神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

キャデラック・レコード

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きのう新宿ピカデリーで「キャデラック・レコード」を見てきた。面白かった。

おれはとくにブルースファンつうわけでもないからチェスレーベルについてよく知らないし、チェスに所属してたブルースマンのこともほとんど知りません。だいたいチェスって名前がそもそもオーナーのファミリーネームだってのをこの映画見て知ったくらいなもんだからさ。ついきのうまでチェスってゲームのチェスから取った名前だと思ってた。

だけどそんなことぜーんぜん知らなくったってじゅうぶん楽しめる映画でしたね。そのうえブルースやR&Bの名曲がいっぱい聴けるしさ。おれなんて上映中何回か拍手しそうになって危うく思いとどまった。一瞬ライヴと錯覚してんだな。

どの登場人物もそこそこいいやつらで基本的に悪人てのが登場しない映画なんだけどさ。悪人じゃないんだけどみんなそれぞれになんかヤバい。大雑把かつ乱暴でジャンキーでアウトローとの境目ひじょうに曖昧つう感じ。差別意識なんて微塵もない音楽を愛する目利きの大プロデューサーなのか黒人ミュージシャンを金づるとしか見てない上昇志向で拝金主義のインチキ野郎なのか、たぶん両方な主人公のレナード・チェス。

マディ・ウオーターズがミシシッピの田舎からシカゴに出てきてチェスと出逢いリトル・ウォルターと出逢う。ハウリン・ウルフがポンコツトラックで現れチャック・ベリーが登場してエタ・ジェイムスもスターになる。でもリトル・ウォルターは酒と麻薬におぼれ白人警官にブチのめされ果ては博打がらみで殺されて、チャック・ベリーは淫行で収監されてる間に白人に曲を盗まれエタ・ジェイムスも麻薬で挫折する。

そしてブルースのエキスを吸った白人ミュージシャンがロックンロールでカネと人気をかっさらい、黒人ミュージシャンは経済的成功から疎外される。チェスも結局は会社を手放すことになってその直後に死ぬ。

ビヨンセがやったエタ・ジェイムスがぴちぴちと小生意気で可愛くて悩み深くて、すごくいい。
しかし、いちばんなのは哀れでかわいそうなリトル・ウォルターだなあ。

それからさ。
さすがにレコード会社舞台なだけあって感じとしたら半分くらいはスタジオのシーンでさ。これがまたなんか楽しめるんです。なるほどこんなふうに女の子スタジオに呼んで(つうより連れ込んでって感じ)気分出しながら録音してたんだなあとかさ。エタがストリングスをバックに歌うとこなんか、狭いスタジオに弦楽オーケストラがぎっしり入って一発録りだし、当然ドラムスはブースになんか入ってないしバンドはみんな狭いとこに固まって演奏してるしさ。

なんかこう、音楽が生まれる現場が濃密。だから生まれた音楽そのものも濃密なんだろうなあと思われて、いやーいいすねえ。

ストーンズがチェスのスタジオでレコーディングするシーンもあるし。

しかしさ。ウチに帰ってきてからふと思ったんだけどもこのレナード・チェスって人はポーランドからの移民だろ。そういえばブルーノートのアルフレッド・ライオンとフランシス・ウルフはドイツからの移民。アトランティックのネスイとアーメッドのアーティガン兄弟は駐米トルコ大使の息子だもんな。

なんか、
悪いアメリカがここにあり、
良いアメリカもここにある。
つう感じがする。

ウチにはレナード・チェスが生きてた当時の盤なんて当然ないんで写真はリトル・ウォルターの2枚組ベスト盤のセンターレーベルす。マディ・ウオーターズのレコード持ってると思ったんだけど見つかんない。あとチェスのレコードってばなんだろうなあ持ってんの。ラムゼイ・ルイスの〈THE IN CROWD〉がチェスだったっけか。あれも真っ黒な音楽だよなあ。

でもこれを機会にチェスのアルバム集めるぞお、なんてこた考えませんからね。
しかしマディのレコード1枚くらいないとなあ。

そんな程度の認識なおれでも2時間すごく楽しんできた。
たいがいの米国音楽好きが、たぶん楽しめる映画だと思う。
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by god-zi-lla | 2009-08-30 17:11 | 物見遊山十把一絡げ | Comments(0)