神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

So What マイルス・デイヴィスの生涯

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しかしまあなんだな。おれあんまり今年はどーゆー年だったとかソーカツすることに興味ないんだけど、現時点で2010年をひとことで言っちゃえば、
痛い年だったなあ。
だよなあ、やっぱ。

ご心配おかけしました。
なんとかメシも食ってます。
多少なら走れるようにもなりました。

でもラグビーと鶏のナンコツ焼は当分のあいだ自粛します。

◎◎◎◎

「So What マイルス・デイヴィスの生涯」ようやく読み終わった。
買ってから放置すること3年。

すぐ読まないで損した気がする。

それから85年に新宿厚生年金でマイルス聴いたのにちゃんと聴いてなかったことを、この本読んであらためてものすごく後悔してるさいちゅうでもあったりする。

なるほどマイルスはそのように考えながらあのサウンドをあのようにして作り上げていったのか。

そのときどきのバンドメンバーの証言によって、というよりここで証言が記録されているくらいのメンバーたちがどうしてそのときそこでメンバーとしている必要があったのかという、それこそがマイルスのサウンドの秘密でもあったんだろうということがよくわかる。

マイルスの本というと自伝含めて星の数ほども出版されてるけど、おれが読んだ範囲でいうと評伝ということでいえばこれがいちばん、というか現時点で評伝といいうるのはこれだけなんじゃないかなという内容だったな。

ただ索引がまったくないのが唯一のかつ非常に重大なこの邦訳の欠点で、著者はイェール大学の先生だっていうからたぶん原書にはなんらかの索引が付いているんじゃないかと思うんだけど、これじゃあせっかくの評伝がたんなる読み物になっちゃってるじゃんか。

もし原書になかったら邦訳だけでも索引を付すべし。
そういうとこに出版社の見識の程度ってのが出てくるもんだろ。

それはともかくとして、読んでみるとマイルスは本当に悲しい。
早熟の天才ってのは悲しい。

いろんな意味で痛みに満ちた人生だったんだろうなあと、
おれみたいな凡人はもう想像することすらできないけども。

マイルスが自宅に飾ってあった写真は、両親のほかにはコルトレーンとギル・エヴァンスのふたりの写真だけだったんだそうだ。
友人がいて、どんな良いことがあるというのか。
先に死んで、俺を置いていくだけじゃないか

悲しい。



本のうしろにあるレコードは読んでる合間に聴いた、もちろんマイルスのレコードだけどなるべく最近聴いてなかったのを引っぱり出して聴いてみた盤の一部。

〈Get Up With It〉の、なかでもHe Loved Him Madlyはやはり悲痛だ。
ビリー・ホリデイの歌うStrange Fruitとこれのほかに、
こんなに悲痛なジャズっていうのはないんじゃないかと、聴くたびに思う。
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by god-zi-lla | 2010-12-11 09:02 | 本はココロのゴハンかも | Comments(0)