クリフォード・ジョーダンて人はミンガス・グループの、たとえばヨーロッパツアーの映像なんかでドルフィーやピアノのジャキ・バイアードといっしょに演奏してるのを見たり聴いたりするくらいなもんしかなくて、なんつうか演奏も姿かたちも実直というかマジメというか、ドルフィーが自分のソロじゃないときにステージ袖にひっこんで南京豆をポイと口に放り込んでたりする奔放さとは正反対のプレーヤーだよな、なんていう印象しかなかった。
それでこのジョーダンがリーダーのCD。
店頭の手書きPOPに「一度もCD化されていなかった最後の名盤」みたいなことが書かれてて、こちとらこういう文句に弱いもんだからつい買っちゃったんでした。
さてこれもまた非常に真摯な音楽をやっていてミンガスグループで背筋をしゃんと伸ばしてソロを取っていた姿をまったく裏切らないんだな。
トランペットがドン・チェリーとケニー・ドーハムという二人で2曲づつの出番なんだけども、とりわけドン・チェリーの吹く2曲がおれには印象的だな。自由奔放に吹いててちょっとラテン的な哀愁を漂わせてなおかつ全体の構成のなかにすんなり溶け込んでるのがいいよ。ドーハムの端正でシャープでかっこいいトラックもいいけど、こりゃもう好きずきだろうな。
それにしてもウイントン・ケリーの弾くピアノ音のよれよれなこと。ウイントンのせいじゃなくてこれはそうとうガタのきたピアノなんだろうな。マル・ウォルドロンの弾いたファイヴ・スポットのピアノよりもこりゃヒドいかもなあ。この時代のニューヨークのピアニストってのは苦労が耐えなかったんだねえ。
さてこれが最後の「名盤」なのかどうか、おれにはわかんない。たしかに聴きごたえのあるアルバムだとは思うけど、権利関係とかいろんなことがあったにしても、これがCD化されなかったってところにはなんかクリフォード・ジョーダンのちょっとジミで実直なところも影響してんじゃないかって気はしないでもないね。
ドン・チェリーだけの参加でもっとフリーな1枚に仕上げる、あるいはドーハム一人に絞ってもっとメインストリーム的な世界に仕上げる。そのどっちかにしちゃったほうがもっとヴィヴィッドな盤になったような気がしないでもないけど、そうしなかったところにクリフォード・ジョーダンて人の、逆に良さがあるのかもなあ。なんてね。
そういう意味じゃ、このセッションの残りテイクの発掘なんてことがありゃ、ぜひ聴いてみたいもんですね。
チェリーでCD1枚分、ドーハムで同じく1枚分とかないもんでしょうかね。
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CLIFFORD JORDAN IN THE WOELD
(STRATA EAST PCD-23842 CD )
Clifford Jordan(ts),Julian Priester(tb),Don Cherry(tp),Kenny Dorham(tp),Wynton Kelly(p),Wilbur Ware(b),Richard Davis(b),Albert Heath(ds),Ed Blackwell(ds),Roy Haynes(ds)
それでこのジョーダンがリーダーのCD。
店頭の手書きPOPに「一度もCD化されていなかった最後の名盤」みたいなことが書かれてて、こちとらこういう文句に弱いもんだからつい買っちゃったんでした。
さてこれもまた非常に真摯な音楽をやっていてミンガスグループで背筋をしゃんと伸ばしてソロを取っていた姿をまったく裏切らないんだな。
トランペットがドン・チェリーとケニー・ドーハムという二人で2曲づつの出番なんだけども、とりわけドン・チェリーの吹く2曲がおれには印象的だな。自由奔放に吹いててちょっとラテン的な哀愁を漂わせてなおかつ全体の構成のなかにすんなり溶け込んでるのがいいよ。ドーハムの端正でシャープでかっこいいトラックもいいけど、こりゃもう好きずきだろうな。
それにしてもウイントン・ケリーの弾くピアノ音のよれよれなこと。ウイントンのせいじゃなくてこれはそうとうガタのきたピアノなんだろうな。マル・ウォルドロンの弾いたファイヴ・スポットのピアノよりもこりゃヒドいかもなあ。この時代のニューヨークのピアニストってのは苦労が耐えなかったんだねえ。
さてこれが最後の「名盤」なのかどうか、おれにはわかんない。たしかに聴きごたえのあるアルバムだとは思うけど、権利関係とかいろんなことがあったにしても、これがCD化されなかったってところにはなんかクリフォード・ジョーダンのちょっとジミで実直なところも影響してんじゃないかって気はしないでもないね。
ドン・チェリーだけの参加でもっとフリーな1枚に仕上げる、あるいはドーハム一人に絞ってもっとメインストリーム的な世界に仕上げる。そのどっちかにしちゃったほうがもっとヴィヴィッドな盤になったような気がしないでもないけど、そうしなかったところにクリフォード・ジョーダンて人の、逆に良さがあるのかもなあ。なんてね。
そういう意味じゃ、このセッションの残りテイクの発掘なんてことがありゃ、ぜひ聴いてみたいもんですね。
チェリーでCD1枚分、ドーハムで同じく1枚分とかないもんでしょうかね。
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CLIFFORD JORDAN IN THE WOELD
(STRATA EAST PCD-23842 CD )
Clifford Jordan(ts),Julian Priester(tb),Don Cherry(tp),Kenny Dorham(tp),Wynton Kelly(p),Wilbur Ware(b),Richard Davis(b),Albert Heath(ds),Ed Blackwell(ds),Roy Haynes(ds)
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by god-zi-lla
| 2007-03-05 12:13
| 常用レコード絵日記
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