神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

冷やし中華が恋しい季節になってまいりましたが…(ご無沙汰企画・お一人様の昼メシ)

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それにしても降り続けるよなあ。
ほとんど止むことなく、これでもう三日目だぜ。

つうようなわけでけさは思いのほか涼しいんだが、基本的には梅雨に入ってムシムシとする日が続いて、気がついてみれば冷やし中華の季節にコヨミのうえではなんなんとするわけだ。ちなみにおれの生まれた土地では夏至の夜(今年だったら21日)7時を少しまわったあたりの刻限、家族全員が南を向いてカラシのたっぷり効いた冷やし中華を食べて遠く父祖の地に思いを馳せるというのが古来からの慣わしてある。もちろんその土地一帯に初めて住んだわれわれの祖先が、はるばる南シナ海の果てから葦船ラー(辣)号に乗ってこの国に冷やし中華をもたらしたというのは業界ではつとに有名な逸話である。

もちろんそんなハナシは聞いたこともないんだが、節分に切ってもいないのり巻きにかぶりつくだなんてお下劣な与太風習よりナンボかこっちのほうが上品でしょ(それになんか気宇壮大でもある)。なんだったらカラシのほかに紅ショーガをたっぷり加えたってかまわないんです。

で写真をよく見れば冷やし中華というくせにチラチラ見え隠れしているのはウドンである。そうなんです。これはうちのフリーザーに常備してる冷凍さぬきうどんなんです。乗っかってる具はいかにも冷やし中華っぽいですけど正体はうどんです。冷やし中華うどんと言ったらいいのでしょうか。

しかしまあなんだな。ときによったら(つかお店によっては)冷やし中華を「冷やし中華そば」と呼んでるばやいもありますけど一般的には「冷やし中華」と、そばの2文字は省略することが多いわけで、しかし、ぢつは省略されてたのは「そば」でなく「うどん」だったということだってなくはないわけだ。

まあそんなことあるわけないんだが、べつにおれだって好きで冷やし中華の黄色いソバを白いウドンにしたわけじゃありません。

じつをいうとこのいかにも冷やし中華っぽい具がひと揃い、先にあったのであった。レタスとトマトと千切りのキュウリと鶏ムネ肉を茹でて裂いたやつとインゲンのバター炒め。これってある日の朝ゴハンのオカズなのだった。それをウチの息子が寝坊して食わずに飛び出してって手付かずに残ってたひと皿。え、なんかヘン? あ、鶏と千切りキュウリね。そうなんです、これはさらにその前の晩メシの残り、つか最初っから少し余るように多めにこさえた晩メシのオカズのひと品の棒々鶏なのだった。そりゃあおれだってそんなややこしいモンを朝メシにわざわざ作らんてば。

だけどまあ鶏肉を茹でたりするのはべつに150グラムが300グラムになろうが、どうせひとつのナベでいっぺんにやったらおんなじだから、どってことありません。ちょいと余計に茹でといて翌朝のオカズに添えるとか、あるいは手を加えて晩メシのメンバーに加えるとかね。そしたらいろいろラクチンでしょ。いわゆるひとつの主夫の知恵ってヤツだよ。

でその息子の食わなかった朝の皿を、ったくオヤジが一生懸命作った朝メシを食わずに出てきゃがってホントにあのボンクラはもう、なんて文句たれながらツラツラと眺めておったところ、インゲンのバター炒めを除けばそっくりそのまま冷やし中華のこれは具一式ではあるまいかとハタと気がついたわけだ。しかも鶏は前夜の棒々鶏であるからして、ちゃんとイチから作った自家製棒々鶏のタレもまた少しではあるが残してあるのであった。

ふふふふふ。ゴマダレ冷やし中華ってヤツね。
棒々鶏のタレに自家製めんつゆと酢とゴマ油と醤油足せば一丁上がり。
きょうの昼メシはこれでキマリだぜ。

ボンクラ息子のことはすでにアタマから消し飛んでいる。

だけどね。モンダイは麺なんだ。冷やし中華にするような中華麺なんてのは、おれんちじゃ常備してないもん。ふつうのご家庭では常備されてたりするんでしょうか中華ソバ。しないよね日持ちしそうにないし。ウチで常備してる麺類ってば素麺と1.7ミリのスパゲティと乾麺の二八蕎麦に冷凍さぬきうどん、あーそれからあとチキンラーメンもあったな。

それだけのために中華麺買いに行くのもなんだしさ。とにかくそこらへんにあるものでチャチャっと作ってチャチャっと食うというのがお一人様の昼メシの流儀ですから、わざわざ買い物に行くということはしないんだ。

どーせ代用品なんだからどれで作ったっていいんだけど、パスタってのも悪くないかもしれない。ソーメンは極太の半田素麺ならかなりイケそうな気がしないでもないし日本蕎麦の乾麺だって完全に否定はしきれません。まあチキンラーメンはべつのヒトっぽいからアレだけど。

だけどまあここはその簡便さからいっても冷凍さぬきうどんでしょ。電子レンジで3分半解凍してザルにあけて流水で冷やせばオッケーだもん。コイツをざざっと水気切って皿に乗せたところに息子の朝メシの皿からそおーっと具一式を移したとこにタレをかけ回したのが写真です。

これがしかしあなた。自分でいうのもナンなんでございますが、じつにうまい。ヘンなハナシ、さいきんこれよりうまいゴマダレの冷やし中華っていつ食ったっけなって思い出せないくらいウマいから困ったもんです(困らないけど)。ちょっとヨソ者っぽいインゲンのバター炒めも全体をじゃじゃじゃじゃっと混ぜ合わせて食ってみるとこれが意外なくらい違和感なく馴染んでくれてたりしてね。いやーホント、おれってもしかしたら天才じゃないの、なんちて。だけどあれだなあ。冷凍さぬきうどんだって決して悪くないんだけど、ここまでウマいとやっぱりこれが中華の麺だったらなあってちょっと残念な気分になっちゃったりはちょっとしますね。

でもさ。平日の昼間ひとりで作ってひとりで食ったもののことをあんまりウマイウマイって言ってると、まーたオトーサンはおいしもの独り占めしちゃってちょっとアレなんじゃないの、なーんて言われかねませんから大概にしときますけどね。だけどホントはただせっせと残り物を消費してるだけで、もとはといえば自分でこさえたものなんだからせめて最後までおいしく食べてやりたいと思ってひと工夫するようにしてるだけなんだよ。
Commented by ハルズ at 2014-06-09 12:32 x
>節分に切ってもいないのり巻きにかぶりつくだなんてお下劣な与太風習よりナンボかこっちのほうが上品でしょ(それになんか気宇壮大でもある)。
間違いない!

麺はカト吉?
棒々鶏のタレって、どうやって作るの?
Commented by god-zi-lla at 2014-06-10 08:34
ハルズさん こんにちは。

> 間違いない!

でしょ!
おれ、嫌いなんですよアレが。

うどんは今フリーザーに入ってるのは生協のヤツですが、スーパーで買うときはカトキっちゃんですね。どっちも似たようなものですが、わりと気に入ってます。ブヨブヨしてないし(あのコシはタピオカを混ぜてあるからだという話もありますけど)。

棒々鶏のタレの材料は芝麻醤(=練りゴマ)、砂糖、ゴマ油、酢、辣油、醤油を練り合わせたところに、みじん切りしたネギ、みじん切りの生姜を合わせるだけです。カンタンで、それっぽい味になります。醤油を入れる前に一旦きっちり練り合わせたほうが分離しなくて良いです。
Commented by ハルズ at 2014-06-10 16:47 x
>芝麻醤(=練りゴマ)、砂糖、ゴマ油、酢、辣油、醤油を練り合わせたところに、みじん切りしたネギ、みじん切りの生姜を合わせるだけです。
こんなに簡単だったの?今夜やってみます。
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by god-zi-lla | 2014-06-08 06:46 | 食いモンは恥ずかしいぞ | Comments(3)