神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

たしかに、さよならだけが人生かもな

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数日前、学生時代からの友だちが亡くなってきのうがお通夜だった。

たまたまちょっとした巡り合わせでおれが仲間への連絡係になって、
先輩やら同級生やらにメールと電話で知らせていくことになったんだ。

「サカモトが死んだよ」

「正月3日に入院して、亡くなったそうです」

「覚えていらしゃいますか、ぼくらの同期のサカモトが亡くなりました」

「じつは急な知らせで、おれにもよくわからないんだ」

「あーオカダですけど、ご無沙汰してます。じつはサカモトが…」

「そうなんです、あのサカモトです」

「サカモトが亡くなりました」

「昨日の夜だそうだ」

「昨夜です」

「亡くなった」

同じことを、ちがう人たちに伝えるたびに、
ずずん、ずずんと心が重くなっていくのがわかる。

メールで知らせると、折り返し電話かけてくるやつもいる(そういう世代なんだな)。
そうするとまた、ずずんと心に重たいものがたまる。

去年の暮れの14日、同級生10数人が集まって銀座で飲んだ。
やつは仕事場からたしか8時すぎくらいにやってきた。

やつの仕事場から銀座のその店まで、まあ歩いてこれなくもない距離だから、
もしかしたら歩いてきたのかもしれない。

やつが死ぬことを知ってたやつはいなかったし、
やつだって自分が死ぬとは思ってなかったろうと思う。

だから他愛のない話を、みんなでけっこう遅くまでその店でして、
じゃあ、よいお年を、なんてありきたりの挨拶をしながら、
またやろうな、とか言いつつ別れた。

そのときいっしょにいたやつらは、もちろんおれも含めて、
こんなことになるんだったら、もっとやつと話をしとけばよかった
と悔いる。

たまたま別件の忘年会やなんかがあって(そりゃあ忘年会シーズンのどまんなかだしさ)、
欠席したやつらは欠席したやつらで、

こんなことになるんだったら、ムリしてでも行くんだった
と悔いる。

しかしなあ。
そんなこと後悔したって無駄なんだよ。

だけど、
無駄なんだってわかってても、
おれらにはそうするしかほかになんにもない。

さよなら。
享年55歳。

またやろうな。
そのうち、そっちで。
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by god-zi-lla | 2012-01-17 09:05 | Comments(0)