神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

わけありピアノ三昧じゃなくて3枚(Ronnie Mathews / doin' the thang!)

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きょうの東京は雨でちょっとだけ生き返った気分。
焼けたアスファルトもコンクリートも、これで少しだけでも冷えてくれるとうれしいよ。

ここひと月くらいのあいだに、おれとしちゃ非常に珍しくピアニストがリーダーのレコード3枚たて続けに買いまして。

いちばん左はロニー・マシューズの〈doin' the thang!〉すね。せんだって触れたロイ・ヘインズの〈cracklin'〉何度か聴いてるうちに、いいピアノだよなあと思いはじめて買ってみたんだけどね。

ジャケット見ても盤見ても、こいつは間違いなく90年代以降に出た復刻盤す。デッドワックスの刻印からすると国内盤ではなさそうなんだけどレーベルにもジャケットにも「これは復刻盤ですぜ」っていう表記がなーんにもないの。オビその他の付き物もないし。店のほうも判断困ったみたいで「おそらくUS盤」つう注意書きがしてあった。

ジャケットといわずレーベルといわず、文字から何からオリジナルになかったものは一切付け加えないって復刻の仕方って一時期国内盤でたくさんありましたけど、こうやって中古で手に入れたばやい復刻した時期も会社も経緯もわかんなくなっちゃって迷惑千万なりよ。1行くらいアタクシはこーゆー氏素性のモンでございって、ちっこい文字でいいから表示すんのが真っ当なやり方ってもんじゃないですかね。

いくらやったって複製は複製なのにさ。でもきっと、そういう復刻をありがたがるヤカラが多いもんだからそれに乗っかる業者がいて、そういうショーバイがまかり通っちゃってんだろな。

ちょっとレコード買い慣れてれば原盤製作会社がプレスしたレコードと間違うやつはよもやいないでしょうけど、いくら正規のライセンス盤だったとしても、おれはそういうまぎらわしい復刻には結果として非常に問題があるんじゃないかとツネヅネ思ってんだけどね。

だって日本製なのにmade in U.S.A.って表示をそのままにしといて断り書きもないんだったらそりゃあ詐欺ってもんだろ。made in U.S.A.はジャケットやレーベルの「意匠」の一部じゃなくて、意味のあるコトバなんだからさ。「偽造」って言われても仕方ないとこあると思うよ。

まあ「偽造」はちょっと言いすぎだとしても、「まぎらわしい模造品」には違いないってば。

あと何十年かたつと、こういう復刻盤にも適度な古色がついてまいります。そうするとオビやシュリンクラップに貼られたステッカーでも残ってないかぎり、たぶんこれが復刻かそうじゃないか知識のない人にはわかんなくなる日が来ると思うよ。

MOFIのジャケットまでいくと行き過ぎて無粋な気がしないでもないけど、あれはあれでひとつの見識でしょうし自社製品にたいするプライドの発露だと思うよ。

とんだ枝線に入っちまったぜ。まあそんなこたあどーだっていいや。
でもね、さんざっぱら悪態ついといてあれですけど音はいいんだよこの米国産と思しき復刻盤。このさい原盤だったらもっといいんだろーなーなんてことは考えないようにしましょ。

でも演奏はもっといい。これはオリジナル盤だろーがなんだろーが関係ありません。トランペットとバリトンサックスの2管がフロントでとくにフレディ・ハバードが颯爽としていかにも若獅子って感じの「新主流派」っぽい闊達なモードジャズでいやーこれはいいっすね。こういう佳作をいままで知らずにきたのがちょっと惜しい感じする。もしかバリトンサックスのひとがもうちょっとバリっとやってくれてたら天下の大名盤になってたかもな。

それにしてもロニー・マシューズ。
こんないいピアニストだったなんてぜーんぜん知りませんでした。

もしやと思って自分の棚見てみたらおれが持ってる数少ないフレディ・ハバードの盤のうちブルーノートの〈BREAKING POINT〉ってマシューズがピアノだったのでございますね。あたたたた。いったいいままでおれは何聴いてたんでしょうか。まったく毎度毎度の後悔ではございますが、もっと早く気づけばよかった。聴いたことがなかったわけじゃないのに。まったく己が不明を恥じるのみ。

それにしてもとつくづく思う今日このごろ。
たかがレコード1枚聴いただけで、よくもまあ何度も何度も過去のオノレの不明を恥じなきゃなんないほど、おれはしかしそれほどにボンヤリと人生を過ごしていたんだよなあってね。まいっちゃうよねほんとにもう。ぼんやり過ごしてるうちにもう54歳だぜ。どーすんのよ。

なんか非常にトホホな気分になってきてしまった。
まんなかのレス・マッキャンと右のモーズ・アリソンの盤についちゃまたそのうち。

覚えてたら、だけど。
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by god-zi-lla | 2010-07-29 23:54 | 常用レコード絵日記 | Comments(0)