始めたところです 映画を観た話をしたら「ぼくもってます」ってことでね

ただただ、だべっているだけの2人なんですが、コントのようでコントでないようなーー力が入っていそうで、抜けているーーいいんですねこれが 

ところでこれもつぶやきネタで恐縮ですが、『日の名残り』はみな絶賛だったんですか そうかもしれませんが、メンバーのみなさん、あのイギリス執事のあの伝統というか、固定観念みたいなものに反発はなかったんですか?
Commented by god-zi-lla at 2018-03-12 08:15
虎吉さん こんにちは。

セトウツミは意外な結末で、あの「座って喋るだけ」のあちこちにあった伏線を二人のやりとりの面白さだけに気を取られて読み損ねてたということに、最後になって気づかされてしまいました。

執事という日本にはないものについての面白さ(ひいてはそれを持っていたイギリスという国と日本の違い)、執事というものを生みだしたあの国の歴史についてはいろんな話が出ましたが、ある意味それは英国の伝統のなかで生まれたわけではないイシグロ自身の感じてたものとダブるのかもしれないわけで、反発というよりはいろいろに読めるこの作品の奥深さのほうへ、会話は収斂していきましたね。
Commented by ニブ at 2018-03-18 21:16 x
ゴジラ様こんばんは

私も521なんですが、交換ベルトはナガオカトレーディングのB-27を使っています。問題ないですよ。ヨドバシ、ユニオンで買えます。
Commented by god-zi-lla at 2018-03-19 15:22
ニブさん こんにちは。

あ、ナガオカはターンテーブルのベルトも扱ってるんですか。知りませんでした。

B-27ですね。メモしとかなきゃ。

ありがとうございます。古い物(というか古くなったモノ)を使い続けるには、こうした同好の士の貴重な情報がなによりの財産ですね。
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by god-zi-lla | 2018-03-04 23:17 | オーディオもねぇ… | Comments(4)