神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

レコ棚本

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よーするに「レコード棚のまわりにいつも置いてある本」のことすね。

引っ越しのとき段ボールに突っ込んだっきりトランクルームに眠ってたんだけど、こいつらがレコード棚のまわりにないと、やっぱなんか落ち着かない。

で、きのう汗みどろになってトランクルームの段ボールの山から発掘してきた。まだあと少しあったはずなんだけど体力が限界にきて発見できず断念。でもまあこれだけ掘り出せてよかったよかった。これで少し落ち着いてレコードを聴けるってもんです。

横倒しになった一番下積みはステレオサウンド誌の第35号。奥付見ると昭和五十年夏号だから75年ですな。大学生のとき。これが初めて買ったSS誌なのね。こんな高い雑誌学生にゃおいそれと買えやしません。それまではずっと立ち読みでした。きっとバイトでもしてカネが入ったんだろうな。だから記念にこれ1冊だけ残してんですね。あとのSS誌のバックナンバーは全部捨てました。もちろんレコードの置き場所確保のためでございます。

その上はSJ誌増刊の「新・世界ジャズ人名辞典〈1988年版〉」。その上が同じくSJ増刊「ジャズ名門レーベルのすべて」。これは87年発行だな。その上に乗っかってんのはSJ誌通常号唯一おれんちで生き残ってる87年3月号。ドルフィーの特集でジャケット写真付きディスコグラフィが掲載されてんの。基本的にこのリストでドルフィーのレコード追っかけてきました。

ここいらへんのSJ関係にはたいへんお世話になってますけども、いまはぜんぜんお付き合いがございませんのね。そういえば最近は立ち読みもしてないねえ。ちょいとゴジさん、ちかごろとんとお見限りでないかい。たまにはウチの店にも寄ってっておくれ。なんてね。そんなことは言やしません。

その上はご存じ「レコードマップ」。だいたい3年にいっぺんくらい買い換えてるかな。さすがに毎年はちょっとね。

そこから4冊弁当箱サイズのがジャズ批評関係で「リヴァーサイド・ブック」「プレスティッジ・ブック」、通常号57号の「コルトレーン全セッション特集」でその上が「完全ブルーノート・ブック」。よーするにレコード買うためのネタ本つうかそういう雑誌どもですね。

手前の書籍は五味康祐さんの有名な3冊。いちばん古い「西方の音」以外は発売当初に買ったので初版=オリジナル盤だね。おほほほ。でも繰り返し読んでるもんだからカバーの角とかスリ減ってます。

SS社刊の「オーディオ巡礼」なんて80年当時で2,700円もしたのによく買ったもんだと思うけど、30年近くも繰り返し読んでるんだからじゅうぶんモトは取ってるなあ。いまとなってみりゃムリして買っといてよかったよな。

おれはクラシック中心に聴いてるわけでもないし当然大昔の巨匠なんて知りもしないし、タンノイファンでもないしマランツファンでもないし、五味先生のような態度でレコードや再生音楽に相対してるわけでもないし、専用のオーディオルームもないし、だからほとんど接点なんてないってばないし、端から端まで首肯できることばっかなんてことも全然ないし、それどころかこーゆー物言いや態度はイヤだなと思うとこもたくさんあるし、そのうえたぶん何割かはフィクションだと思う。それでもやっぱり折に触れてページをめくって読み耽ってしまうのはなぜなんだろうな。

そこんとこが自分でもよくわかんないんだけどね。
こういう狭い道楽の世界についての世迷い言のようなもんを読ませてしまってなおかつ長年飽きさせないところにベストセラー小説家、五味康祐の凄さがあるのかもな。しかもその売れる小説を書くことが、レコード音楽を聴くためにカネを稼ぐ手段だと公言してるんだから凄まじいよな。

この三冊っていうのは音楽とオーディオにまつわる随筆の風をいかにもそれらしく装いつつ、しかしこれはどう読んでも剣豪小説家の残した私小説なんじゃないかとおれは最近思ってんだけど、どうかな。

しかしまあ、随筆であれ私小説であれオーディオについて書かれた文学作品としちゃ唯一無二の存在ではあるよな。

いやこれはむしろレコードのために敢えて「捨てた」五味康祐にとっての「文学」をそのレコードによって取り戻すための行為が、この三冊を物すことであったのかもなあ、なんてさ。

また脱線しちまった。
それにしても「ごみやすすけ」と打って一発変換するATOK2008 for MacOS X 侮り難し。「ごみこうすけ」と誤読すると変換しないのも偉い。
Commented by ピピエコ at 2008-09-08 10:38 x
うぅ~~~~お借りしたい本ばかりなり。こんな本を手元に置いているとは、最高の贅沢なり・・・・・
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by god-zi-lla | 2008-09-07 19:38 | 本はココロのゴハンかも | Comments(1)