神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

音盤廃棄命令が出たら(益田幹夫 / Mickey's Mouth)

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とんでもないことにこの梅雨どきのじめじめうじうじ蒸し暑くてどうしようもないさなか、ゆうべとつぜん冷蔵庫が故障した。

なんて夏なんだ。

おとつい久しぶりに渋谷に出てこれも久しぶりにレコファン覗いてみたらついつい長居しすぎてイエローポップを覗き損なっちゃった。いまどきレコ屋でエサ箱漁りするんならレコファンやイエローポップみたいな「なんでもあり」系店がいいすね。ちかごろできたディスクユニオンの「なんでもあり」系なJR御茶ノ水駅聖橋口改札まんまえ店(そんな店名なわけないが)なんかもよいです。

ジャンル細分化された廃盤店のしかも個人経営の店って一旦入ると買わずに出てこれないかもしれん恐怖ってありますしね。でも買うとなると自分のまわりにあるレコードどれも値段5ケタ以上だったりしてさ。恐いすよね。毎日通って常連になって店主とバカっ話でも交わせるよになればいいのかもしんないけどさ。

でもきっとそういう人たちは初期投資がすごかったりする。
そして生半可なレコ屋にはもう欲しいレコードがなかったりして、だから恐いものナシだったりする。だからレコ屋でバカっ話以外にすることがなかったりもする。

んでしょうな。

だから廃盤専門店みたいなとこは、いまどき絶対通販のがいいす。ネット上のリストでも印刷されたリストでも、さんざっぱら穴のあくほど眺めといて、ほいでもって買わなくたってオヤジは睨みつけたりしないからね。

でそのときはけっきょく時間切れでイエローポップは行けずにハンズの横通って(あの坂も名前あんの?)タワレコ行ってそれからパタゴニア行ってシャツ買って帰ってきたのでした。めでたしめでたし。

武田和命の〈GENTLE NOVEMBER〉がSHM-CD復刻された同じシリーズでこの〈Mickey's Mouth〉も復刻されてるってのを知って、そんときタワレコで買ってきました。買おうかどうしようかさんざぱら迷ってたスティーヴ・ウインウッドとエリック・クラプトンのライヴのCDといっしょに。

武田和命のアルバムよりもまだ前、76年のリリースだけども益田幹夫のほうはフュージョン。つか、まだこのころは「クロスオーバー」って呼んでたかもしれない。

おれCDの紙ジャケ復刻ってとくに好きでもなんでもないんだけどさ、うーん、この〈Mickey's Mouth〉は紙ジャケにしてもらったほうがよかったなあ。もとのLPのジャケットはキレイなPPコーティングジャケットだしさ。そういう仕上げに合った写真だしさ。

このアルバムはハタチのころからもう30数年ずっと飽きずに聴き続けてきました。いまだって年に何回かは絶対聴いてるね。このSHM盤買ってきてさっそく聴いてみたけど、ことしの1回目ということじゃないしね。そんくらい自分のなかに染みこんじゃったレコードです。

前にも書いた気がするんだけど、ぜんぜん作り込まれてない、音と音のあいだにたくさんすき間があって良く言えば風通しのよい悪く言えばスカスカな、メロウなメロディで聴かせるようなとこはぜんぜんなくて、ちょっとかっこいいリフに味付けしただけみたいな、どっちかっていうとビート感中心の、いかにも若いやつが勢いで作りましたって感じのアルバムなんだけどね。

いまだったらこのアルバムの状態をベーシックトラックにして、いろんなもん付け加えてくんじゃないかって気がする、そんくらい、なんつうか「素材感」まる出しの音楽ってばそういう感じなんですけどね。

おれはちょうど同じくらいの時期に出たジェフ・ベックの〈Wired〉と、このころはほとんど交互に聴いてたんじゃないかと思う。まだあんまりレコード持ってなかったしさ。

益田幹夫はこのあとこの路線をやめちゃうんだよね。もっと都会的で洗練されたフュージョン路線に行っちゃったんで、これから後のアルバムはもっと作り込まれた印象の、だからぎゃくにあんまり個性的じゃない当たり前なフュージョンになっちゃって、その他大勢のなかに埋もれちゃったような気がするんだけどさ。おれだけの印象かもしんないけどね。

ああいう若気の至り的レコードってな、そうそう作れるもんじゃないのかもしれないな。
未完成な感じはすごくあるし、でもその未完成なとこにたぶん若造のおれは惹かれたんだろうし、ただミュージシャンとしちゃそういう未完成なやつは自分の成長に合わせてだんだん許せなくなるんだろうけどね。聴いてるおれのほうはインプリンティング状態。益田幹夫といえばこれ、みたいな。

もし「音盤所有枚数制限特別措置法」なんて法律ができて50枚以上CDやレコード隠し持ってるやつは懲役なんていわれたら、その50枚のうちには絶対入るね。それが20枚でも入る。10枚になっても多分、入る。さて5枚だったらどうかな。入るような気がする。

そういう1枚なんです。おれにとっちゃ。

益田幹夫 / Mickey's Mouth
(EAST WIND UCCJ4087 SHM-CD
益田幹夫(kb)、峰康介(ss)、斉藤正良(el-g)、河上修(el-b)、オー・ジェス(ds)、ギレルミ・フランコ(perc)
*ちなみに添付のライナーノートだけど中身聴いて書いた形跡がない。

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そういえばいまタワレコ行って3000円だかお買い物するとタワレコインてチップみたいのくれます。なんだかわかんないけど。3枚たまるとなんとかとか、5枚ならなんとかとか、10枚でなんとかとか、なんかそうゆうのらしい。チラシくれたから見ればいんだけどさ。

でもなあ。「タワレコイン」て名前がなあ。
タワレコらしいっちゃ、らしいんだけどさあ。

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by god-zi-lla | 2009-07-11 08:51 | 常用レコード絵日記 | Comments(0)