神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

アレサ・フランクリンは怒ってる?(This Christmas ARETHA)

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きのう野田版鼠小僧をもう1回、歌舞伎座の3階席が取れたもんだから見物してきた。そしたら大詰めの師走二十四日屋根の上で鼠小僧こと三太が息絶えるとき、かすかに遠くで鳴ってる音曲はホワイトクリスマスだったんだねえ。歌舞伎座で聴くWhite Christmas。前回は勘三郎に見とれてて気づきませなんだ。

アレサ・フランクリンのクリスマスアルバムはアメリカじゃ去年リリースされてただなんて知らなかったんだけども、この年末日本でもひっそりと国内盤が出たんでまあよかったよかった。いやーそれが初めてなんだってさ56年のデビュー以来クリスマスアルバムって。しかしキャリア半世紀の、子どものころから教会で歌ってたソウルの女王がだよ。ちょっと信じらんないね。

そしたらライナーノーツでアレサがこう言ってんの。

「残念ながら、ジョン・ハモンド、ジェリー・ウェクスラー、クライヴ・デイヴィスたちは私がずっと切望し続けたクリスマス・アルバムの制作を決して優先してくれませんでしたが…」


天下の大プロデューサー3人の実名上げて文句言ってます。よっぽど腹に据えかねてたんだろうな。
さんざっぱらレコード会社儲けさしてやったんだからさ。1枚くらい好きにやらしてやったってよかったんじゃないのかね。

それが晴れてデビュー半世紀。念願かなってクリスマスアルバム作ったのが66歳だもんな。聴いてみると往年のあの突き抜けるような、つか所かまわず突き抜けてしまうあのパワフルな声はもう枯れてしまって聴けないの。残念。

正直なとこ同じナンバーを60年代に歌ったらどんなふうだったか想像しながらというか、なんか空耳のようにその突き抜けた声が66歳のアレサとユニゾンで歌ってるつうか、ここはきっとこうだったろうって勝手に補正しながら聴いちゃっててさ。

まあでもそれはそれ。声が出なくなったったって「当社比」だからさ。さすがにもうアレサのレコード1枚聴いたらその日はもう白旗上げて降参。ほかの歌手のレコードなんて聴く気になんないというパワーはなくなったにしても、やっぱ元女王様。おれはすごく楽しんで今日一日でもう3回も聴いちゃった。

なんつったってクリスマスアルバムだからね。
いま聴かないでいつ聴くんですか。

さいきんは町なかでのべつまくなしクリスマスソングが鳴ってるなんてこともなくなっちゃいましたけどさ。あと三日、今年はこのアレサのアルバムをかけてかけてかけまくるもんね。

あーエラ・フィッツジェラルドがクリスマスアルバム吹き込んだのと同じ年齢のときにアレサもこれ作ってたらどんなだったんだろうなんて、いやもうそんなこと考えるのはヨシにしてさ。念願かなってよかったねーってね。にこにこしながら楽しみましょう。

もう今年もあと1週間だな。

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by god-zi-lla | 2009-12-22 22:10 | 常用レコード絵日記 | Comments(0)