神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

なんかすげーよなっての2枚(Petteri Sariola / SILENCE & コージー大内 / 角打ブルース)

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いやーホントだったらべつべつのエントリを立ててあれやこれや書き留めときたいとこなんだけどさ。はやる気持ちを押さえらんないってうか。立て続けに聴いたもんだからね。

フィンランドの超絶ギタリストの若者ペッテリ・サリオラはせんだって「音と戯れる会」で聴かせてもらってぶっ飛んだのでした。当然これを持ち込んだメンバーも「これスゴいからちょっと聴いてみなよ」ってことだったと思うんですけど。マジでみんなして口あんぐり状態つうか、そんな感じでした。

ロックのエキスパート、ノイさんが6月23日のDiaryで触れられてるので詳しいことは読んでいただくとして(横着なやっちゃなー)、いやーアコギ一丁でこんなプレイができるんですねえ。そのときもそうだしウチで聴いてもそうだったんだけど、ちょっと音量上げぎみにして聴くと、若干アブラ汗出ますもんね。

しかしまあギターって楽器はアコ、エレ、ロック、ジャズ、クラシック、ラテン、ブルース問わず、なんて表現力豊かな楽器なんでしょうか。

サリオラ青年は何曲か自分で歌ってもいますが、これも初々しくていい感じで聴けた。でもさすがに歌はオーバーダビングしたようだけどね。そりゃこういうギター弾いといて「弾き語り」はちょっとムリだろうなあ。

でもこういう「超絶技巧」だと次の展開が難しいとこあるよなあ。どっちかっつうとバンド組んでやるようなタイプの音楽じゃなくて一人でオタク的に掘り下げていく感じがあるしね。ヘタにバックに音付けてくと他愛ないイージーリスニングになっちゃわないとも限らないしさ。難しいよな。うまく育って息長くプレイしてくれることを望みます。

しかしさ。これ渋谷タワレコ、ロックのフロアさんざ探しまわってもなくてジャズフロアで面陳されてるのを見つけたんだけど、どっちかっつうとこれはロックじゃないんでしょうかね。ジャンルはどーだっていいってばいいんだけど、やっぱふだんロック聴いてる人のほうがしっくりくるんじゃないですかね。

ほいでもう1枚のコージー大内。
いやー度肝抜かれ具合からするとこっちのほうが上だな。いやもうブルース。テキサスブルース。イナタいカントリーブルース。でも「日田弁」なの。九州大分の日田。

阪神タイガースファンならもれなく日田といわれて思い出さなきゃいけないのは源五郎丸洋投手(日田林工卒)ですけどね。阪神タイガースの「珍名さん」てば源五郎丸と御子柴と掛布と相場は決まっております。掛布は「ミスタータイガース」になっちゃったから、いまじゃだれもカケフと読めない人はいないけど、ドラフト6位で指名された翌日の朝刊見て「掛布」をあたしらは「かけぬの」と読んでましたもんね。

いやそんな話じゃないんだってば。

いや日本語の日田弁で歌ってんですけども、いやーこれがさ。聴くともうライトニン・ホプキンスじゃんかモロ。声の質も歌い口もかきならすギターも全部。ライナー読むとライトニン・ホプキンス爺さんにハマってブルース道に入ったそうで最初は「ライトニン大内」と名乗ってたそうですけど、いやそーだろーなーと思うよ。

でも日田弁だからね。ただ聴いてると「もしかして日本語かもしんない」くらいなもんで何うたってるかよくわかんないの。だからよけいライトニン・ホプキンス。よーするにうっかりするとテキサス弁だと勘違いしそうな感じ。テキサス弁ていうかどうか知らないけどさ。いやーとにかくこれはディープな世界だわ。

歌詞読むとこれがまたディープなイナカのええころかげんな世界。ハラ抱えて笑っちゃうとこあり思わず感情移入してしまうよーなペーソス溢れるシーンあり。しかしコージー大内家の一族郎党のみならず日田市民一同老若男女打ち揃ってこんなCD出されたことにお怒りなんじゃなかろうかと一瞬よけいな心配までしちゃうような内容でもありますな。まあインディーズだからあんまり人の目(耳)には触れんからいいのか。

それとギターがハード。純正ブルースギターばりばりばりばり。聴き惚れます。

そしてレコーディング・ミキシングエンジニアがなんとあのマエストロ吾妻光良先生じゃあございませんか。ブルースの本質に精通してる人が録るとこうなるんだなあという、ブルースにはこれっきゃないだろう的カリっと乾いた密室的閉塞的クリアーさ溢れる音。さすが社長。

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Petteri Sariola / SILENCE
(King KICJ 530 CD 国内盤)

コージー大内 / 角打ブルース
(MARUYOSHI 02 CD )

Commented by ノイ at 2008-06-28 11:24 x
今日渋谷に出かけるんでサリオラのCD買ってこようと思ってます
見つけられるか心配ですが(笑
> でもこういう「超絶技巧」だと次の展開が難しいとこあるよなあ。どっちかっつうとバンド組んでやるようなタイプの音楽じゃなくて一人でオタク的に掘り下げていく感じがあるしね
その傾向はありますね。BlueNoteから出たスタンリー・ジョーダンも
両手スタイルでファーストは凄かったけど知らない間にいなくなってたな

角打ち って酒屋の一角で一杯ひっかける という九州じゃ普通に使ってた言葉ですけど関東じゃあまり使わないみたいですね
Commented by god-zi-lla at 2008-06-28 18:23
なるほど九州じゃふつうに「角打ち」っていうんですか。
関東じゃあれを指す固有名詞ってあるのかな。たんに「酒屋の立ち飲み」っていってるだけなような気がします。

そういえばいましたねー、スタンリー・ジョーダン。一時期Mac Osの起動音にも採用されてたくらいだから、それなりに一世を風靡してたんでしょうね。たしかに最近はぜんぜん見かけませんね。
Commented by realtrue-acp at 2012-04-02 11:07
Petteri Sariola が再来日します。5/30、東京代官山の「山羊に、聞く?」という会場です。詳細はhttp://realtrue.exblog.jp/14899695/ まで。
Commented by god-zi-lla at 2012-04-02 22:59
realtrue-acp さん。
情報ありがとうございました。

まだ20代なんですね。若いなあ。
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by god-zi-lla | 2008-06-28 08:42 | 常用レコード絵日記 | Comments(4)