100000年後の安全
2011年 08月 01日
渋谷のアップリンクでさっき見てきた。
高レベルの放射性廃棄物を地下深くに放射能の危険がなくなる10万年後まで埋めてしまおうっていう遠大な国家事業。しかし10万年つうと人類の直接の先祖はまだ地球上に現れてない時代(時代っていうのか?)から現在までくらいの時間なわけだから、そんなことしてホントに大丈夫なのかっていうドキュメンタリー映画。
いちばんヤバい要因は掘り返してやろうとする未来の人類。
たしかにそうだ。
いまだって古代人の墓だろうがゴミ捨て場だろうが埋蔵金だろうが、好奇心と欲望のおもむくままに片っ端からずんずくずんずくほっくり返してるんだもんな。
昔の人はだれも掘り返してなんか欲しくなかった。
しかも10万年後だ。
どんな世界なのか想像もつかない。
想像もつかないような未来の人類に、
そこに放射性物質が埋めてあって危険だから絶対掘り返すなって、
じゃあどうやって伝えたらいいのか。
だから登場する推進派も懐疑派もたしかなことが言えない。
なにしろ想像もつかない先の話だから。
しかし、ようするにそんな先までモンダイを先送りしなきゃならないような、はたしていまのおれたちと同じすがたカタチをしてるかどうかさえわかんない未来の人たちまで危険に巻き込んでしまう厄介なシロモノだってことなわけだよな放射性廃棄物って。
10万年後の世界に責任なんて持てるのか。
すごくおっかない映画だ。
しかしここに出てくる人は推進派もそうでない派も、そんな先の何も確定的なことを言えない未来に問題を持ち越すことについて、わりあい正直に迷いや悩みを吐露してて、あんまり強弁したり詭弁を弄するようなことがない。
なんとなくニッポンの原発推進派のあのコワモテな恫喝的な、
それでいて人を小馬鹿にしたような感じとは違うのが不思議だ。
それとね。
北欧のひんやりとして透きとおった空気が全編に満ちあふれていて、
うっとりとスクリーンに見入ってしまうような美しい映像と音響の映画でもあります。
by god-zi-lla
| 2011-08-01 16:14
| 物見遊山十把一絡げ
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