トビ
2011年 07月 30日
2007年の秋、鎌倉の雪の下あたりのどこかの電線に止まってる、これはたぶんトビだと思う。
なにしろ鎌倉は電線の上をリスが走ったりもするから頭上注意なモノノフの都。
その鎌倉のとなり町の中学生だったころのある日の授業中、
教室の窓の外の校庭の上空を大きな円を描くようにゆーっくりゆーっくり、ほんとにゆっくり滑空するトビを、いつものようにぼおーっと眺めてた。
と。
とつぜん円を描くのをやめてトビは矢のように急降下して校庭のまん中に突き刺さった、
かと思ったら瞬間こんどはそのままVの字に急上昇して上空高く飛んでっちゃった。
スゴいものを見た衝撃で正気に戻ったおれはとなりのヤツに、
おい、いまの見たかよ、すっげーよトビ! トビだよトビ!
とか興奮して叫んでしまったのでした。
そしたら、そいつの冷たい視線。
それから先生の声。
こらオカダ、おめーどこ見て叫んでんだコラ!
だけどスゴかったんだってば。
40年たったいまでもはっきり覚えてる。
きっと校庭のまん中になんかいたんだと思う。
トンビがタカを産むだなんてシツレイな例えに無断で名前使われてすごく損してるトビだけど、
あんなふうに息を呑むような精悍な動きで獲物を追うんだもんなあ。
青い空背負って電線で考えごとするトビ見てたら、
そんなことを急に思い出したのでした。
(それだけです)
by god-zi-lla
| 2011-07-30 17:36
| 日日是好日?
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