こんどのバッド・プラスはすごくいい、つか(The Bad Plus Joined by Wendy Lewis / For All Care)
2009年 01月 27日
それがなんか今回の新作はヴォーカル入りだっつうんでちょっと興味引かれたので買い求めてきました。ウェンディ・ルイスっていう女性の歌い手さんのヴォーカル入り。歌い手さんてことはないか。歌手。シンガー。singerね。ははは。すいませんねどうも。
いやこれがどうもいいんですよ。
バッド・プラスそのものがさ、ある種こう既成のフォーマットをひっくり返すつうか、つまりまあ通常のジャズピアノトリオのフリして爆音でロックやるという、そういう意表を突いた面白さのうえに成り立ってるとしたら、こんかいのアルバムは「ピアノトリオをバックに歌うジャズヴォーカル」って一見オサレなフォーマットを横取りして、オルタナっぽいロックにしちゃった面白さっつってもいいかもな。
このウェンディ・ルイスつう人がどーゆー人だかぜんぜん知りませんけども、これがかなりいいす。つかハマりそう。
バッド・プラスの音にうまくなじんでるんだか水と油なのかわかんないような不思議な感触なんだけども、そこがまたすごくいい感じにきこえる。
バッド・プラスそのものはヴォーカルのバックってこともあるんでしょうけども、いつもよりか若干抑えめな感じではあります。でもさ、いままでおれが気づかなかっただけかもしれないんだけど、その抑えめななかでもドラムスの抑えめなクセ者ぶりがすごいね。いままでのアルバムでもこうだったのかな。だとしたらスマン。ちゃんと聴いてませんでした。
非常に芸が細かいというかちょっとイヤミなくらい繊細。
もしかしてこのドラムスの人はスゴい人?
このウェンディ・ルイス嬢の歌が非常に繊細というかニュアンス豊かだもんだから、ドラムスはじめバンドのサウンドそのものがそれに引っぱられてるんでしょうかね。これはなんかバッド・プラスの新局面つってもいいのかもしれないんじゃないかね。
なかにはトリオだけの演奏も何曲かあるんだけど、長さからいっても曲調からいっても完全にインターリュード的位置づけに聞こえる。やっぱ完全にヴォーカルを中心にアルバムを組み立ててるよなこれって。
やってる曲もおれロックのことよく知らないんであれなんだけど、ニルヴァーナの曲、フロイドの曲ウィルコの曲イエスの曲とかね。なぜかビージーズの曲までやってる。
いやもうじつは何回も聴いてます。こりゃ当分のあいだヘヴィーローテーションだぜ。
しかしまあなんだな。このウェンディちゃん(つうほど若くないと思うけど)の歌がなかったら多分こうはなってなかっただろうな。
録音はすごくいいよ。かなりの高音質だと思います。思うんだけど、だからあのどろどろとしたダンゴ状態の音が出てこない。いいんだけどさヴォーカル入りだからこの音作りが真っ当だろうし、だいちそんなこと言ってんのおれだけかもしんないしさ。でも、この音作りで次回アルバムがトリオだけに戻るんだったら、おれはまたちょっとパスかも。
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The Bad Plus Joined by Wendy Lewis / For All Care
(Emarcy UCCM-1162 CD 国内盤)
*たぶんジャズの売り場にあると思うけど、これはロックです。
by god-zi-lla
| 2009-01-27 22:46
| 常用レコード絵日記
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