神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

汚レコード洗うか磨くかこするか削るか。(Les McCann & Eddie Harris / Swiss Movement)

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きょうはまたあったかくていい天気だ。

このまえ、いつだったか渋谷のハンズに買い物があって行ったとき、近所にあるレコファンについ寄ってしまったのでした。つか、いつもそう。レコファンとかイエローポップとかに、つい。

そもそも立地がいかんのだ立地が。
ついレコード屋寄っちゃうのはおれのせいじゃないです。
あははは。そんなわきゃありません。

しかしレコファンてば昔は渋谷だけでも何軒もあったんじゃなかったですか。それがなんかセンター街のなんちゃらビル(こればっかだな。あ、思い出したBEAMだ)のだだっぴろいワンフロアの店1軒きりに、もしかして縮小してまったですか? おれの勘違いかもしんないけど、これも時代なんだろうねえ。みんな、もっとレコードCD買おうね。

それはともかくとしてだな。まあ手ブラで店出るのもなんですからレコファン応援も兼ねて数枚のLPを求めたわけですが、いちいち言い訳が多くてすいませんね。それをウチに帰って開けてみますてえとそのなかの1枚の盤面に検盤とき気づかなかった付着物が、幅2ミリ長さ7ミリくらいのそうだなあゾウリムシ型とでもいいますか、そんなカタチでしかもなんか粘着性なような付着物。

経験上こーゆー汚れが一番いけません。
んーなんか非常にヤな感じ。

案の定いつもよりずっとキツめにレイカで拭いたってびくともせず。爪でこそげ取ろうとしてもなんかやっぱちょっとだけ弾力のある、ネチャまでいかないけどそんな感じで盤面にしがみついてやがんのね。いかんなーこれは。

そういや以前ノイさんがメラミンスポンジでこすると結構いけるってコメントくれてたよなーと、思い出しはしたんですがどうもね、このメラミンスポンジで盤面こするについては非常に抵抗があって試してなかったんです。

でもね。この今回の付着物の野郎はだいじな溝を埋めたうえさらに僅かに盛り上がってるもんだから、このまんまじゃ絶対トレースしないことは間違いないの。よっしゃ、この際もうダメモトでメラミンスポンジいってみようじゃありませんか。そうと決まれば話は早いやね。

台所のメラミンスポンジちぎって水に浸し、そのゾウリムシ状のブツを集中的にこする。しばらくこすると少し落ちてきたようでゾウリムシが小さくなってきた。どんどんこすってくうちに汚れの輪郭は消えないものの、どうにかこうにか溝のなかまで取れてきたみいでさ。

しかし、こすったあたりは白っぽい。白いっつうよりこれは細かいキズですな。うーん、大丈夫なのかなーと思いながらこわごわターンテーブルに載せて針を下ろしてみますてえと、おーいけるいける。ちゃんとトレースしてくれるじゃんか。

わずかにゾウリムシのとこ通るときにノイズが数回入るんだけど、こんくらいならね。もうぜんぜんオッケー。白くなったところでノイズが出るってこともないし。

あーなるほど、そりゃノイさんがやってるくらいだから大丈夫なんだろうとは思ってましたが、気分的にどうもね。それで敬遠してたんだけどさ。このくらいこすってもイケるんだったらやってみたい手持ちレコードが何枚もありますぜって感じだな。

まあ、ツヤがなくなって白っぽくなっちゃうから大枚はたいたオリジナル盤とかはちょっとあれですけど、そういうやつ以外でね。

はっきり申し上げて、おれなんか相当ジャリジャリいう盤もふだん聴いてます。長年レコード聴いてきて耐性ができてるっつうのか鈍いのか、ふつうのみなさまよりか盤面ノイズについての許容範囲は広いと思うんだけど、それでもこれはちょっとなーって盤が数枚、いや十数枚、いやもしかして数十枚。

つうことでまず引っぱり出してきたのがこのレス・マッキャンとエディ・ハリスの名盤〈Swiss Movement〉。スイスはモントゥルー・ジャズフェスティヴァルの名高いライヴです。

うひゃあーもうジャケットからして汚らしいのよ。すごいもんでしょ。テープ跡。日焼け。裂け。底抜け。そのうえ触ると手が汚れそうなんだけどマットな紙質だもんであんまり拭くわけにもいきません。

自分でもよくこんなもん買ったと思うけどさ。
これエサ箱にならべて売った店も店だぜまったく。
まあ安かったからいいけど。いくらか忘れたけどたぶん500円くらい。

盤面もとくにB面のジャリジャリノイズがひどくて、いくら拭いてもダメだったからさ。これは買い直さなきゃなーと思い続けてたんだけどね。なにせ名盤ですしね。

で、とにかくこすってみました水に浸したメラミンスポンジで。こんだは両面全面ゴシゴシゴッシゴシす。どーせ最悪に近いボロ盤ですからもう遠慮も会釈もあったもんじゃありません。とにかくけっこうなチカラを入れてこすってみました。

白っぽくなるねえ。
いいんでしょうか、こんなことして。

ためしに聴いてみますと、なるほどノイズはかなり減ってきた。ただし、まだ相当ノイジー。盤面グレードでいうと「G」だったのがやっと「VG-」になったくらいすかね。おれ的にはまあなんとか聴けるくらい。ふつうの善良な市民はきっとまだぜんぜんダメだろな。これって、もう少しゴシゴシやったらどうなんでしょうかしら。「VG-」が「VG」とか「VG+」くらいまでカイゼンされるなんてこともあるんでしょうか。

とまあ、さらに自己責任でもってやってみることにしますが、もしかダメになっちゃったら悲しいから、まずは通して表裏聴いとくことにしましたもんね。

んーむ。やっぱこいつはいいっすね。
ソウル・ジャズというのかファンク・ジャズというのかモロそういう路線なんだけど、急遽客演することになったらしいベニー・ベイリーのトランペットがすごく輝かしくてかっちょいい。エディ・ハリスのテナーはけっこうコルトレーン的なとこがあるっていうかソウル・ジャズっつう看板よりも意外とハードでストレートな演奏に、おれには思えるんだけどね。

これって、もしかしてベニー・ベイリー快演の効果でしょうか。
そこいらへん、この盤以外であんまりエディ・ハリス聴いたことないもんですから。

つうわけでメラミンスポンジ、かなり効きますわこれ。
ただしこれはやっぱりどう考えても一種の研磨剤だからなんつうか抑制的に使いましょうというかさ。ようするに自己責任だよな、あくまでも。やりすぎると最終的にはミゾそのものがなくなるはずですもんね。

どこで磨く手を止めるか。要寸止め。
レス・マッキャンとエディ・ハリスで寸止めの研究してみますけど、願わくばこれが聴き納めとなりませんように。

でもさー。じつはあれなんです。
このレコード、レーベル観察してみるとおそらくオリジナルなのよね。

こんなことしていいんだろうかと一瞬思わないでもなかったんだけどね。まあこんだけ汚いし。買い直すとして良品でもたぶん3000円から5000円くらいの間でオリジナル盤買えると思うんで、いざとなったら探しましょ。このままさらに磨いてノイズ減ったら万々歳ってことでね。
Commented by ひろかーちゃ at 2009-11-27 10:51 x
お久しぶりです。

god-zi-llaさんも渋谷のレコファン行かれるのですか?
私も時たま渋谷に行くときはレコファンに立ち寄ります。
disk-unionよりも広々として、かつJAZZコーナーには余り人が見当たらないですからね。
昔といっても10年程前は結構掘り出し物を安く見つけましたが、最近はあまり当たり!はないですね。 god-zi-llaさんのように目を付けているマニアが結構いるみたい。
渋谷に行ったら新譜はタワーに、そして「マザース」に必ず顔を出します。
(「マザース」はイエローポップの近くにあり、海賊盤で有名な店)
Commented by god-zi-lla at 2009-11-27 18:35
レコファンへ行くために渋谷へ行くことはないんですが、渋谷に出ると行っちゃいますね(笑)

なんか落ち着くんですよ。店広いのに通路めちゃ狭いのがいいのかな。
いちばん奥のジャズコーナーは、たしかに人影まばらですね。

横一直線のエサ箱が笑えます。
Commented by windypapa at 2009-11-27 21:36
ご無沙汰です。
僕はひどい汚れにはハンディスティーム(電気式でブラシの先から高温の蒸気が出るやつ)を使います。
それなりに効きますが、もっと決定的なものは無いのか、と日々考えていたら(嘘つけ)メラミンスポンジですかあ。
ヤスリかけてるようなイメージもありなかなか「自己責任」の世界に飛び込めましぇん。

Commented by god-zi-lla at 2009-11-28 06:49
ハンディスティームって、つまりミゾの奥のゴミを浮かせて吹き飛ばすってイメージで正しいですか? って、字で書いたイメージに正しいもクソもないですね。すみません(笑)

メラミンスポンジは水無しで「から拭き」したら一発でアウトなんじゃないかと思いますね。それこそ完全にヤスリがけのイメージ。

でも水つけながらやっても、盤面は曇ります。
「最後の手段」てやつでしょうね(笑)
Commented by mono-mono at 2009-11-28 07:55 x
この汚れは、ガムテというか、US版強力布テープってカンジすかね?
メラミンスポンジは私も一時試しましたが怖くなって最近はやってません。
私の場合たいがいの汚れはMONO CLEANERで済ませてます(笑)

スキップする箇所を縫針で修復試みたりもします。
直ればラッキーですが、よりひどくなることもないではありません(笑)
ジャケットの傷みも厄介ですよね。
ワレのたぐいは木工用ボンドなど使って直したりします。
「ジャケット修復」なんて職業は成立するのだろうか?などと考えたりもします(笑)

windypapaさま初めまして。
素朴な疑問なのですが。
ハンディスティームって、高温でレコード大丈夫なんですか???
Commented by windypapa at 2009-11-28 09:30
mono-monoさん初めまして。
「高温でレコード大丈夫なんですか???」
大丈夫です。最初はおっかなびっくりでしたが、レコード盤って実はすごく丈夫で熱にも強いようです。
(もちろんLP盤の前提です。SPは経験ありません。)
針飛びの補修も、補修する箇所に水滴を垂らして竹串の先で溝に沿ってなぞると直せるケースがありました。
このやり方はどこかのHPで見て実践したものです。
縫い針よりは盤をいためる可能性が低いと思うので一度お試しください。
Commented by ノイ at 2009-11-28 11:47 x
とうとうメラミンやりましたか。ぬるま湯やアルコールを少し混ぜると
より効果的ですよ。あまりやると白くなりますが音は大丈夫です

Windypapaさん、スチームはレコードが反りますのでお気をつけください
メラミンのぬるま湯もですが温度差が大きいことをやるとイッパツで反ります
盤に温度差を与えないようにしないといけませんです。
私は針飛びは実体顕微鏡で覗いて治しています。竹串は隣接する溝もやられますから
お勧めしません。飛んでる溝だけをピンポイントで治すのがベストです
ルーペだとゴミの除去くらいが精一杯ですね
Commented by windypapa at 2009-11-28 13:56
ノイさん
えっ、そうでしたか。今まで30枚以上蒸気をぶっかけてきましたが犠牲者が出なかったのはワタクシの運の強さゆえでしょうか。
というわけで言うまでもないことですが蒸気遊びをするときは自己責任でお願いします。
竹串も駄目なんですね。ところで実体顕微鏡ってどんなものでしょう?

Commented by ノイ at 2009-11-28 14:04 x
実体顕微鏡は普通の顕微鏡と違ってレンズが対象物から離れているものです。
これだと画像を見ながら手を入れて作業ができます
オリンパスだとSZX7みたいな機種です。
ズーム、照明付きのものがオススメです。中古で10万くらいですね。
修行(屍覚悟です)すれば針飛びはほとんど直すことができるようになりますよ(笑
目詰まりもピンポイントで取り除けます
Commented by god-zi-lla at 2009-11-29 07:48
うわ! 本人不在のあいだに盛り上がってるじゃないっすかー(笑)

この、なんつうか、「日常、レコードをどうやって拭いてるか」じゃなくて「ふつうのクリーナーじゃ落ちないガンコな汚れをどーするか」ってところになるとスゴい方法をみなさん試されてるんですねえ。

mono-monoさんやノイさんの「針」でつっつくっていうのは1年に1回くらいはやってますが、windypapaさんのスチームってのはやったことないです。高温の蒸気でふやかして浮き上がらせるってことですね。

はじめの一歩を踏み出す怖さじゃ、メラミンスポンジといい勝負、つかスチームのがコワいような気がするんですけど(笑)

ちなみにmono-monoさんお尋ねの、きっかけになったゾウリムシ状の付着物ですけど、ガムテの糊というより、水滴状に少し盛り上がってたカタチからして、グミ(お菓子の)みたいなもんじゃないかと思うんですよね。
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by god-zi-lla | 2009-11-26 10:15 | 常用レコード絵日記 | Comments(10)