神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

チョンマゲ頭を叩いてみれば因循姑息の音がする

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フォステクスのT90Aというんである。
いちおう知らない人に説明するが、これはスピーカーのてっぺんにくっつける「髻(もとどり)」のようなもんである。すてれお道楽者の古いふるい習慣なので文明開化の音はなかなかしないんである。

つうわけである日メールが届いたので読めば「送ったからしばしの間試してみよ」と。そしたら翌日の午前中には早や届き、開梱してみれば0.47μFのフィルムコンデンサーまで箱に収められており、取るものも取りあえずあり合わせの電線やらなんやら使って繋いでみたんでした。

じつはこの「出来合いのスピーカーシステムにスーパーツイーターを追加する」というのをアコースティックエナジーAE2Rで試してみたことがあったのよ。もう10年以上前のことですけどPT-R4てパイオニアのリボンツイーターのなかで一番お安いのを乗せてみた。

そもそもAE2Rの高域がワイドレンジだったせいか(あれはたしか35キロヘルツ以上伸びているというカタログデータだったかと)、音のほうにはなにがどうしたというようなはかばかしい変化がなくてね。んー、スーパーツイーターなんてこんなモンなのかと、結局しばらくしてPT-R4は売ってしまったんである。

AE2Rの伸びた高域に比べランサーのほうはどうかというと、一聴すぐに高いほうの音はあんまり伸びてないとわかります。それでいいといえばそれでいいんだけど、古いジャズだけじゃなくていろんな音楽をいろいろにかけてみると、なんかもうひと味あってもいいんじゃないかという気がしてくるときもある。

角を矯めて牛を殺すようなことは勿論したくないけど、出来ればどんな時代のどんな種類の音楽でも分け隔てなくこのバリッと乾いたオールドJBLの音色で楽しみたいもんだなあと思うわけだ。

でパワーアンプ取っ替えたらどうなるかとか、スーパーツイーター乗っけたらどうだんべとか、まあオーディオマニアですからそういうことを考えてみたり、たまさか湯島天神の石段の下で口に出して言ってみたりしてね。

そうしたらそれを聞いた天神様がだね。フトコロ寂しいオーディオマニアを哀れに思し召して、勿体なくもあらかじめメールでご託宣あらせられたうえで、はるばる太宰府より宅急便でお届けくだすったのがこのフォステクスの「髻」だったのである。

なんちて(実際には宅急便はヨコハマのほうから来た)。

いやあしかしビックリだわ。上だけじゃなくて下までスーパーツイーターで変わるんだもんな。そういうことがあるんだってハナシは以前よりよく聞いてたけどアコースティックエナジーの上にパイオニア乗っけたときにはそんな「ケ」もなかったしさ。だから音を出した瞬間飛び上がりそうになった。いやもしかしたら飛び上がってたかもしれない。

こりゃあいけません。これはずんずん探求してみない手はないよ。さっそく天神様に、早速に秋葉ヶ原などへ出向き同じブツを自分で買い求めますゆえ、それまでの短い間、どうかわたくしメにお貸し与え下さいませ。買い求めたアカツキには素早くお返し致し申さむ(二礼二拍一礼)。なんどと唱えておりますと天神様曰く、いやいやその儀に及ばぬ。そのほう神妙なる態度ゆえブツはそのほうに下げ渡すぞよ。しかし、そのほうもタダで下げ渡されるのも心苦しかろう故、些少の喜捨を致せ。存分に楽しめよ。

ありがたや、ありがたや(二礼二拍一礼)。

つうようなわけで期せずして我が物になったT90Aは、あり合わせのバナナプラグでコンデンサーに繋がれて写真のようなことになっているわけであった(T90Aが『髻』ならコンデンサーは『元結い』か)。

で、数日来この状態でいろいろと聴き続けてるんだけど、そうするといろいろとわかってくることもある。

0.47μFのコンデンサーを直列にひとつ付けてるということは相当高い周波数(もちろん可聴帯域より上)で-6dB/octのハイパスフィルターとして働いてるということなんでしょうが、その超高域からマイナス6デシベルの緩いスロープで減衰していくとT90Aの高能率も手伝って可聴帯域の音もかなりのレベルで出てることが耳を近づけるとわかる。

最初ウハウハ喜んでただけだったのが、このへんをもう少しコントロールしてみたらまた相当に印象が変わるんでないかと思うようになった。ようするにコンデンサーの容量を増やしたり減らしたりするとか、あるいはそれと並行して抵抗をカマせて能率を抑えるとか、いっそコイルも足して-12dB/octのフィルターにしてしまうとか。

いや、いまのままでもランサー単独よりもいい感じに鳴ってると思うんだけど、もっといい感じのポイントにちょっとやれば辿り着けるんじゃないかという気がどうしてもするわけだ。だからそのへんをチョロチョロと探ってみるのは悪くないんじゃあるまいか。

もしかすると泥沼化の様相。

でもね、きっとそれは楽しいドロヌマなのよ。








Commented by 宗助 at 2018-06-15 18:39 x
木工細工の組子風フロントグリルは、オリンパスからSP LE8Tに至る憧れのJBLスピーカーのシンボルの一つでしたし、ランサー101にしてもその魅力は小振りなサイズに加えてフロントグリルと大理石の天板という誠に美しいデザインがあってこそ、という所が有りますね。外した方が音が良くてもなかなか踏み切れないですねw

些細な事ですが、スーパーツイターの位置は前後に動かしてチェックなさいましたか? フロントグリルの厚さと175のホーンの長さ(8Ωタイプは短くなっているようですが)を考えたら、ドライバーとツイターの振動板の位置を揃えるためには、T90をもう少し後ろに移動させた方が良いような気がするのですが、如何でしょうか。

Commented by god-zi-lla at 2018-06-15 22:50
宗助さん こんにちは。

出来心でフロントグリルを外して、ちょっと悩ましいことになっています。やっぱりなー、って感じで。

しかし音の透過率云々より、このグリル自体の振動というか「鳴き」のほうが問題かもしれないという感じもします。

T90Aの位置については、大理石の天板に方眼紙を貼り付けて調整してみたらどうかと、じつは準備中でした。

もうフロングリルは外すわ、大理石の上に方眼紙のせるわで、せっかくのランサーが台無しだよなあと、自分でもトホホな展開に戸惑う毎日です(笑)

でもそれがけっこう楽しくて。



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by god-zi-lla | 2018-06-12 12:04 | オーディオもねぇ… | Comments(2)