赤い蕪のぬか漬け
2017年 03月 10日
おれの扱い方が良くないせいかもしれないけど、こういう鮮やかな赤ってOM-D EM10もMacBook Airもあまり上手に再現できない。とにかく、ハッとするような赤だ。
これは万木(ゆるぎ)カブといって、山形の甘酢漬けにする温海カブとはまた違った種類なんだそうだ。山形のカブは皮がもう少し淡い紅色で、切ってみると実は白い。甘酢漬けがピンクなのは皮の色(あの赤はアントシアニン)が漬け汁に溶け出して実を染めるからなんだが、こっちのカブは同じ赤といってもずっと強烈でちょっと作り物めいて見える。温海カブと違い皮の内側数ミリのあたりまで真っ赤で、さらにその内側の実のほうもほんのりとピンクがかっている。
上の写真は半分に切ってぬか床に放り込んで3日くらい(72時間以上)漬け込んで取り出したものだけど、皮の鮮やかな赤があまり退色しないまま実のほうにその色が移って全体が均質な赤に染め上がった。もちろんぬか床にはなんの細工もしてない。
山形の温海カブは甘酢に漬けても歯応えじゅうぶんだけど、この万木カブはもしかすると温海カブよりさらに固いんじゃないかしらん。
ふつう野菜をぬか床にまるまる3日も沈めとけば、キュウリなんかは相当にしんなりしてしまう。それが、上のカブはうんと酸っぱく漬かって実のなかまで真っ赤に染まるわりにはナマの固さをかなり保ったままだ。いやもう、酸っぱいのにパリっとして最高だね。
しかしまあなんだな。近ごろはパキっと固くて美味しい食べ物なんてぜんぜん歓迎されてないんだろうな。そういうのも昭和の遺物だったりするんですかね。食い物が昭和の遺物なら、食うほうも昭和の遺物か。そうすると、こういうガッシリとした歯触りの地方野菜の将来もあんまり明るくないのかもしれないよな。
なにしろ最近はリンゴが固いと文句つけるやつまでいるってんだから、じつにまったく困ったヨノナカである。
by god-zi-lla
| 2017-03-10 09:38
| 食いモンは恥ずかしいぞ
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