神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

SACDマルチ再生の普及のカギはアナログ・ダウンミックスにあるかも(その1)

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SACDてえモノがいまや風前の灯なのかどうかわかりませんけども、すくなくともCDがアナログを駆逐しかかったああいう地滑り的大勝つうか雪崩現象つうか、まあ少なくともそういうことだけは金輪際ないわね。

そうはいってもヨーロッパのレーベルを中心にクラシックじゃSACDの新譜ってのが次々とリリースされてるよな。日本じゃやっぱエクストンがリリース頭ですかね。カシラっつうのもなんですけどもね。

しかもそのクラシックSACDを見ますてえと、新録音モノのかなりの数がマルチchのトラックを収録してんのね。どんくらいの比率かわかんないけど、おれの感じだとどう控えめにみても過半数はいってんじゃないでしょうかね。

でもさ、このSACDマルチチャンネルを楽しんでる人って、実際問題どのくらいいるんでしょうかね。オーディオ雑誌なんかも一時期はマルチ取り上げてたりもしましたが、あまりさいきんは見かけないような気もするんだけどね。

でもさー、せっかくSACDにマルチチャンネルのトラックがあるのに、ほとんどの人が聴いてないっつーのが、ホントにもったいない。ホントにそう思うよ。おれは。

Studio K’sの山本さんがここ(2007年12月15日より後のところ)に書いてるように「SACDマルチをうまく再生すると、2Chでの再生、2Chの音場感なんてものが実に平面的だということがわかる。」んだよ。文字を読んでもわかんないかもしれないけど、一度ちゃんとしたSACDマルチを聴けば一発でわかりますってばさ。

山本さんはここのくだりで非常に重要なことを書いてるので、それを前提にこっから先書きますが、とにかく長年ステレオ(2チャンネル)のオーディオにセッティングを含めてあーでもないこーでもないと丹精込めてきたオーディオマニアにとって、得体の知れない「AVアンプ」やら「センタースピーカー」やらを安易に割り込ませるわけにはいかんのよ。そんなの当たり前だよな。そのへん、メーカーはぜーんぜんわかってないね。マニアの心持ちを斟酌せずに新しいものを買わせようとするだけだもんだから、けっきょく普及しないじゃんか。

だからその2チャンネル・オーディオの資産を生かし邪魔せずSACDマルチチャンネルを楽しもうとするには、マルチチャンネルを堪能するための必要最小限のシステムを構築するっきゃない。それがリア2チャンネルを除く前方3.1チャンネルを現用ステレオに統合してしまう「ダウンミックス」の存在理由なわけね。

ただ、ユニバーサルプレーヤーやらAVアンプに内蔵されてるデジタル・ダウンミックスは音がよくない。なんでか知らないけど、聴いてみると「なんじゃこりゃ」という音だから、いっぱし「良い音」を出すためにのめり込んできたオーディオマニアに受け入れられるようなもんじゃございませんのさ。

だからどうしてもダウンミックスはアナログでやらなきゃいかんの。

アナログ・ダウンミックスをやってくれるプリアンプってのがあります。ラックスとかオーラとか(アキュフェーズもか?)に。こういうプリの音が自分の愛用してるプリより気に入ったら買い替えるってのはありかもしらんけど、そこはやっぱり自分の愛機に愛着があって捨てらんないケースがほとんどだと思うんだよな。おれだってAGI511外すのヤだし。それがオーディオマニアの心理ってもんです。買い替え前提じゃ普及もなにもあったもんじゃありませんてば。

そこでダウンミックスをやってくれる機器というもんが登場するわけだ。といってもそんなものは売ってません。アキバにも日本橋にも。おれが使ってるのは上の写真の「ダウンミックス・アンプ」で、泉州のさるオーディオ名人が作られたものを譲っていただいたんですけどね。すごいでしょ。存在感アリアリだけど音楽鳴らすときには存在を忘れます。だからすごいんだよな。

ほんでもって、この写真がすごいでしょ。おれはこんな写真撮れませんからね。当然プロの仕業。ここにある山本さん撮影の写真を引用させてもらいました。さりげない写真のようでじつは全然さりげなかったりするとこがプロの手口ですな。おっと脱線しちまったぜい。

とにかくこの「アンプ」にプレーヤーの右・左・センター・サブウーファーの4つの出力をブチ込んでダウンミックスしていただいてですな。左右2チャンネルに振り分けて出力してもらうんですな。それを愛用のステレオ・パワーアンプに突っ込むっつー段取りです。

リアの2チャンネルはプレーヤーからそのまんま別途リア用に用意したプリメイン・アンプかボリウム付きのパワーアンプを通して、これまたリア用に用意したステレオ・スピーカー1組にぶっ込むわけだな。

だから前方はダウンミックス装置以外は何もさわりません。通常のステレオ再生するときに邪魔になるもんが前方にはありません。そしてこうやってダウンミックスした音には、「仕方なしにダウンミックスしたのよね。間に合わせですいません」というハンディを感じさせるものは一切ありゃしません。これ大事。

そもそもセンターチャンネルなんて音楽再生に必須なものじゃないのよ。サブウーファーは必要な人だけがダウンミックスしたステレオ出力にサブウーファーかませりゃいいの。JBL4350でピュアオーディオやってる人にもハナっからサブウーファーくっつけろって、そりゃ失礼ってもんでしょが。ねえ。

こうでなくっちゃオーディオマニアをマルチに引っ張り込むなんてことはできゃしませんて。そこんとこハードのメーカーの人たちがわかってないんだよな。

だいたいさあ、そもそも5.1チャンネルなんつうホームシアター系の仕様にSACDマルチをまるごと乗っけちゃったのが間違いのモトなんだよ。互換性だけ保っておいてピュア・オーディオに必要なとこだけ、つまり前方は従来の2チャンネルのみ、後方に2チャンネル追加するだけっつー規格にしとけばよかったんだよ。それだけで非常に豊かな世界が出現します。

そうすりゃ、いろいろ七面倒臭いこと考えずにすんだんだよ。リア・チャンネル分だけどっかで調達すりゃよかったんだ。

しかしですな。問題はそのダウンミックス装置なんだけど(to be continued)
Commented by ピピエコ at 2007-12-21 14:23 x
>JBL4350でピュアオーディオやってる人にもハナっからサブウーファーくっつけろって、そりゃ失礼ってもんでしょが。

あははは。これって、ボクのこと?・・・・ホントですよね、サブウーファーいらないです。それにしても、あの賑わいは何なんだ?すごいことになってますね。
Commented by なかだ at 2007-12-21 14:41 x
DVDオーディオは終わってしまいましたから、
SACDになんとしてもガンバってもらいたいもんです。

現実的に言うと、DTSの5.1chが一番普及しているみたいですが。
Commented by god-zi-lla at 2007-12-21 15:24
>ピピエコさん
そうです、もちろんピピエコさんのことです(笑)

いやあ「ノイボックス」の勝利は、やっぱりリーズナブルなお値段と、あの小ささですね。「それなら、一丁やってみようかな」とオーディオマニアに思わせるインパクトがあったってことでしょうね。
これでホントに「ノイボックス」を申し込んだ人が全員マルチを体験してくれると最高ですね。
Commented by god-zi-lla at 2007-12-21 15:29
>なかださん。
DVDオーディオは正式に終わっちゃったんですか? 実質的には終わってるとは思ってたんですけど。
いちばんのヒットはビートルズの「Love」だったんでしょうかね。
Commented by なかだ at 2007-12-23 11:41 x
オーディオベーシック vol.45 のP204に、佐藤良平さんが、
「DVDオーディオが終わってしまったのは、予想の範囲内とはいえ、残念だ」とか
「DVDオーディオの撤退は負の実績として残るので」と書いてらっしゃったので、
正式に終わっちゃったのかーと思ってました。

いちばんのヒットは「Love」っぽいですよね。でも何人の人があのサラウンドを
ちゃんと聴いているのでしょうかねー。
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by god-zi-lla | 2007-12-20 15:32 | オーディオもねぇ… | Comments(5)