神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

タマネギゴハン

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さるすじから「ここんとこステレオの話題ばっかでよーわからんから、たまには本のことか食い物のことでも書けや」と苦情があったので、本と食い物。

それにしても、よくこんなブログに付き合ってくれる奇特な人がいるものよと、自分で書いてて感心しちゃうよ。と、また憎まれ口でホントすまんねえ。

てなわけで、これは「タマネギご飯」というものでございますね。って、おれも初めて作って初めて食った。

四方田犬彦の「ラブレーの子供たち」(新潮社)というのを読み終わったんだが、その中の「吉本隆明の月島ソース料理」という一篇に出てくる食い物。

ちなみにこの本はどういう本かてえと「本書は、過去の書物を読むことと未知の料理を前にすることこそが人生の悦びであると信じる、ひとりの批評家によって書かれた、実験レポートである」と著者が書いているので、そういう本であるな。

【つくり方】
(1)タマネギをスライスし炒める
(2)火が通ったらそこにあったかいゴハンを入れる
(3)ざざっと混ぜる(チャーハンにするんじゃないよ)
(4)皿に盛ってカツオ節をぶっかける
(5)その上からウスターソースをぶっかける
(6) 混ぜて食う
以上

食ってみると、かかるものを食ひて彼は知の巨人となりしか、なんてことは思わなかった。
うまいともマズいともいえないが、うまいともマズいともいえる。カツオ節とソースといえばタコ焼きのようでもあるが、そうでないようでもある。懐かしいような味もするが、ぜんぜん見ず知らずの味でもある。

まあ非常に面白い本なので、興味がおありの諸兄姉におかれては購入のうえ試作くだされたく。奥付は今年の8月25日だから文芸書の品揃えのよい大型書店なら、まだ店頭にあるかもよ。くれぐれも料理本の棚を探さないよーに。

それと、ひさびさに好きな装幀の本でもあるな。本文の書体や組み方も非常に結構。装幀は日下潤一
Commented by 虎吉 at 2005-11-19 11:03 x
こんにちは。秋晴れの休日、お出かけは湯島とはこれまたオツですね。
天神下のシンスケで正一合でさくっと暖まるとオツ度もアップ。

月島の知の巨人の一品。いやはや、まいった。
タマネギにソースですか。ネコメシもどきですな。
でも、今日明日にでも試食してみましょう。タマネギは高血圧
にいいらしいので。

どのすじの御仁かわかりませんが、人様のブログにいちゃもんつけるなんて、いい人ですね。それを素直に受けたゴヂラ殿もサービス精神があふれている。

本と音楽とメシ・酒で、話題が尽きません。たのしたのし。

Commented by god-zi-lla at 2005-11-20 09:36
>虎吉どの
その天神下のシンスケってのはオツな店なんでしょうか。
おいら神田川一本隔てただけだというのに、湯島、神田明神あたりについては地理不案内なもんで、今度あのあたりに繰り出して飲みませんか。

ところで月島といえば「もんじゃ」が有名ではありますが、2年か3年前に某社を定年退職した旧東京市本所区生まれのTさんは、「そんなものは下町にはなかったねえ。おれは食ったこともない。月島?  そりゃあおまえ、月島は下町じゃないよ、あそこは島なんだから」とおっしゃってましたな。

そのTさんによると、子どものころお母さんがメリケン粉(小麦粉とは言わなかった)を水で溶いたのをフライパンで焼いてくれて、それにソースを付けて食べた思い出があるそうです。

なんか知の巨人のタマネギゴハンに相通ずるところがありますが、どちらも食ったこともないのになぜか郷愁を誘います。
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by god-zi-lla | 2005-11-18 18:45 | 食いモンは恥ずかしいぞ | Comments(2)