神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

またまたLONDON国内初期盤ね(ANSERMET / DEBUSSY)

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黄金週間だねえ。おれにはあんまり関係ないけどさ。

勤め人辞めて1年とちょい。

30年前、初めて持たされた活版印刷の名刺を緊張しながら手渡した最初の人ってのが研修で「おまえこういうとこに電話してこういう人にアポ取って会いに行ってどういう仕事してるか話聞いてこい」って「はじめてのおつかい」みたいにして訪ねてった先の当然初対面のおじさん。

考えてみたらこんな「研修」を新入り全員にやらしたんだから、ずいぶんとまた芸の細かい念の入った研修だったんだなあって実はいまさっき突然思い出したのよね。ヒマだったんすかね世の中全体が。

でその最初の1枚からいったい30年で何千枚だか何万枚だかわかりませんけど名刺交換して、机の引き出しに最後まで残ってたそういう名刺のごく一部をぜーんぶシュレッダーにかけて会社の玄関おん出てきてから1年。そういやおれは名刺ってのを持たずに暮らしてきたんだよな。

そのあいだにも名刺もらうことはあったのよ。でも「あたしゃ名刺ってのを持ってないんでごめんな」とかなんとかいいながらヘラヘラ笑ってすましてたんでした。

これはもしかしてシツレイなことだったんではないのだろうか。
社会人として語るに落ちるとはこのことじゃあるまいか。

ぬあんてことは小指の先も思いませんけどさ。

でもまあもらったっきりでこっちが名刺あげないと、どーも相手もどうしていいかわかんないようなそぶりをする場合もあるしさ。まあしょーもないもんとはいえ1枚紙くれたんだからこっちもお返ししないとさ。

目には目を。歯には歯を。名刺には名刺を。

と思ったりもしたもんだから名刺作ってみました。イラストレーターCS4とプリンタで。

でさ。勤め人の名刺って会社名とか肩書きとか入ってるじゃんか。まあ勤め人のばやいは個人の名前なんかどーだってよくて会社とか役職のほうが大事だったりもするわけだけどさ。飲み屋のオヤジの名刺なんかだと屋号が入ってたりするよな。

まあ、余白もあることだし、おれもなんかそういうの入れておこうかな。屋号も会社も肩書きもないんだけどさ。なんかこう「なるほどおまえはそうゆう人間なのかあ」ってわかってもらえそうなやつをさ。で。
パンも焼く主夫

わかりやすいショルダーコピーでしょ。しかも色オビに白ヌキ文字。

早くだれか見ず知らずの人に渡してみたいぞ。わはははは。
そこいらへんの路地でポケットティッシュといっしょに配っちゃおうかしら。
わけわかんねーな。

アンセルメのドビュッシーはA面が交響詩「海」でB面「夜想曲」。両面深溝。

いいねえ。おれなんかが四の五の言うようなもんじゃございません。音もやっぱりこのキングレコード謹製のロンドン初期盤はいいわ。しかもこの微妙な音によるグラデーションを聴かせるためだけに作ったような、もしかしたら思想や感情を音楽で表現するなんて発想をハナっから捨ててたつうか鼻で嗤ってたかもしれないドビュッシーの管弦楽作品に、なんか非常に合う音だよねえ。

でさ。こんだの盤には中に昭和39年1月現在の既発シリーズのリストが入ってたの。こういうの残してくれてるとホントうれしい。タイトルと番号が印刷されただけの紙っぺら1枚ですけど眺めてると楽しいねえ。いろんなことを想像させてもらえますね、こういう付き物があるとさ。昭和39年1月ってば9か月後には東京オリンピック。あたしゃ小学2年生でした。

そのリストの冒頭にある宣伝文句の一部分。
 ご存知の通り、ロンドン・レコードは世界最高の録音技術と自他ともに許すイギリス・デッカで録音、カッティングされた原盤を直接輸入し、プレスしていますので、お聞きの通りの実際のコンサートでも一寸聞けない程の実に繊細でしかもダイナミックな音が再現されます。そして、あなたの再生装置がより高度なものであればある程、他には絶対類のない、素晴らしい音色を満喫できます。

この時代にもう「ナマより再生音のほうがいい音のことだってある」って言ってるのがすごいね。しかも「オーディオ装置が良ければもっといい音で鳴る」ってもう元祖キング・スーパーアナログディスク。最初っからこういうのが好きな会社だったんだな。

なんかで読んだ話で実話かどうかわかんないけど、アンセルメがスイスロマンド管を率いて来日公演したのを聴いた日本人が、けっこう失望したことがあったんだってね。レコードであれだけ素晴らしい音を聴かせてくれたアンセルメなら、さぞ実演は素晴らしかろうって期待してったら裏切られたって。

そんな話があながち嘘でもなさそうだなと思わせる音が、この時代のロンドンレコードからはきこえてくるね。
このリストに出てるレコード、かたっぱしから欲しいぞ。
Commented by mono-mono at 2009-05-01 21:47 x
私、未だ現役の会社員ではありますが、個人用の名刺を作ろうと思いはや?年。
肩書きは思いきって「コレクター」で行こうかと(笑)
「え、なんの?」と誰かつっこんでくれるかなァ?
Commented by god-zi-lla at 2009-05-02 05:50
「コレクター」って名刺出されたら、ふつうの人ってなにを想像するんでしょうね。
少なくともレコードではなさそうな感じが(笑

切手とか刀剣とか古伊万里とか泰西名画とか古書とか、いわゆる書画骨董のたぐいですかね(切手はちがうか)。

だいたいコレクターなんて名乗るくらいだから、きっとお金持ちなんだろうなと思う人はけっこういそうですね。

「コレクター」の文字のうしろに「(うふふふ)」とか印刷して謎めいた含み笑いしちゃうってのはいかがでしょう。

突っ込むまえに引いちゃいますね、これじゃ。
Commented by jazzamurai at 2009-05-07 00:25
という訳で、昨日ですが、
ffss SLC1080 
ffss SLC1157
ffrr SLC1189
というのを買ってみました。全部1962年でした。100円ではなかったですが・・・・。
確かに、音が良いです。ジャケットもキレイ。拙者も欲しいなあ、と思った訳ですが、god-zi-llaさんが書いたはる「既発シリーズのリスト」を探すついでに盤を見てみると、今日並んでた盤の中に、デッドワックスにJISマークの入ってるものがあったのです。ということは、それは原盤直輸入でない?等とも考えてしまい・・・・。
Commented by god-zi-lla at 2009-05-07 05:52
JISマークのほかに「SDLB…」などの国内番号が入ってても「ZAL」で始まる印刷書体の刻印があるものはDECCA輸入原盤を国内プレスしたものなんだそうです。輸入してから日本で刻印したんでしょうね。

えーと1080はカラヤン/VPOの「ロメオとジュリエット」、1157はアンセルメ/スイスロマンドのビゼー、1189はカラヤン/VPOとレオンタイン・プライスのえーと、これはクリスマスキャロルですか。

「既発シリーズのリスト」で見ました。へへへへ。
でも、いいなあ。どれも欲しいっす。また探しに行こ。
Commented by jazzamurai at 2009-05-10 01:40
その通り!!
今日、SLC1104も買ってしまいました。
レオンタイン・プライスは今年のクリスマスに聴こうと思っています。
しかし「既発シリーズのリスト」、欲しいっす。
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by god-zi-lla | 2009-05-01 18:47 | 常用レコード絵日記 | Comments(5)