神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

トーレンスTD521アーム換装

もともとTD520は当時SME3012R付きとかオーディオクラフトのロングアーム付きとかが売られてましたけども、この521のほうはオートリフトアップ機能なしのアームレスで売られていて、希望のアームを指定すると代理店で取り付けて納品してくれるんでした。

たぶんほとんどの521はSME3012Rを付けて納品されてたと思うんだけど、オートリフトアップ機能がないだけで520よりもたしか10万円くらい安かったんだよね。

それはともかくアームレスで売られていたからといって別に自由自在にアームをとっかえひっかえするような用途じゃないわけで、アーム換装するとなるとマニュアルがあるわけでもなし、これはこれでひと仕事なんですな。しかし多分520を買っちゃってたら、こういうことはできなかっただろうな。



トーレンスTD521アーム換装_d0027243_8535437.jpgゴムシートを外しアウタープラッターを外し、ドライブベルトを外してからインナープラッターを静かに引き抜く。
それからアームベースを固定するビス3本を抜いてアームをベースごと撤去するとこうなりますね。

溝で囲まれているように写ってるところがフローティングされている部分。

トーレンスTD521アーム換装_d0027243_8563135.jpg


これはインナープラッターをはずして裏返したことろ。この上にドーナツ形のアウタープラッターが乗ってんのね。ドット部分はストロボパターン。下に広げてあるのは3012Rの取説ね。

トーレンスTD521アーム換装_d0027243_8594245.jpgこれからプレーヤーを裏返すんだけど、フローティング機構にダメージがないようにこの樹脂製の固定具をすぐ上に写っている丸い切り欠き部分(2カ所)に差し込んで90度ひねるとフローティング部分が固定される。ちなみにこの白いパーツはフローティングの高さ調整ネジを回す道具も兼ねてるので、チャチだけど520、521(もしかすると320、321も)ユーザーは絶対捨てちゃいけないモノ。

トーレンスTD521アーム換装_d0027243_8545991.jpgで、裏返して6本の木ネジを抜いて裏板を外したとこ。

左下の黄色いラベルが貼ってあるマルはモーターの底部。その約45度上のちいさいマルはターンテーブル軸受け底部。

中央下、上の左右にある長方形の同じ形の部品がフローティングの板バネ。

トーレンスTD521アーム換装_d0027243_904799.jpgこれが板バネの拡大写真。左側が固定部分で右側がフローティング部。

この固定部分にあるネジを上面からさっきの道具で3カ所、少しづつ回してフローティング部の水平を出していくんですけど、ちょうどこの写真のとこはプラッターを外さないと回せないのね。つーことは調整するときにはプラッター外しちゃ回しプラッター乗せちゃ様子見という作業を繰り返さなきゃなんない。じつにメンドい。

トーレンスTD521アーム換装_d0027243_913497.jpgで、なんで裏板までひっぺがさにゃならんかというとだね、そうしないとアームケーブルを通せないから。

本体底部と裏板にケーブルを通す切り欠きがあって、その両方の切り欠きでできた隙間をケーブルが通るんだけども、細いケーブルがかろうじて通るだけでプラグはぜーんぜん通り抜けられない。だからケーブル取り換えるためには裏返して裏板外すっきゃないわけ。写真右上のほうがその裏蓋側の切り欠き。

トーレンスTD521アーム換装_d0027243_915858.jpgいや5ピンのDINコネクターのアーム同士の換装だったらここまでやるこたないのね。SMEが前のエントリーの写真のようにRCAでマイクロはDINだからケーブル換えなきゃなんないわけだよ。

てなわけで換装完了。これからカートリッジ付けてアームの調整。SMEは前に外したままの状態だから、それほどいじらなくてもいいはずなんだけどね。まあこればっかりはやってみないとわかりません。

まーしかし、こういうことをチマチマやるのがアナログの楽しみではあるわけだな。
Commented by yayoishibainu at 2007-03-12 21:42 x
私は20年ほど前にTD320を購入して愛用していましたが
阪神大震災でTP-16MKⅣの軸受けを破損して
それが一因で 私もAudio生活から撤退していましたが
昨年TP-13Aを入手して再生できましたよ。。。
(オート・リフトアップ機能は不可ですが)
写真を拝見すると
見慣れた内部構造で基本は同じかもしれませんね。
ノアで購入したのですが 高さ調整用の道具は無く
取説でも 高さ調整には触れられていなかったので
知ったのは一昨年でした。
コンパクトTHORENSは音楽好きには最適な機器かも知れませんね。
Audio好きには 物足りないかも。。。
Commented by god-zi-lla at 2007-03-13 00:57
yayoishibainu さん こんばんは。

震災のときはご苦労されたのですね。私の両親も神戸の生まれで母の実家が神戸市長田区にあって、全員無事だったものの家は半壊して住めなくなってしまい、当時90歳だった祖母をこちらに引き取って自宅再建までの約半年一緒に暮らしたことがあります。

・・・

この521を買うとき、じつはTD320とどっちにしようか迷いました。
デザインのまとまりからすると完全に320のほうが小さくて精悍な感じがして好みだったんですが、SMEのロングアームに負けて521にしてしまいました。

たぶんモーターほか基本構造は同じですよね。小さくて構造上有利なところが音に出て、たぶん320のほうがシャープな音がするのではないかと想像しています。今だったら絶対320を買ってたと思いますね。
Commented by teruchan at 2011-08-21 12:21 x
320+3009impにはshure3で50~60年代のジャズを。クラシックおよび近年おジャズに520+3012Rの中古を入手しました。520の水平バランスが取れません。水平バランスをとると、フローティングが7mmくらいキャビネットから下がって見た目が非常に悪いのです。うまく調整できるのでしょうか。今は、水平バランスを気にせず、見た目重視してます。音の違いもわかりませんので。でも良い方法があればなー。
Commented by god-zi-lla at 2011-08-21 14:07
teruchanさん、はじめまして。
かならずしも正しいかどうかは別として、20年以上521を使い続けた経験からいいますと、フェルトの足元のところにいろんな厚さの挟み物を試してみて、それで本体の水平をまず確保し、フローティング部の上面はあくまでも本体上面とツライチになることを目指して調整するほうがベターだと思っています。

音はともかくとして、フローティング部と本体に段差が生じるような状態で使っていると、駆動ベルトがプーリーやサブプラッターから外れやすくなりませんか。

現在、ウチでは足の1本の下に厚さ3ミリほどのベニヤ片を敷いています。
Commented by teruchan at 2011-08-21 15:09 x
TD520で検索して、god-zi-llaさんのHPにたどり着いた次第です。520の記事は4年も前でしたのであきらめていました。にもかかわらずアドバイス有難うございます。まさしくその通りで、ベルトが外れたり、ターンテーブルがキャビネットに当たったりで購入以来悩み続けていました。安心しました。ツライチを基本にして、足の下で調整してみます。有難うございました。これですっきり、音楽に集中できます。この面倒さがアナログの楽しみですよね。これからはお気に入りに追加して、god-zi-llaサンの記事を楽しみに拝見させていただきます。
Commented by god-zi-lla at 2011-08-21 16:32
teruchanさん。
お役に立てたのでしたら、うれしいです。

じつはけっこう長い間、あのフェルトの足について「なんて曖昧でイイカゲンな足を付けたんだろう、トーレンスともあろう会社が」と思ってたんですが、どこか1カ所の足の下に薄い物を挟んで水平調整をしても、このフェルトの足だとガタが出にくいんですよね。

4点支持である以上、金属など硬質な素材で足が作られているのであれば、どんなに薄い素材のものでも挟んだだけでガタが生じること必定です。

それに思い至ってからは、こうした曖昧でイイカゲンなところも老舗ならではの「知恵」なのかなと思うことにしています。

そんなことはもしかすると考えすぎで、じつはたんなるコストダウンなのかもしれませんが(笑)
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by god-zi-lla | 2006-09-04 12:38 | オーディオもねぇ… | Comments(6)