神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

さいきんのヘヴィーローテーションつうのもめっきりやらなくなりました。

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前にも書きましたけど、楽しかったり面白かったりしたものはブログに載っけるけど、つまんねーものとかハラの立つものってのはなるだけやらないようにしてるんだよ。だって自分の楽しみでブログやってんだから、思い出してハラの立つようなことをわざわざ思い出したくないじゃんか。あー楽しかったねえ、なんて気分はいくらでも反芻したいけどさ。

だけどたまにはハラに据えかねて吐き出したくなることもある。
原作者井上ひさしの著作権継承者が難色を示して「原作者」の表記をしてないことが、芝居見たらいっぺんに腑に落ちたよ。だけどそんなこと確認するために大枚叩いたうえ渋谷の雑踏かき分けてくほどに、おれは酔狂じゃありません。

大勢の人が親しんだ題名を使って新しいものを作るんだったら、作る側はそれを踏まえたうえでそれを超えて素晴らしいものを作って、新たに作られたものがオリジナルからいかにかけ離れていようとも(それがパロディであれ)オリジナルに親しんできた大勢の人を納得させる(少なくともそのために最大限の努力をする)責任てのがあるとおれは思うんだが、それがまるで見えないからハラが立つ。

あー二つのエントリにまたがってブチまけちまった。

そんなことじゃなくて最近のヘヴィーローテーションは佐野元春のニューアルバムなんでした。これは良いです。佐野元春が近ごろのヨノナカでキモチ悪いと思ってるモロモロをすごくキモチいい音楽に仕立てててさ。その佐野元春の語る世間のキモチ悪さにも佐野元春の作る音楽のキモチ良さにも吸い込まれて、ここひと月くらい毎日繰り返し聴いてる。

そもそもファンじゃないんだけどね。なにしろ佐野元春のアルバム買ったのって30何年ぶりだもん。今年30歳になった娘が生まれる前、その頃住んでた碑文谷のアパートの大家さんの店のすぐ近所のレコード屋で買ったのをなぜだか覚えてるんだよな。

おれにとっちゃ佐野元春って、ちょっと才能あるからってエラソーにしやがっていけすかねえ学年1コ上のヤツ、みたいな。野田秀樹なんかも同じ。

だのに野田秀樹の芝居もいつのころからか好きで見るようになったし、こんだは佐野元春だ。

年齢近いのに自分と違って才能溢れるニンゲンてのを意味もなく嫉妬して反発するっていう、よくある凡庸な若者のパターンだな。いつか自分もナニモノかになりたいと思ってはいるけどナニモノにもなりそうにないってことも薄々感じてたりしてさ。おれ自身のほうがよっぽどいけすかねえヤツなわけだ。

それがここへきて好きになるってことは、ようするにまあ、還暦を前にようやっと自分はナニモノでもないってことに納得したってことだな。情けないねえ。

それにしても世間のキモチ悪さだ。
ある日
聖者を気どっている妙な人に会った
君のこと、知っているよ
清らかな言葉が得意だ
穏やかな笑顔で席を立って
祈る姿もキマっている
どこかの教祖になりたいか
だれかの神になりたいか

聖者を気どっている妙な人に会った
聖者を気どっている妙な人に会った

(誰かの神)
キモチ悪いものがものすごくかっこいいサウンドに乗っかっている。

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あ、それからApple MusicよりCDのほうがだんぜん音がいい。
できればLPも出して欲しいもんです。

(ブラッド・ムーン/佐野元春&コヨーテバンド POCE-9390)
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by god-zi-lla | 2015-12-26 07:28 | 常用レコード絵日記 | Comments(0)