神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

ことしのTIASその2〜重箱編

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重箱編というのはようするに写真が3段のお重になってるという意味でもあるしハナシが重箱のスミだって意味でもあるということを、まずもって冒頭おことわりしとくわけでございます。

まあそんなこたどーだっていいんだけどさ。お重のいちばん上の段にあるのはフォステクスのFE103-Solつう103シリーズ最新作の、コーン見えてるほうが8オームでマグネット見せてんのが16オーム仕様でしたけど外観は一緒だよな。しかしこれがさ、小さなバスレフの標準箱に入ったのがたまたまブースに入ったときに鳴ってたんです。もう長いことフォステクスのフルレンジ使って自作なんてしなくなったおれが知ってるFE103といえば初代のワラ半紙色のコーン紙に布エッジのヤツだけで、当時マグネット2枚重ねのΣがすでにあったけど高くて買えなかった。

その遠い昔の記憶をたどると元気いっぱいだけど非常にドライでカサカサ一歩手前みたいな音だったような気がするんだけど、そのとき目の前で鳴ってたSolってやつはなかなか侮りがたい滑らかさと元気さのブレンドされた音でちょっと感心してしまったのだった。じつはコイツを使って長岡鉄男先生の名作マトリックススピーカーMX1を新たに作った人がいて、明日それを聴かしてもらえることになったもんですからこの鳴りっぷりに期待はいや増しに増すばかりなのでありました。

で元気といえばそのSol付きの小さなハコが片付けられたあとスタンドに載せられたのが今年11月発売予定のGR160って16センチウーファー2wayの小型スピーカーなのだったが、こいつが開発テーマの「体に感じる低音」というのがまさにそのまんま音になっちゃった感じの、ほとんど笑っちゃうくらいブイブイいうスピーカーでね。いやコレはたいしたモンだな。それでこのブイブイの低音以外はむしろ昔のFE103を思い出させるような感じがして、こりゃあひとつデカい音で音楽聴けるシアワセな境遇の青少年諸君に是非バイトして買い求めてほしいもんだと思ったね。予価69,000円ペア税抜き。この生意気野郎を爆音で鳴らした挙げ句に近所から怒鳴り込まれてもおれは一切責任持ちませんけど、せいぜい人生経験を積んでもらいたいもんである。

しかし、すごいお値段のスピーカーばっか聴き歩いたあとでこういうのを聴かしてもらうと、なんかホッとするよ。オーディオってこういうもんだったよなーって感じ。できたらアキュフェーズじゃなくってTIASにもブースを構えるようになったヤマハの最近のプリメインアンプかなんかで鳴らしてくれてたらもっとうれしかったけどね。

で、二の重を飛ばしていちばん下の写真なのだったが、おれんちのと同じSME3012Rに取り付けられた奇っ怪なヘッドシェルに目がクギ付けになってしまったんである。へえ、いまどきユニバーサルタイプのヘッドシェルを新規に作ろうっていう外国の会社があるなんて思いもしませんでした。だいたい欧米のトーンアームっていまどきみんなヘッドシェル一体ばっかりじゃないか、つか、昔からあのコネクタのついたトーンアームって欧米じゃオリジナルのオルトフォンとそれを蹈襲したSME以外にはなかったわけだから、それだけでもいかに奇特なメーカーか判ろうというもんだよ。

いやよくわかりませんが、とにかくおれとしたら3012Rにコイツが取っ付いているというその事実だけで激しく反応してしまって写真まで撮ってしまったんであった。だけどハッキリ言ってフォルム的には3012Rとぜーんぜん似合ってないんだな。

だけどなんだかよくわかりませんがヘッドシェルのくせしてじつにチマチマとした細かいパーツで出来てるようでさ。パンフレットを見ると「垂直トラッキング角」だの「針先すくい角」だのを調整する機構のためにそのようなパーツになってるらしいんだが、ところで針先すくい角ってなんですか? いやしかし、なんだか面白そうじゃんか。こういうチマチマした細かいパーツで出来てる精密っぽいの大好き。

だけどそのナントカ角とかを調整するのにネジを緩めたり締めたりするんでしょうけど、そもそも緩まないネジなんてものはヨノナカにはない。つまり、よしここで決まり! となった瞬間から否応なくどんなネジも少しずつ緩んでいくわけだ。ヘッドシェルにカートリッジを取り付けてあるネジだって年に1回くらいは緩んじゃいまいかと疑ってやってもいいくらいだから、うっかりすると精密に調整したつもりがある日気がつくとあちこちユルユルのグラグラになってたりしないとも限らない。そういう意味じゃあコイツはなかなか気の休まるヒマもないようなヘッドシェルかもしれないよなあなんて思わないでもないのだった。

でもね、ちょっと欲しい。
いろんなこと調整するとどーなるのか、やってみたい気もするんだ。
だけどいちばん安いサテンブラック or サテンシルバー仕上げのやつですら69,000円税別とあるじゃないか。んー、なんだかちょっと遊んでみるだけにしたら躊躇しちゃうよなあ。このヘッドシェルとさっきのフォステクスの元気なブックシェルフスピーカー、同じ値段だけどお前だったらどっち買う?っていきなり言われたらどっちかなあ。体積的には圧倒的にフォステクス有利だけど、そんなこと比べてどーよってもんだしなあ。困った困った。なんちて。

まあこれも、おカネ余ってたら欲しいかな。
ちなみにシェルリート線は付属してないようなので、その出費もあります。

で、二の重はヨシノトレーディングの小さなブースで、以前はここに永らくスキャンテックが店を構えて繊細かつ神経質なサウンドを発していたのが去年はたしかトライオードがここに来て大らかな(あるいは大雑把な)音を出していたのだったが、今年は外の受付机にティム・デ・パラヴィッチーニ本人が座って店番をしていて道行く人々を驚かしていたんである。

(to be continued)
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by god-zi-lla | 2014-09-27 19:43 | オーディオもねぇ… | Comments(0)