神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

ひさびさのベンツマイクロ復活。而してその陰に潜むのは(そりゃあもちろん、トホホさ)

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話はちょっと続きますけどウェイン・ショーターの音楽観って、やっぱりマイルスグループに入って以降変わったんじゃないかと思う。それもおそらく後半のほうからで、プラグドニッケルのライヴとか聴いてるとやはりソロ一発で勝負に出るっていう伝統的なジャズの枠組みのなかでやってると思うんだが(それはそれでスゴいんだけど)、おのおののソロもトータルの設計のなかに音楽全体を生かしていくパーツのひとつとして組み込まれて(マイルス自身のも当然含む)、そこで演奏される音楽全体がリーダーの表現活動であるというマイルスの行き方にショーターは深く共感したのではあるまいか。それがウェザーリポートのサウンドづくりの基礎になり、いまのグループのサウンドに繋がってきてるんじゃないかって思うんだよ。

それをせんだってのオーチャードホールでのプレイを聴きながら、やっぱりこの人は自分のソロをあくまで音楽全体のパーツとして捉えてるよなあって、再認識したんだった。

でベンツマイクロのカートリッジ、Glider SLなんだ。

えーとね。下の#カートリッジつうタグをクリックしてみると、ベンツマイクロについて言及してるのは音のエジソンでヘッドシェルとの間に挟むスペーサーを求めて取り付けた2012年4月3日のエントリーが最後で、そのあとDECCAとかオーディオテクニカのカートリッジ買ったときには「ベンツマイクロからコイツに取り替えました」みたいなことを書いてないの。とにかくこの時期を境にベンツマイクロって文字がブログのどこにも出てこなくなっている。んーむ、これはいかにもアヤシイ。なんかあるな。

って自分で自分のことアヤシイも、なんかあるもないもんだけどさ。ぢつはこのときと同じようなことをしでかしてしまってたんでした。ニンゲン悪夢のよーなことは忘れてしまいたいという潜在意識の働きがあるのかそれがいつだったかまるで思い出せないんだけど、レコードプレーヤーを照らす電気スタンドのスイッチを切るか入れるかするためにターンテーブルの奥にあるその電源スイッチに手を伸ばしたところ、あろうことかまたもやヘッドシェルのアタマんとこを手で叩いてしまったのだった。

あちゃちゃちゃちゃー。またやっちまったぜ。アタマん中がまっ白になりヘナヘナと膝から崩れ落ちそうになりながら、とりあえず点検したスタイラスとカンチレバーは吹っ飛んでもいなければ曲がってるようにも見えない。これは針先がどっかへ飛び散ってしまった前回よりはマシかもしれない。そうだよそうだよ。あのときよりか当たり方が弱かったもんな。そうそうそうそう弱かった弱かった弱かった。だから大丈夫、なんてムナしい言い訳を自分にしながらおそるおそるレコードに針を下ろしたところ微かに音楽のようなものがきこえるものの、それをザアアアアーっつう絶望的なノイズが覆い尽くしてわずかに残った望みを一瞬にして打ち砕いてくれたのであった。

さすがにおんなじことを繰り返したおのれのウルトラバカさ加減に愛想が尽きたとでも申しましょうか。前回は泣く泣く針交換価格でもってすでに製造終了してたGlider L2から新品のGlider SLに取っ替えてもらいましたけど、また大枚叩いて新しいのにした挙げ句三度目をやらかさないって言い切る自信が全然ない。だいち、またやっちゃったからまた新しいのちょーだいなって、買ったお店に行く自分の姿を想像するだけで恥ずかしい。だからベンツマイクロはもう諦めよう。静かに静かにフェイドアウトさせよう。

だので黙ってました。
そうなの。この事件後DECCAのカートリッジもオーディオテクニカも、ベンツマイクロがダメになっちゃったから仕方なく軽い軽いサイフ叩いて買い求めたブツなのであったのだった(注:ヤフオクで手に入れたDECCA MK Vのブルーボディはたまたまその個体の状態がとびきり良かったのか信じられないくらい素晴らしい音がするんだが、レコード外周のグルーヴガードをカートリッジの腹が頻繁に擦るので常用を諦めて、代わりにテクニカを買ったんでした)。

それがひさびさにオルトフォンのモノラル専用CG25Diをしばらく取り付けて聴いたあと、ぼちぼちステレオカートリッジに付け替えて買ったまま聴かずにいるステレオLPを聴かなきゃと思ってCG25Diを取り外し、なんの拍子かふとベンツマイクロがやっぱりダメなのかいっぺん確かめてみようかなってね。まさか、しばらく置いといたらアラ不思議てっきりコワれたと思ってたブツが直っちゃったじゃありませんか、なんてムシのいいことを考えてたんじゃなくってさ(少しは考えたかもしれない)。やっぱりダメだったってことを確認しといて、どうせ使い物になんないんだからヘッドシェルから取り外し元箱に戻し、目に付かないところへしまいこんでキレイさっぱり忘れることにしようと思ったんだよ。

それでとりあえずムダな作業になるのを承知のうえで一旦ちゃんとゼロバランス取るなどの調整を施して針をレコードに下ろしてみたんだけど、そういうムシのいいことはやっぱり起こらない。あのときと同じように絶望的なノイズの向こうにかすかに音楽がきこえるだけで、やっぱりコイツは一巻の終わりだな。なんだかなあ。おれとベンツマイクロってなんの因果か知りませんけど結局のところ相性がよくないってことなんだろうなあ、なんてブツブツ言いながらトーンアームからヘッドシェルを取り外したんだった。

で決着はついたのでヘッドシェルの上からカートリッジを締め付けてるビスをドライバーで緩めにかかったんだな。手元が狂わないように目は当然カートリッジを凝視してるわけだ。そしたら、なぜか正面のポールピース(写真の『とほ』って書いてあるとこね。もちろん実物には『とほ』なんて文字はありませんけど)がグネっと反時計方向に傾いてるのに気付いたのだった。あれ? なにこれ。いつからこんなことになってんの。

もちろん1年ちょい前くらいに、おれの手がこいつに当たったとき傾いてしまったに違いないんだ。だけどあのときはカンチレバーと針先ばっかり気にして正面から眺めてみるなんてことしなかったような気がする。だって、よく見なきゃわかんない程度の傾き方じゃなくてもう一目でオカシイとわかるくらいにかしいでるんだから。んー、動転してたんだもんなあ。目の前まっ白。なにしろアタマから血の気の引く音がざざざあーって聞こえたくらいですから。

でハタと思ったのね。もしかしてこの傾いちゃったのが原因でポールピースに開けられた穴を貫通して先端が出ているカンチレバーが、穴の内側のどこかに接触して異音がしてたんじゃあるまいか。だったらこの傾きを元通りに直せたら(直せれば、の話ですけど)音も元に戻るんでないの? で、もう一度しげしげと穴を貫通しているカンチレバーを見てみたんだが、そう言われれば穴の縁にカンチレバーが接触してるように見えないわけでもない。そこんとこはちゃんと確認できないんだけど、ポールピース自体が曲がってるのはもう間違いないんだ。

でね。そのポールピースがどうやって取り付けられてるんだかわからないんだけど、チカラがかかると曲がってしまうんだったら、逆のチカラをかければ元通りになるじゃんかといういっけん至極真っ当だが実際ヤルとなったらけっこうムチャな気がする仮説に誰しも思い当たるわけなんであるが、おれもまたその例外ではなかったのであった。

よーするに指でつまんで正しい向きになるようにヒネってやろうと思ったのね。どうせ壊れちゃったのをしまい込もうと思ってたんだからダメもとでやってやろうって、そりゃあ代理店へ修理に出すというようなことが一瞬脳裏をよぎらなかったといえばウソになるけど、やってみたいという気持ちがそれを上回っちゃったんだな。困ったモンです。

で、人差し指と親指でもってカンチレバーを引っかけないようにポールピースをつまんで、慎重かつ細心の注意を払いつつ時計回りにグニっとひねったところ、見た感じではほぼ正しい位置まであっけないくらい簡単に戻ってしまったんでした。そしてよく見ればカンチレバーが穴の縁に当たらずまん真ん中を通っているような気さえするんだ。あくまで気がするだけだけど。

よーし、なんか、ひょっとしたらひょっとしたりして。うふふ、なんて含み笑いなんかしながらもう一度トーンアームに装着してゼロバランスなどをキッチリ調整ののち、ちょっとドキドキしながら試聴用のキズになってもいいようなレコードに針を下ろしたんだよ。そしたらなんとまあ仮説はじつに正しかったのだった。いやー、なんだったんすかねこの1年ちょっとの時間と少なからざるお金の損失というようなものは。いやもう普通に音が出てるんです。出てるんですどころか、そんな事故があったなんと思わせもしない好調さだもんな。いやー、うれしい。こんなことってあるもんなのね。

つうようなことがあったんでした。
もちろん直らなかったら闇から闇だったんですけどね。

今回の教訓。
その1 電気スタンドのスイッチがプレーヤーの奥にあってはいけない
その2 カートリッジつうのは精密機械のよーなフリをしているが、意外とテキトーである

そんな教訓かよ!

(良い子はマネしないよーに)
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by god-zi-lla | 2014-04-19 08:16 | オーディオもねぇ… | Comments(0)