神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

うりのおつけもの

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たんなる白瓜のぬか漬け。
夏になるとウリを浅漬けやらぬか漬けやら、あるいはちょっとした和え物なんかにもして食いたいもんだなんて若いころには毛の先ほどだって思わなかったのに、なぜか最近こういう季節季節のなんでもない旬のものが食いたくなるんだ。

これも老化の兆候かもしれないけど、それなら老化ってのはなかなかに良いもんだと思う。

ところがね、このなんでもないたんなる白瓜をウチの近所ではまるでみかけなくなってさ。たぶんこのときの写真の1本以来いちども目にしてないから買ってもいなくて、とうぜん食ってもいなかった。じつにふた夏、なんでこんなになんでもないものがと思ってたんだが、しかしこれだけ見かけないってことは、すでにもう、なんでもないものなんかではないってことなのかもしれない。

これだけ見かけなくなったってことは、ようするに買って食べるひとがいなくなったから作る農家もなくなってきたっていう、きっとそれだけのことなんだろうな。ことさらトマトのように濃い味のあるものではないし、どんな調理法にでもなじむというような野菜でもないしね。ただ蒸し暑い夏にさっぱりとしてみずみずしい風のようなものを少し食卓に運んでくるだけのような存在といえば、そういう存在だもんな。

で、こいつをどこで見つけたかというと近所の八百屋やスーパーの店先じゃなくって、こともあろうに(っていうのもナンですけど)銀座三越の地下3階の生鮮品売り場の野菜コーナーなのであった。

じつはせんだってインサイド・ルーウィン・デイヴィスを日比谷で見終わって外に出るとまだまっ昼間の日射しの午後4時でさ。このまま帰って近所のスーパーで晩メシの買い物してってもいいかなと思ったんだけど、せっかく日比谷なんだから、しかも夏になってきたんだから、そうだ! おいしい山形プラザへ行って例のおいしい小茄子ちゃんが出てたら買ってこようと銀座1丁目まで歩いてったんだけどね。

まあ野菜買うのに銀座歩ってるのもおれだけでしょうけど残念ながらまだ山形のすごくおいしい小茄子は出てないのでありました。んー残念。あれは夏というより秋口なんだな。それで仕方なく銀座中央通りへ出て、このまま手ぶらで帰るのもモッタイないので最近あんまり元気のない松屋のデパ地下はパスして三越の地下へ降りてったのだった。ようするに最初っから三越になんか珍しい野菜でもないもんかと、野菜目当てに行ったのね。

だけどだいたい夏の白瓜なんて、銀座4丁目で買うようなモンかぁ? 正直そう思うでしょ。思わない? そうかなあ。おれは思うけどな。こういうものは近所の八百屋でもスーパーでもハダカで転がってるのを1本、夕餉の材料のついでにヒョイと買ってきたい。それがなんだかポリ袋に2本入って360円、なんかすごく高いような気もするけど三越ならこんなモンかみたいなお姿とお値段でさ。

だけど置いてあったのはさっすが三越、イエーイ! といわざるをえない。

ホントは水茄子なんかあったらウレシイなと思ってたんだ。水茄子もさ、夏の食卓に涼しい風を運んでくる野菜だけど、ことさらオカズになるってわけでもない言わば季節限定のゼータク品だからね。こういうのは銀座4丁目で買い求めて三越の袋に入れてもらってシャナリシャナリ帰っても別段かまわない。

つうようなわけで水茄子も2つ入りの袋で、レジへ持ってったらウリふたつのナスふたつで千円ちょっともしたんだ。まあ旬のものは仕方ないかな。だけど仕方ないけど予算もない。この日は晩メシの買い物をいっさいヤメにして、水茄子と白瓜以外は冷蔵庫のストックだけで献立考えることにしたのであった。

白瓜はね、ぬか漬けに1本よけといて(上の写真のヤツだな)もう1本を二つに割ってタネを取り、刻んで塩して絞ったのに、別に作っといた辛子酢味噌を食べる直前に和えた。

水茄子はガクをむしったあと、縦に櫛形に切ってそのまま食う。

じつにまったく、夏だよなあ。
白瓜は銀座四丁目に限ります。
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by god-zi-lla | 2014-07-05 11:42 | 食いモンは恥ずかしいぞ | Comments(0)