厄介な荷物のなかにゃ厄介でないブツも入ってた(Aaron Neville,Angela Hewitt)
2009年 03月 08日
待ってるうちに興味なくなっちゃったブツってな、高音質重量盤リマスター45RPMレコード3枚。
こいつらはとりあえず、そこいらへんにうっぱらかってあります。
いまのとこぜんぜん興味が復活しないんで聴いてもないからそれ以上書きません。
こーゆーブログってのも、いまどきはきっとおカネもらって書いたりするばやいもあるんでしょうが、まあおカネいただいちゃってたりすると興味のないもんについて書かなきゃなんないこともあるでしょうしね。各種新聞雑誌のレヴューなんかも、ときと場合によっちゃ大っ嫌いで胸くそ悪くなるよーなもんについてあれこれ書かなきゃいけなかったりもするんでしょうけどね。
あたしゃそーゆーのと違って、このブログそのものが道楽ですから。
いやなモンや気を引かれないモンについちゃいっさい書きません。
だってそんなことしても楽しくないもん。
つうわけでSACD2枚はさっそくすでに何回か聴いておりますのよ。
えーと、同じジャケットのやつが2枚ありますけども、こいつのいきさつについてはここをご覧いただくということで割愛させていただきます。
まあその後はこれに懲りましてレコード屋店頭でもちゃんと老眼鏡を出すことにしたんですけどね。
とにかく、ようやくのことで間違ってCD買っちゃったこのアンジェラ・ヒューイットのシャブリエ作品集のSACDが手に入ったわけなのでございます。長かったねえ足掛け4年だもんねえ。
CD再生をPCに移行してからすごく良くなったもんで、正直いってSACDステレオのメリットってかなり減っちゃったかなという気が個人的にはしてるんだよな。実際問題「あ、これSACDマルチ層ないんだっけ。だったらCD層かけよっと。ユニバーサルプレーヤーのスイッチ入れるのメンドいし」みたいなね。そういう事態もしばしば起こるようになっておるわけです。
ところがこれがやっぱりマルチch再生となると俄然話が違ってきちゃうの。
このヒューイットのシャブリエは演奏そのものも非常に明晰かつ美しいタッチで弾かれた名演奏なうえに通常のCDで聴いたってじゅうぶんいい音の好録音だと思うんですけども、しかしひとたびマルチchで再生したときの、このなんていいますか「幸福感」てのはちょっとコトバにしづらいもんがあるよなあ。
これはやっぱ時間はたっちゃったけど手に入れてよかったわ。
シャブリエの音楽ってフランス近代音楽のなかでどういう位置づけなんだかぜんぜん知りませんけども、リズミックで軽快でフランスもやっぱラテンの国って感じを強くさせる音楽。そういう感じが、音が飛び散っていく感じがSACDマルチchで聴くとすごくいいのね。
しかしこういうものを聴かせてくれるSACDマルチchが死滅寸前てのがなあ。
もう1枚はアーロン・ネヴィルのスタンダード集なんだけど、これはウカツにも発売されてたこと自体を知らなかった。チェックもれ。しかもそれがSACDでリリースされてたなんてもう全然。
だからこっちのほうは完全に初めて聴いたんだよね。
じつはアーロン・ネヴィルが古いソウルバラッド集を作ったり、こういうスタンダード集作ったりするのを「なんだかなあ」と思ってたとこがあったんだよね。なんか年とっちゃったっつうか覇気がないっつうかね。なんかそんなふうに勝手に思ってたんだけどさ。
でもさ。去年ネヴィルブラザーズのライヴに行ってから考えをあらためました。
あのファルセットヴォイスでもって、あのガタイとはどーしても結びつかないソフトでスイートな歌唱でもってスタンダードやバラッドを歌うのが、この人の役回り且つ真骨頂なんだってね。ようやっとわかったのライヴ見て。血のめぐりの悪いやっちゃね、おれって。
この盤もストリングス入りの甘甘ってばアマアマの1枚ですけども、そこがいいのよ。
マーヴィン・ゲイのワッツ・ゴーイン・オンだって、あのスイートヴォイスでプロテストソング歌うからいいのよね。あれも声張り上げちゃいけないのよね。関係ないけどさ。
そういうスイートなアルバムをSACDマルチで聴くってのがまた快感ですな。
ストリングスやバックバンドの一部が文字通りバックに回って、ヒューイットのシャブリエみたくまさに演奏会場の空気とか気圧感とか高さとか広さとか、そういうものが体感される気持ちよさってのとは違った、気持ち良く聴くために人工的に作られたサウンドステージにどっぷり浸ってアーロン・ネヴィルの甘い歌を聴く快感ね。
考え方も録り方もぜんぜん違う2枚のSACDマルチだけど、どっちもないとおれは困っちゃう。
どっちもすごく気持ちいいもんね。気持ちよさってことでいえば同じだな。
しかしこういういいモンが絶滅しようとしてんだもんなあ。
なんとかなんないもんかなあ。
by god-zi-lla
| 2009-03-08 09:02
| 常用レコード絵日記
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