神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

初聴き2011(無意味に長い)

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ある人からちょっときいたイマドキのお正月らしい話。

ちかごろ年賀状は書面も宛名もパソコンで印刷されていて、たまに「今年は飲もう!」なんて添え書きあったってその差出人と飲んだためしなどなく、そんな年賀状をもらうのも出すのも業腹だからもうヤメた。メールでじゅうぶん。

と、声高らかに宣言をした先輩がその人にいらっしゃるそうで、なるほどさもありなん。おれの年賀状だって書面宛名ともどもパソコン印刷だし、まあココロのこもってない添え書きを書いたことも身に覚えがないわけじゃないよなあと同感するところ大だったその人はこの先輩に、さいきん読んだ本の話などまじえながら先輩の顔を思い浮かべつつココロを込めて綴った年始メールを送信したんだそうです。

そしたら新年になって「返信」があったそうで。

文面読んだら、これがまるっきり自動応答メールの如し。
明らかに同じものを多数の返信にコピペして用いているのが明白な文面。
つまりその後輩が送ったメールに対するなんらかの反応というのは皆無だったんだそうです。

さてもパソコン印刷した年賀状とコピペメールの違いはナヘンにありや。
ココロにもない添え書きだって、これと比べりゃないよりマシってもんじゃありますまいか。
とまあ、その人のこれが怒るまいことか嘆くまいことか。

コピペってなあ、しかしベンリなモンだからねえ。
ココロなんてもなぁ、それにくらべりゃあ。

ちゃんちゃん。

そんな与太話はともかくとしてだな。
ことしはバッハのレコードでターンテーブルの初回し。

ヴァルハのきらきらと光り輝くようなイタリア協奏曲に高橋悠治のセロニアス・モンクのごときインヴェンションとシンフォニア。ヴァルハは高校生のときに高橋は大学生のときに買ったレコードだな。

それから万感胸に迫るフルニエの無伴奏チェロ。
さいごはグールドの新しいほうのゴルトベルク変奏曲。

ゴルトベルクというとグールドの古いほうで高校生のころ初めてこの曲を知りました。
つまり長い間、これがおれにとって「当たり前」のゴルトベルクだったんだな。
もちろん、すごいスピードだなんて思ったこともないです。

だから新しいほうが出たときそれが追悼盤のタイミングで出たのもショックだったけど、しょっぱなアリアのあの止まっちゃうんじゃないかと思うくらいな遅さと、それからそのあとのなんだかよくわからないくらい高Gの加速感にびっくりしてひっくり返った。

それと録音のあのデジタルで音のいいこと。
なにせおれが聴いてた古いほうは擬似ステ盤だからね。

それからまあ長い間にはいくつかのゴルトベルクを聴いてもきたものだから、グールドの2種類のゴルトベルクがこの曲の録音の歴史のなかでは非常に特別な存在と世間一般では目されてきたってことはさすがのおれでも気がついた。

でもやっぱゴルトベルクっちゃあグールドの古いほうだよな。
聴き慣れるってのはそういうことなんですね。

それがきのうはたぶん初めてなくらいの音量で新盤のほうを聴いて、ちょっと、いやかなり印象が変わっちゃった。うまく言えないんだけどグールドが自分のピアノに合わせて「歌ってる」その声に耳を傾けてたら、なんか違うものがきこえてきたような気がしてきた。

いままではその声が邪魔だったから聴くまい聴くまいと思いながらピアノの音だけを聴こうとしてたんだけどさ。音量を上げていくとグールドの歌声がだんだんフツーにきこえてくる。つか、どう歌ってるかわかるくらいに音量を上げたってことなわけだけど。

ピアノ弾きながら歌ってるグールドの声もひっくるめて、それがグールドのゴルトベルクという心持ちというか、まあようするにあくまでも聴くコチラ側の問題なんだけどね。

いや、たんにおれがトシとったせいか。
なんたって今年はとうとう55歳になるんだもんな。
就職したときの当時の勤め先の規定だと55歳が定年だった。

22歳で就職したから定年まで33年。
それが60歳定年に規定が変わったのがいつだったのか20代のおしまいのころだったのかな。
そうすると22歳で就職したから定年まで38年かあ。

じつはアタマんなかで算盤をパチンと入れた瞬間、ガクゼンとしちゃってね。
おれはそれはヤだなあ。38年はいくらなんでも。

会社がどう決めたか知らないけど、おれは55歳定年でカンベンしてほしい。
まあとりあえずココロの奥底にその気持ちは沈めてしまいましたけども、52歳でじっさいに勤めを辞めた決心の「芽」は、なんの疑いもなくそれだもんね。

まさかそんな「夢」が実現するとは思いもしなかったけど。

そんなわけで55歳ってのは、おれとしたら感慨深いモンがあるわけです。

あれ?
なに書いてんだ、おれ。
まあいいや。

ようするにそんなふうに今年初めて聴いたのが、
1月2日グレン・グールドのゴルトベルク変奏曲なんでした。
Commented by ひろかーちゃ at 2011-01-04 07:53 x
明けましておめでとうございます。

正月早々バッハとは中々難い選曲ですね。
(ちなみに、私の方は大晦日バッハのマタイ -抜粋盤です-でした。
正月は勿論ドルフィのファイブスポット)


ゴルドベルグは私も最初からグールドでしたので全然違和感を覚えませんでした。ヴァルヒャのイタリア協奏曲、これも東芝エンジェルの赤盤で学生時代から聴いています。 懐かしい・・・・・。
そして高橋悠冶さんはパルティータを聴いています。

私は今年、勤めからやっと解放される予定です。
その節は(主夫としての)先輩としてご鞭撻の程よろしくお願いします。

本年もよろしく。
Commented by god-zi-lla at 2011-01-04 08:48
ひろかーちゃさん、昨年は興味深いご教示をたくさんいただきありがとうございました。
今年も引き続きトンチンカンなことを書き続けますので、どうかよろしくお願い申し上げます。

> これも東芝エンジェルの赤盤で学生時代から聴いています。

もしかして、いや、もしかしなくても同じ盤でしょうか。
グールドのゴルトベルクの旧盤同様、イタリアコンチェルトについてはこの盤から多分一生離れることができないのだと思います。

ヘンなことを申し上げますが、それが勤め先の業務であれ、あるいは家事であれ、長年勤め人をやってしまった今となっては結局なにをするにせよ知らぬ間に築き上げてしまった「自分流儀の仕事の進め方」になっちゃってるよなあと、ここのところつくづく思うのです。

だからどこか主夫業も、かつての仕事のようにこなしていたりするのが自分でも笑えます。

どうぞよろしくお願いします。
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by god-zi-lla | 2011-01-02 12:20 | 常用レコード絵日記 | Comments(2)