神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

十六ささげ

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中部地方じゃべつに珍しくもなんともない野菜なんだってね(ホントにそうなのか、もし中部地方在住の方がお読みになってたらコメントいただきたいものです)。関東地方じゃ八百屋とかスーパーとかデパ地下などで一度も見たことないです。そもそも初めて見たときコイツが野菜かどうかすらわかんなかった。緑色して陸上に生息するチンアナゴとかね。なんかそういう珍奇な、想像を絶する生物かと思ったもん。

で、こういうときはおなじみの食材図典だ(小学館刊1996年の10刷。新版を出してもらいたいもんであるが難しいんでしょうね、このご時世紙の辞書事典つうのは)。231ページ「ナガササゲ」の項。
●asparagus bean(英)
●マメ科ササゲ属
熱帯アフリカ原産の一年生草本で日本へは中国経由で渡来し、18世紀に記録がある。莢(さや)の長さ30cm前後の十六ササゲ、35cmくらいの姫ササゲ、60〜120cmにもなる三尺ササゲなどがある。柊野〔ヒラギノ〕は莢長120cm、莢がかたくなるのが遅く品質がよく、サヤインゲンの生産の減る夏季に東海地方以西で珍重される。煮物やおひたし、料理の添え物とされる。
しかしね。そもそも初めて見たときコイツがマメかどうかすらわかんなかった。なにしろ畑で取れる穴子かと思ったくらいですから。いやほんとに。だけどマメなんですね。ササゲってくらいだからインゲンの一種じゃなくってお赤飯に使うササゲの親類なんだな。それもまた意外のことなり。

もう初めて見て食ってからだいぶん経ちますけども、とにかくウチの近所まわりじゃあどこにも売ってない。それをなぜ買い求めて食べたのかというと、前にも書いた気がしますけど大震災のあと野菜を遠くの産地から直接送ってもらって買い求めるようになって(最初は安全な食糧を確保するためだったけど、そのうちこの十六ササゲみたく知らない野菜も送られてきたりするのが楽しくなっちゃってさ)、2年くらい前だったか中部地方のどこかから送ってもらった野菜のなかにコイツが入ってたのが初めてなのであった。

しかしサヤごと食う豆の一種だってことさえわかれば平気なんだ。茹でて食ってみると、なかなか悪くない。茹で加減にもよるんでしょうけど普通のサヤインゲンよりパリっとしてていいかもしれない。

それにインゲンより細長いってのも料理によっては好都合な気もするんだけど、なんで関東地方では普及しないんですかね。気候や土が合わないとか、そういう問題なんだろうか。変わった味がするとか苦いとか辛いとか、そういうことはなにもないのにな。ゴーヤーがこれだけ広く食べられるようになって、それこそフツーの八百屋でもスーパーでも当たり前のような顔して店頭にならんでるほうがずっと不思議だと思うんだけどね。

(英語じゃアスパラガス・ビーンて呼ぶのか。なるほどたしかに)

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by god-zi-lla | 2016-09-16 12:48 | 食いモンは恥ずかしいぞ | Comments(0)