神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

超弩級

超弩級_d0027243_15345826.jpgオーディオ雑誌の、とくにデカいパワーアンプなんかの記事で超弩級なんつう形容詞が使われますが、なかに弩級なんて表現するセンセもいたりしますな。

」っていう漢字がおどろおどろしさ満載なもんだから、ついこーなっちゃうんでしょうけどね。
超弩級を英語にすれば(てゆうか元々英語ね)SUPER DREADNOUGHT。弩はレッドノートのね。ドレミの歌じゃないけどさ。

で、ドレッドノートっていうのがこれですね→→→

イギリスの軍艦ですな。

よーするに20世紀初頭の建艦競争時代の幕を切って落とした(たぶん)メルクマール的軍艦で、こいつより強力な軍艦を作ると、そいつを超弩級と呼んだわけでしょうな。

それが転じてデカいとか強力とかの形容詞として使われるようになったと、まあそういうことなんだろうな。

でもさ、弩級っていうのは、なんかちょっとヘンなんじゃないの?

軍艦て同型の姉妹艦があるじゃないですか。大和と武蔵と信濃みたいに。
これをひっくるめて大和級っていうじゃないすか。だから、弩級っていうとドレッドノート一族みたいな意味合いだから、使ってる本人は「超弩級ってほどスゴかないが、それなりにデカくてスゴい」という感じで使ったんだと思うんだけど、言葉の成り立ちからしたら、なんかヘン。

まーどーでもいーっちゃー、これほどどーでもいー話題もないんだけどさ。
すまんね。

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話は変わりますけども。
いまちょうど季刊のオーディオ雑誌がまとめてバタバタ出る時期ですけど、超弩級なみに、あるいはそれ以上に使われる常套句

高級プリメイン・アンプを評して
「へたなセパレート・アンプをしのぐ」うんぬん。

あのさー、じゃあ教えてくんないかなー、そのプリメイン・アンプにしのがれちゃうへたなセパレート・アンプの実名をさ。お願いしますよ。その情報のほうがお買い物ガイドとしてずっと読者の利益になりますまいか。どうです、ご同輩。

たんなる形容詞、コトバのアヤってんだったら、それはちょっと違うんでないの? 少なくとも、そういうアンプが存在するという前提で成り立ってるコトバでしょ。もし、そういうアンプが存在しないんだったら、そんな形容は成り立たないんじゃないの、とまあ長年思っているのですよ。

結局なにも語ってないのよね、このテの常套句って。
だったらやめようよ。紙とインキと労力と、そんなもん読まされる読者の時間のムダだからさ。
Commented by smpinkd at 2006-03-16 18:39
超弩級ってそういうことだったのですね。勉強になりました。
(そしてオーディオ雑誌の稚拙な表現に笑いました)

ちなみに、米SEドラマ「新スタートレック」で、戦艦の大きさを表す表現として、
ギャラクシー級(笑)というのがあります。(他にエクセルシオ級など)
そして、この物語に出てくる「USS ヤマト」(笑)は、ギャラクシー級です!
(もちろん、日本人が館長です!)

「ギャラクシー級のパワーアンプ」なんて表現が、
そのうち出てくるといいな(笑)。
Commented by ふじのしん at 2006-03-16 23:40 x
こんばんは。「常套句」の部分、痛快に読ませて頂きました。

失礼な話かもしれませんが、音楽に結びついたオーディオという単なる工業製品ではないものを言葉で説明するというのは、決して簡単な事ではないので、逃げ道として常套句に走ってしまうのではないのかなと思ってしまいます。

とはいえオーディオ雑誌はついつい買ってしまうんですが・・・。
Commented by god-zi-lla at 2006-03-17 09:52
smpinkdさん。
ギャラクシー級よりデカいアンプは「超ギャ級」。あははは、チョーギャキュー。こっちのほうが絶対オーディオ雑誌読むのが楽しくなります。
今度から超弩級という文字が出てくるたびに読み替えてみようかな。そのたびに吹き出してしまいそうですけど。

ふじのしんさん。
そうなんですよね、「さいきんつまんねーよなー」と思いながらも買っちゃってる雑誌もあるんですよね。季刊てとこがミソかも。3カ月間隔って適当に飢餓感の出てくるインターバルなのかもしれません。

オーディオ雑誌の気になる常套句って、挙げればほかにいくらでもあるんですが、考えてみると昔、瀬川冬樹さんがあれだけ人気があったっていうのは、ひとつにそうした決まり文句を避けて自分自身の表現を目指してたというところに理由のひとつがあるかな、なんて思ったりもします。
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by god-zi-lla | 2006-03-16 16:26 | オーディオもねぇ… | Comments(3)