神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

バイワイヤリング始めました その2(それと、最近のわが家のステレオ事情)

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つうようなわけでバイワイヤリングについて書きかけたのが去年の10月なかばであった。わはははは、いつのまにか4か月たっちゃった。月日のたつのは早いもんだ。とにかくその後もバイワイヤリングのままである。

じつはバイワイヤリングを試すにあたって、そのとき使ってたスピーカーケーブルを買い増そうとしたんだよ。そしたらこれがすでに製造中止になっててさ。別のありあわせのケーブルを一組引っぱり出してきて繋ぐってのはなんか本筋じゃない気がするし。んー、こりゃあ困ったもんだと思ったんだけど、一度その気になったのをヤメにするのもなんだかね。それに多分ここで試さなかったらおれも寄る年波でなんでもメンド臭くなってるもんで二度とバイワイヤリングをやろうなんて気にならないんじゃないかと思ったから、この際まったく新しいケーブルを買ってみることにしたんでした。

といったってお金がうなるほどあるわけじゃないし、そのうえ引き回す距離がウチは長いんです。だから今までだって1メートル千円を超えるようなスピーカーケーブルを使ったことがないんだ。しかもバイワイヤリングするとなればさらに二倍だもん。だから新しいヤツも千円未満が絶対条件です。

それ以外にもスピーカーケーブル新調するにあたっちゃ条件がいろいろあってね。まず細くなきゃいけない。ドアの下のすき間を通るんだよ。床とドアの間隔はせいぜいが1センチあるかないか。しかもバイワイヤリングするとなればそのすき間を4本のケーブルが通ることになるわけだ。

それから外皮が暗い色で目立たないこと。なにしろ居間でオーディオやってるもんですから目立たせたくないの。同じ理由でとにかく柔軟で引き回しやすいこと。部屋のなかでのたくって突っ張られたりしちゃ困りますからね。

なんつってると、それだけでもう使えそうなケーブルはずんずん絞り込まれちゃうから、まあ音質についてはあんまりゼータクは言えないんだけどね。それでもそういうなかでわりと評判がよろしそうなナノテック・システムズというメーカーのSP#79 Special、788円/1メートルというやつを買い込んだのでした。これは細い平行ケーブルで黒いし柔らかい。そんなことで選んだなんていうと作った会社にすまない気もしますけど、ごめんね。

で、こいつが来たのが去年の7月末のことで、とりあえず今まで使ってたのを外してそのまま置き換えてシングルワイヤリングでしばらく使ってみることにした。なんとなれば、バイワイヤリングにしてどう変わるのか変わらないのか、まるで新しい使ったことのないケーブルでいきなりバイワイヤリングしたってなんにもわかんないからね。だからまずはこの新しいスピーカーケーブルがどんなもんなのか、いままでのヤツとどう違うのか、そもそも取り替えたら悪くなる可能性だっておおいにあるわけだしさ。

で、シングルワイヤのまま2か月使い続けた。
なんつうかまあロードテストというような気分だな。

そういえば海外はいざ知らず日本のオーディオ雑誌で、長期間に渡って製品のテストをしたというのをあんまり聞いたことがないな。スピーカーでもアンプでもケーブルでもカートリッジでも、大概ある一定のエージング期間が必要なわけだけど、それにいったいどのくらいの時間がかかるものなのか。そしてエージングが終わって安定期に入った製品がどんな音を鳴らしてくれるのか、っていうのがね。

おれはそういう記事があったら是非読んでみたいもんだと思うけど、まあ需要がないんだろう。そんなことを考えた雑誌の作り手が過去にいなかったとは到底思えないし、そういう記事が皆無だったとも思えない。ようするに読み手も広告主もそんなものは多分望んでないってことでしょうね。

まあそれはともかくとしてだな。新しいスピーカーケーブルは取り替えたらいきなり前のよりずっと良い音を出したもんだから、これにはちょっと驚いてしまったんであった。エージングも何もホントいきなり良かった。もしかしたらその前に使ってたのが相当よろしくなかったってことかもしれない(そんなことはないと思うんだけど、そいつの名誉のために敢えて名を秘す)。いやあこれは良い買い物をしたじゃんか。

とにかくここでガックリくるような音だったら、そのあとバイワイヤリングなんて試す気にもなりゃしないしさ。とにかくこれでひと安心。これからしばらくの間はシングルワイヤーで聴き続けてどう音が変わってくのか観察してやりましょう。

というところで書いたエントリーが前のこいつなのであった。それで、さあもう十分このスピーカーケーブルの素性はわかった。メーカーもそれほどエージングで変化しないと説明書に書いてたとおり、ふた月使ってみて印象が変わったってこともない。どっちかっつうと多分ややおっとりした感じの傾向だと思うんだが、モヤモヤとかそういうことじゃなくてね。おれは気に入った。いよいよバイワイヤリングだぜ。

と結線して、しばらくしたらこんだはこれだ。だいたいレビンソンNo.29Lの調子がおかしくなってきたのが、ちょうどバイワイヤリングを始めようとした頃で毎日なんか落ち着かない。結局修理に出したパワーアンプが戻ってきたのがほぼ1か月後の12月17日で、また一旦シングルワイヤで1週間ほどレビンソンの復調具合を確かめつつ聴いてから再度バイワイヤリングにしたんでした。

まあなにごとにつけ紆余曲折というのは付き物でございます。

そんなわけで本格的にバイワイヤリングで聴くようになったのは今年になってからといってもいいんだけどね。しかし、やってみるとロジャースというスピーカーメーカーが非常に早い時期からバイワイヤリングを推奨して専用の端子を設けていたのが頷けるように、シングルワイヤにくらべると特に中高域のスムーズさとか奥行き感とかがごく自然に拡張されたような印象があってね。なるほど、これはやってみただけのことはあったなあと少しうれしくもなったんでした。

ただね。いまごろになってこういうこと言うのもナンなんですけど、バイワイヤリングつうものについて実は個人的にはずっと前から眉にツバつけてるようなところがあってね。

これは指摘する人が大勢いますけども、ようするにパワーアンプの出力端子から高域と低域でケーブルを分けて信号を送ることによって、ウーファーの逆起電力が高域側に与える影響を少なくするという触れ込みでバイワイヤリングってものが登場してきたわけですけど、普通だったらスピーカーシステムの入力端子のすぐ後ろ側でケーブルは高域と低域に別れていく、その別れぎわをアンプ側に何メートルか寄せただけで、そんな効果がホントに期待できるのかどうか。パワーアンプそのものを高域用と低域用に分けちゃうバイアンプだったら納得できるんだけど、分岐する場所をちょいと動かしたってだけなのにどうよ、ってさ。

でも実際に自分ちの装置でやってみたら、なるほどこうするとたしかに好ましい方向に音は変わった。つまり効果はある。だがしかし待てよ。たしかにアンプの出力端子のところから二つに分かれていったわけだが、単純に二つに別れたんじゃなくてデンキの通り道は2倍になってるわけだ(抵抗値でいえば半分になった)。つうことは見かけ上は導体が倍の太さになったスピーカーケーブルを使ったのとほぼ同じでしょ。つまりバイワイヤリングは「倍ワイヤリング」でもあるってことね。

そっちのほうが効いてるってこと、ない?

だからきっと、ホントにバイワイヤリングが聴感上なんらかの効果があるかどうか試聴するんだったら、もともと使ってるスピーカーケーブルをツツーっと縦に真っ二つに裂いて2本にしたうえで、それを高域と低域それぞれに使ってみるというようなことをやらなきゃいけないんだよな(できっこないけどさ)。

だけどまあ音は良くなったんだから、おれはもうどっちだっていいや。
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by god-zi-lla | 2016-03-07 15:20 | オーディオもねぇ… | Comments(0)