神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

イントロデューシング・ポップアップ・トースター(ポンと飛び出すやつ)

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考えてみたらこの焼けた食パンがジャンプするトースターってのを生まれて初めて買い求めたんだった。子どものころウチにあったのは覚えてるんだが、いつごろあのオーブントースターってやつに取って代わられたんだっけな。高校生の時分だろか。とにかくそのころには食パン2枚を四角い穴に突っ込んでレバーを押し下げスイッチを入れて時間が来ると両面キツネ色に焼き上がったトーストがポンと発射されるトースターというものをウチのなかで見かけなくなっていた。

それにしてもオーブントースターというのが登場してポップアップ式のトースターを蹴散らすのに、それほど時間かからなかったんじゃあるまいか。ちょうどその時代あたりからじゃないかと思うんだけど冷蔵冷凍設備の整ったスーパーマーケットが八百屋や魚屋、肉屋乾物屋に惣菜屋というような町の個人商店を駆逐しはじめて、生鮮品のほかに出来合いの惣菜やら冷凍食品やらの加工食品を温度管理されたショーケースに小綺麗に並べて売るようになってまさに高度成長の真っ盛り。日に日に豊かになってく日常生活のなかでヨノナカの奥さん母さん主婦の皆さまがこぞって日夜それらを買い求め、そうなるとそういうものを買って帰って食事のまえにちゃちゃちゃっと温めて出すなんて用途にオーブントースターっていう道具がピタっとハマっちゃったんだろうな。

いままでのトースターじゃそうはいきません。あの穴ぼこに冷凍ピザ差し込んで焼いてやろうっていう度胸は普通ない(多分やった人もいたでしょうが)。とにかく単機能のトースターが多機能のオーブントースターにしてやられたのは一般庶民における食生活の大きな変化が背景にあったと想像するに難くないってやつだな。なにせ食パン焼くだけだったら朝しか用のなかった道具が昼も夜も使えるようになったんだもん、稼働時間を考えたらどっちを導入するか迷う余地がないもんな。

でもさ。あれを名前のとおりちょっとしたオーブンの代わり(あるいはオーブン風のトースター)だなんて思って使ってた人はほとんどいなかったと思うよ。あのころオーブンなんて一般庶民にあんまり縁がなかったしさ。なんたっておれの親なんかアレのことを「オープントースター」って長いこと呼んでたもん。たしかに前面のドアーがオープンするからそう思っちゃったんだろな。

それからあと一般庶民における食生活の大きな変化というようなものが経済成長とともにあったとすれば、食パン以外のいろんな味やカタチや色や製法や国籍のパンを(まあ、そこに冷凍ピザなんてのも入れてかまわないかもしれない)わたしら日本人が食べるようになって、そうするとやっぱりあの四角い穴ふたつの食パン専用電熱炙り器はちょっと困ったことになってったってこともあるかもしれない。

とにかくまあそういわけで単機能で食パン焼くしか能のないポップアップ式のトースターというものがどんどん隅に追いやられてってしまったんだろうと思う。

それをいまさら買い求めたというのはいったいなんなのかと申し上げますと、ウチに現在オーブントースターというものがないんです。ないんだけど食パンをたまには食べるわけだ。じゃあ食パンをトーストするために何を使ってたかっつうと、じつはガスコンロについている魚焼きグリルで食パン焼いてたの。

あ、いま笑ったでしょ。

あのね。オーブントースターというものを置く場所がないんだよ。台所狭いもんですから。オーブントースター置いてもよさそうなところにはもっとずっとデカい電子オーブンレンジというようなものがドンと座ってるわけだ。そうすると、あとはそんなスペースどこにもありません。炊飯器も置かなきゃいけないしね。マホービンだって大事だ。というわけでまあとりあえずグリルだって食パン焼けないことないからこれでガマンしとこうってね。

しかしなにしろ直火でトーストするわけだから火のそばを一瞬たりとも離れるわけにはいかない。しかも両面同時に焼いちゃくれませんから時々ひっくり返さなくちゃならないんだ。そして上手に焼くためにはそれなりのコツや年季といったものも必要だったりするかもしれない。とにかくね。うっかり目を離してグリルを引き出してみたらそこにあったはずのトーストは跡形もなくて、いきなり真っ黒で四角い硯のようなものが姿をあらわしたこなんてともあったからな。

まあそんなこんなで前々から奥さんと、やっぱりトースターかオーブントースターがあったほうがいいよねえ、なんて言ってはいたんだけどさ。ただまあ、あればあったでそれなりにオーブントースターってのも便利なんでしょうけども、グリルで食パンが焼けるんだから冷凍ピザだって冷めた揚げ物の加熱だってこの魚焼きのグリルで出来ちゃうわけだ。だけど思い出してみると、子どもがデカくなって独立してっちゃったりすると老夫婦で冷凍ピザを食べるなんて機会はまずないんだ。

そして子どもがデカくなって独立すると冷凍ピザも食わなくなるが、ご飯炊く量も断然減ってしまいます。かつて子どもが食べ盛りだったころ、おれもたいへんな食べ盛りでした。わははは。だからわが家の炊飯器はずっと1升炊きを使ってたんです。それが子どもの独立とともにおれの食べ盛りも終焉を迎え1升炊きの炊飯器なんてものはもう必要なくなってしまったんだな。

じつはね。ずうーっと長い間それこそ30年近く1升炊きの炊飯器を台所で見慣れてたもんだから、それがけっこうデカい代物だってことを意識したことが一度もなかったんだ。そしたら半年くらい前にその1升炊きの炊飯器がとうとう壊れてしまったのを汐に、ひとまわり小さい5.5合炊きの炊飯器に買い換えをしたんだけどさ。それを有楽町のビックカメラから持ち帰って1升炊きの後に据えてみたら、スカスカに空くんだよねスペースが。いやあ、それなりにデカかったんだねえ。さすが1升炊き。

いやそれでさ。1升炊きの後釜(!)に五合炊きかと思って買いに行ったら5.5合炊きだっていうじゃんか。なんなの、そのコンマ5合ってのは? と訝って一瞬考えたらよーするに5.5合≒1リットルってことなんだね。5合じゃ0.9リットルでやや中途半端だから5.5合にして1リットルってことらしいな。だったら1升≒1.8リットルはどうしてくれるのよ? じゃあ2リットル≒1.1升炊きにすりゃいいじゃん、っていう詮索はまあ置いといてですね。

とにかく1升炊きから5.5合炊きへ買い換えたところ炊飯器のとなりにスペースができたの。でね。メジャーで計ってみるとオーブントースターはその空き地の形状と寸法の両面からどうもムリなんだけどトースターだったら大丈夫そうなんだよ。じゃあ昔ほどオーブントースター使うわけでもないから、いっちょう食パンがポンってなるやつを買いましょうと衆議一決したのでした。

それでこんだはビックカメラで実物をためつすがめつするでもなくamazonで写真とお値段と評価の星の数と役に立ちそうなレビューを見ただけで、つい一昨日届いたばかりなのがクロームメッキも誇らしげな英国メーカーの中国製トースターなのであった。

to be continued (しないと思う)
Commented by matantz7 at 2014-04-23 02:14
そのうち羽根が生えて、夜中とかGod-zi-llaさんが居眠りしてると、空飛びますよきっと。
Commented by god-zi-lla at 2014-04-23 09:35
フライングトースター!
なつかしいなあ。

もうないのかと思ったら、あるんですね。
ダウンロードしてしまいました。390円!

http://www.infinisys.co.jp/product/flyingtoasters/

Commented by ニブ at 2014-04-23 13:47 x
最近ガスコンロが新しいものになりました。タイマー付きで、時間がきたら火が消えます。パンの焼き過ぎありません(笑) グリルは両面焼きで水なし。上火と下火それぞれの火力調節可能です。炊飯モードなんてのでも自動消火です。ただし、ミルク缶焙煎では火が勝手に小さくなってしまい、強い火を維持できません。
Commented by 宗助 at 2014-04-23 14:28 x
先日、このトースターの記事を知り合いのサイトで見かけましたが、皆さんトースターに郷愁を抱きはじめたのかな? それにしても魚焼きグリルでトーストですか、さすがゴジ兄、豪快というかなんというか(笑)この新しいトースターは窯のように周囲から加熱するからトーストが美味いでしょう。

ところでこのトースターは昔のサンビームのトースターを改良復刻したみたいですね。サンビームはパンを縦に入れる(長辺に対してパンが直角に入る)方式でもう少し小ぶり、あまりに美しくて、一目ぼれして無理して購入、愛用していたのですが8枚切りの食パンしか入らない、少し厚めだと引っかかるので主婦には評判が悪く使わなくなりました。そんなこともあって今は物置のどこかに眠っています。

考えてみると私が初めて食パンを食べた頃は七輪(カンテキと言いましたけど)に餅焼き網を乗せて母親が焼いてくれました。炭火焼ですから四角い焼き目がついて、バターを塗って醤油を付けた海苔を挟んで食べる、あるいは焼きたてに練乳をつける。昔は貧乏だったのか贅沢だったのか(笑)
Commented by matantz7 at 2014-04-23 16:17
サンビームも持っていたのですが、結局5台か6台のトースターを買って、全部壊れてしまい、今はDUALITです。きわどく5枚切りまでは入り、手動で上げ下げしますので適当に上下左右ひっくり返したりができます。もう10年近く使っていますが壊れそうにないし、最初からDUALITを買ってりゃなあとため息が出ます。
Commented by god-zi-lla at 2014-04-24 09:23
ニブさん こんにちは。

へぇー最新のガスコンロはそんなことになってるんですか。
ウチのは旧式なので上から単純に火が来るだけですから、食パンはあっというまに硯かモノリスかって感じになります。

しかし安全のためには自動消火はとても良いと思うんですが(自分でも最近ときどき消し忘れがあって恐いと思うし)、作業中に火が消えたり弱くなったりっていうのは困ったものですね。
Commented by god-zi-lla at 2014-04-24 09:40
宗助さん こんにちは。

ウチのような従来の片面焼きグリルで食パンを焼く場合、まず表面がパリっとしてきて焦げ目がつかないうちにひっくり返し、同じくらいまで焼けるのを待ちます。そうしないとパンの片側だけ水分が飛にで収縮し反り返ってしまいます。

そんなことをチマチマとやりつつグリルに付きっきりですから、とても「豪快」なんてもんじゃありません(笑)

そんな面倒なことしてたのにトースターを使ってみると、やっぱりこっちのほうがなんの手間もないうえにずっと美味しいトーストが焼けてしまいます。やっぱり道具ですね。

だけどカンテキ(うちでも七輪はカンテキと呼んでました)で食パン焼いた上にバターに醤油に焼き海苔ですか! うまそうだなあ。これは、いまになってみれば贅沢ですよ。

思い出したんですけど、そういえば冬場は練炭火鉢に餅網乗せて、そこで母が食パン焼いてましたね。火鉢を出してない季節はどうしてたんだろう。トースターあったのかな。魚焼きグリルは絶対ありませんでした。そもそもガスコンロ自体が鋳物の五徳の中にマッチで点火する裸のバーナーが乗っかってるだけのヤツでしたから。

んー、だんだん色んなことを思い出してくる(笑)
Commented by god-zi-lla at 2014-04-24 09:47
matantz7さん

なるほど、パン好きはけっこうトースターで悩んでたりするわけですね。おれは基本的にゴハン党なので、たぶんこのトースターもテレビくらい長持ちするんじゃないかと思います。

ちなみにウチのテレビはめったにスイッチを入れないから壊れなくて、いまだにブラウン管式の文字通りの「前世紀の遺物(1998年製)」が居間にデンとあります。
Commented by にしだ at 2014-04-25 13:40 x
あ、これうちのと同じやつw。
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by god-zi-lla | 2014-04-22 06:33 | 日日是好日? | Comments(9)