神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

あ、鍵盤かよ(Count Basie / BASIE MEETS BOND)

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中古レコードを買ってくるとか宅配便やなんかで届くとかすると、見た目きれいか汚れてるかにかかわらず聴く前にとにかくレコードを入念にレイカで拭いて、それからようやっとターンテーブルのうえに乗っけて聴き始めるって手順でここ何年もやってたんだけどね。

やめました。

きれいだろうが汚かろうが、とにかくまず聴くことにした。
SK-EXに入れてからターンテーブルに乗せてホコリが目立つようだったらササッとSK-2で払って、それでおしまい。たいがいの場合SK-2は使わないでいきなり針落とす。
リードイングルーヴでバチバチバチバチっときてもかまわず聴く。

まあ心境の変化としかいいようがないんだけどね。
レコードってば拭くもんじゃなくて聴くもんでしょって、いきなりそう思ったのでした。
拭く時間が減れば聴く時間は増えるしさ。

見た目だけじゃ結局のところ盤面の状態なんてわかりゃしないんだからうっかりそのまま聴いてレコードも針も傷めてしまったら元も子もないじゃんかと思ってたんだけど、考えてみりゃそんなことがそうそうあるわけないんだもん。で、もし運悪く傷んだら傷んだでそれはそれで仕方ないよなっつう心境になってんだな。

だからさいきんは少しの時間さえあれば買ったばかりのレコードどんどん聴けて、ちょっとだけシアワセになったような気がしてるんでした。

ちょっと潔癖症になってたかもしれない。ガラにもなく。
いかんいかん。

それはともかくとしてだな。このレコードってばもうタイトルどおりカウント・ベイシーが007の音楽をやってるわけです。「007危機一発」と「007は殺しの番号」と「007ゴールドフィンガー」と「007サンダーボール作戦」の音楽ね。「危機一髪」じゃなくて「一発」なとこがなんだかお下劣ですけども、このレコードとはなんの関係もありません。

御大はこんなアルバムも作ってたんだねえって知ったのはたしか3、4年前にどっかでこいつのCDを見つけたときでした。

なんていうんだろうねえこういうの。なんちゃらかんちゃらソングブックとかってなよくありますけどね。ジョン・バリーの曲が多いけど全部じゃないしさ。こういうシリーズ化された映画の音楽をカバーしたアルバムって、もしかするとわりかし珍しい企画なのかもしれないねえ。

しかしまーこのジャケットのおねえさん方のこれがまたあれですよ。ボンドガール風にしてんでしょうけどもこのなんといいますか、そこはかとなく漂うチープ感といいますかね。パチもん気分がむんむんでございましょ。ことにこの白いブーツとかロシア風機関砲とか。

それでさ。このおねえさんたちを囲むようにぐるっとなんかあるじゃないすか。

CD買ったときこのなんか知らないけど「クイズ・タイムショック」の時計みたいなのはなんだろーなーと思って眺めてたんですけどね。こうやってLPレコードのサイズで見てみますてえと、あーなるほどこれはピアノの鍵盤だったのね。
BASIE MEETS BOND

なるほど。この鍵盤が御大カウント・ベイシーを、うしろのちょっと安手なボンドガール風のおねえさんたちが007ジェームズ・ボンドを、それぞれ代理であらわしてるわけでございましたんでございますね。ははははは。

わかるわけねーだろ、そんなもん。

肝心の音楽のほうですけど、なんだかよそ行きなお行儀のいい演奏なんだよな。たしかに要所要所に御大のピアノがきこえてくるしベイシー楽団の演奏ではあるわけだけど、うーん、べつにベイシーがやらなくたってよかったんじゃないかってアレンジも演奏も思う、いわゆるひとつのイージーリスニング的オーケストラサウンドの一種っつかね。なんかそんな感じ。

ただね。再発CDよりもやっぱりこのLPのほうがずっといい音がするもんだからさ。聴きごたえはLPのほうが圧倒的にあるわけなんです。だからじつはLPをはじめて聴いたとき「おーこのアルバムもなかなか味わい深いとこもあるじゃんか」って見直したくらいなもんです。

ビッグバンドジャズの音はできるだけリッチな感じにアルバム化してほしいもんですね。リッチかつバリバリくるサウンドね。解像度はほどほどでね。よろしくお願いします。って、だれに頼んでんだ。

あ、そうそう。
このアルバムのアレンジ。クインシー・ジョーンズがやったら多分めっちゃかっこいいアルバムになったんじゃないかって一瞬、じゃなくて何度も思ったのでした。
Commented by ニブ at 2009-05-30 14:32 x
こんにちは

人から聞いた話ですが、ある手作りカートリッジ職人さん曰く「高価なカートリッジ買う前に、ちゃんとレコードを磨いてやれば数段良い音がする」と。
こっちは「ちゃんと磨く方法」を知りたいんですけでも。なかなかそれは教えてもらえないみたいです。
レコード聞くより、磨いてる方が好きという人もたまにいますよ(笑)

余談ですが、ベンチャーズのLPでジャケットの中心にキレイなお姉さんがいて、後ろにギターやらをもった男たちが床に寝転がってるってのがあるんですが、楽器持った男たちはメンバーじゃない別人なんです。
実は演奏してるのもスタジオ・ミュージシャンで本人たちじゃないんだそうで(笑)プロは譜面読めてワンテイクでOKで演奏もメンバーより上手いし結局安く録音できるからみたいです。

ピアノ本当に御大でしょうか?(笑)
Commented by god-zi-lla at 2009-05-31 06:42
レコード拭いたほうが音がいいのはわかってるんですが、それよりもまず買ったレコードを一刻も早く聴きたいという気持ちのほうを大事にしようと思うんですよね。

一度聴いてみて必要があれば、それから念入りに拭いています。

> ピアノ本当に御大でしょうか?(笑)

いちおうメンバー全員の名前がクレジットされてますから間違いないと思うんですが、「これはベイシー楽団じゃない」といわれれば、そうかもしれないと思うような演奏ではありますね。

まあ、それはそれで「珍盤」ですから、かえって面白いですね。
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by god-zi-lla | 2009-05-29 10:14 | 常用レコード絵日記 | Comments(2)