The Natural Seven
2007年 03月 29日
「協奏曲」のほうはちょっと期待して聴いたんだけど、これはなんかもういかにもカギカッコ付きの現代音楽やね。
プリペアド・ピアノの発想はケージのオリジナルじゃないようだけども、なんつうかピアノの弦に異物をはさむことで鍵盤1本1本のむこうにおのおの全然別の楽器がぶら下がってるような、ちょうどドラムセットがそれぞれ違う打楽器が組み合わさって、あたかもひとつの楽器になってるようなそういう感じと正反対の印象を持ってんだけど、なんかそういうバラバラさ加減(ホントは1台の楽器なくせに)がコンチェルトっつう形式にまるっきりそぐわないように聞こえたんだけどね。
まーその、思ったほど楽しくはなかったね。プリペアド・ピアノはそれ1台でいろんな音が出ちゃうもんだから、ほかのいろいろな音色の楽器といっしょに音楽する必然性があんまりないのかもな。ほかの「独奏曲」を楽しむことにしましょっと。
でこの「The Natural Seven」なんすけど、あるお店のサイトの通販リストに出てたもので見たことも聴いたこともない1枚だったんでした。ただアル・コーンはすごく好きなミュージシャンだし「The Natural Seven」てタイトルと、メンバーにギターのフレディー・グリーンの名前があるのからしてもうカウント・ベイシーの「Kansas City Seven」を連想するなってほうがムリじゃんか。
てなわけで、とにかくこれは聴いてみたいと矢も楯もたまらず、おれ的にはやや高かったけども買っちまったんでした。
そしたらもーこれが大当たりなのよね。ちょっとヌルいベイシー・サウンドっつーか、そういえばトランペットのジョー・ニューマンもカウント・ベイシー・オーケストラの人だし、フレディー・グリーンのギターの音はベイシー・オーケストラのレコードよりも埋もれずによく聞こえるし、非常にベイシー度の高い楽しいレコードだったんでもう手放しでうれしいっす。ピアノのナット・ピアースなんて笑えるくらいベイシーになりきってるもんね。なんか全員楽しんでるよなあ。
なんかね、A面B面聴き通したあとでこのジャケットを見直してみると、すごくこう中身とフィットしたイラストとデザインだなあと思いますね。全体にほのぼのと楽しそうだし、いちおうアル・コーンがリーダーになってるけどワンマンチームじゃなくてまさに「The Natural Seven」て雰囲気醸し出してるしね。
いや、いい買い物しました。ヘビーローテーションの予感。
中古だからデータあんまり意味ないけど、いちおう↓
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The Natural Seven
(RCA VICTOR LPM-1116 LP)
Al Cohn(ts),Joe Newman(tp),Frank Rehack(tb),Freddie Green(g),Milt Hinton(b),Nat Pierce(p),Osie Johnson(ds)
*1955年頃の作品らしいよ
by god-zi-lla
| 2007-03-29 01:06
| 常用レコード絵日記
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