神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

あなたに不利な証拠として

あなたに不利な証拠として_d0027243_0293917.jpgローリー・リン・ドラモンドという新人作家のハヤカワ・ミステリの1冊が新聞の書評で絶賛されてて、あまりの絶賛ぶりに普段はそんなことしないおれが、すぐ書店に飛んでった。しかしこれがどこにもないんだな。

アマゾンで検索すると在庫あるようなんだけども、どうも本をネットで買うことに躊躇があるのね。目当ての本をパッと行ってパッと買うだけの人にとって、ネット書店てのはリアル書店に置き換え可能なものだろうけど、目当ての本がないことにまた意味を見いだしたりするおれのようなやつにとっては、ネット書店はじつにつまんねえ存在だな。

まあそれはともかく、結局八重洲ブックセンターでようやっと見つけましたがね。こーやって本屋何軒もハシゴするのも楽しみではあるんだよな。

これは悲しくてせつなくて残酷で重く苦しい短編小説集だな。傑作だと思う。ハヤカワ・ミステリ所収の1冊だけども謎解きがあるわけではなく、まあ警察小説というジャンルがあるんだったら警察小説。

おれはふだん本でも映画でも凄惨なシーンや流血その他を受け付けないし、だからホラー(小説も映画も)なんてもってのほかで、ミステリーやら犯罪小説やらだってふだんほとんど読まない。だけどこの短編集はアメリカの女性警察官の話で、とにかく犯罪現場のリアルな描写が続く。

壮絶な勤務と警察官の心の裡を描く作品だからまあそりゃ当たり前のことで、おれにとってはいつもならとても読んでらんない類の本なのに途中で放り出すことができない。そのくらい引きつけるものがある小説だった。

しかしそんなだから、ずっと続けて読んでると非常に疲れてくるし、昼休みどきラーメン食いながら読んだりするのは、けっこうツラいもんがある。てゆうかそんなことおれにはできない。

そこでこの同じアメリカの同じように女性作家の「停電の夜に」って短編集をチェイサーがわりにして代わりばんこに読むことにした。これも評判になった短編集で買ってあったんだけども、まあ、こっちはどうということもない軽い小説だな。

いやとにかくそうやってチェイサーにたよりながら読了。正直言って、読み終わってほっとする本なんてあんまりないぜ。

きのうあたり書店の店頭見ると、増刷出来ということか、ぼちぼち並びはじめましたな。
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by god-zi-lla | 2006-04-01 08:49 | 本はココロのゴハンかも | Comments(0)