神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

カテゴリ:物見遊山十把一絡げ( 347 )


おー、これが例のナニのアレか(JR EAST Takanawa Gateway Station)_d0027243_23033937.jpg





うちの奥さんもここんとこテレワークである。会社定年で辞めてからはウチで仕事してることがけっこうあるから、そう違和感ないっちゃあないんだが、きょうは初めて一躍話題のZoomってのを使って仕事をしてましたね。こちとらその間、居間で息を殺してじっとしてようかと思ったが、そんなことしてるより今のうちにとスーパーへ買い物に出かけたんでした。

いやそれにしてもさ。とにかくテレワークテレワークと世間がうるさくなってからこっち、平日夕方のスーパーがやたら混雑するようになっちゃってね。

つい先日までのスーパーマーケットといえば、平日はたいていどこも奥さんひとりか子どもがそれにくっついて買い物に来るくらいなもんで、それが土日祝日になるとそこにダンナが加わる。そうすると平日夕方の倍の人で店内はけっこうな混雑になっちまう。

その混雑というと、なかでも50代以上のトシ食ったダンナはたいてい通路のまん中らへんを奥さんと喋るでもなく自分が周囲のジャマになってんのにも気づかず、ちょっとエラそうにだらんだらん歩いてるのが多い。せめて奥さまのカートでも押すくらいはやってやれと思うんだが、きっと会社でもあんな感じで周囲の若者にエラソーにしてんだろうなあこのオッサン。

いっぽう若いダンナはというと自分でカート押してたりすんのはいいんだが、こんだは陳列棚のとこにアタマ突っ込んであーでもないこーでもないと奥さん相手にゴタク並べてんのが結構いる。ほらコレ使ってさ、アレ作るとけっこう美味しいんじゃね? とかさ。いやースキヤキだったらこっちの和牛にしようよ。ねえ和牛。おいしいよ和牛。え? 高すぎるって。いいじゃんいいじゃん、たまにはさー。とかさ。

いいんだよ全然。たまの休日なら。この混雑も一家団欒のうちかもしれんし。

それがここしばらくはテレワークのおかげで平日なのにダンナがついてくる。じつに困ったもんである。混雑が毎日になっちゃった。都心なんて自粛自粛で人いないのに、ちょっと外れた住宅街のスーパーが押すな押すなになってるって、なんちゅうか、そこはかとない不条理を感じたりするんである。ねえねえ、テレワークってなんのためにやってんのさ。

この際、一家団欒・夫婦和合はウチの中だけに限定してほしいもんである。スーパーにはおのおのの家庭で代表者ひとりを派遣してもらいたい。ひとりでじゅうぶん。そういうのを「不要不急の外出」ってんじゃあるまいか。

慣れないテレワークで疲れてんのはわからんでもないよ。でもね。息抜きしたいんだったらダンナ。あんたひとりで買い物しなさいって。きょうはおれが買い物に行ってくるよと言えば、たいていの奥さんは、あーらウレシイわって言うと思うよ(なんか古臭いか)。

たまには夕飯どうしようかって悩んで悩んで途方に暮れるってのも悪くない経験ですぜ。脳が活性化しますね。ふだんほとんど使ってないでしょ、脳。もし自分で晩メシこさえられないんだったら奥さんにメモでも書いてもらえば大丈夫。あなたでもきっとお買い物できますから。初めてのお使い。どーっすか。

つうわけでおれは最近夕方の混雑を避けて、手押し車のおばあさんたちに混じって昼間のうちに買い物してるのであった。

で初Zoomを無事終了した奥さんと夕方散歩に出たんである。もう桜は終わった。どこ行こう。足はなんとなく泉岳寺に向いている。魚籃坂を上り伊皿子坂を下っていくとすぐそこが浅野長矩、瑤泉院、義士たちの眠る泉岳寺なんである。

泉岳寺のほうへ曲がろうと、ふと目を上げると第一京浜の泉岳寺の丁字路がいつのまにか十字路になっており、新しくできたらしい道路の向こう側に視界がバーンと開けて青い空が広がっている。なんじゃこりゃ。

これって新しくできた高輪なんちゃら駅じゃないの? 奥さんが言う。そういや先月開業したっていってたな。なんだか遠い昔のような気が一瞬したが、アレの蔓延ですっかり忘却の彼方に押しやられてたんだ。じゃあってんで、せっかくだから見物に行こう。どうもあんまり人がいる感じでもないし。

つうようなわけで赤穂義士の皆さんには悪いけどそのまま直進して行ったのである。

そして建設現場のなかに突然そびえ立つ立派な「仮設駅舎」みたいのが冒頭の写真なのであった。なるほどこれが話題の明朝体の駅名か。たしかに近づかないと読めない。そういえば大昔、中学の体育祭の「入場門」(ゲートだ❗)の看板文字を中坊のおれがイキがって明朝にしようとしたら美術のヤマグチ先生に、こういうところに明朝体を使うと遠くから読みにくいからゴチック体を使いなさいと教えられたのを思い出した。よっくわかりましたヤマグチ先生。先生の教えを半世紀を経て実感したのであった。




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エスカレーターを上がると改札口のフロアに出る。改札のところから構内を見てみたが別段特産品を売ってるようでもない。品川のような「エキナカ」はない。そりゃそうだよな。でもゲートウェイ饅頭とかゲートウェイ大福とか、そのくらいはあってもいいのではあるまいか。あったら買ったのにさ。

改札の左のほうに行くと記念スタンプを押す場所があったが誰もいない。スタンプ台の横にアルコール消毒液があったので消毒だけしようかとも思ったが、それも申し訳ないような気がしたのでヤメた。すると「3階デッキ」に上がるエレベーターというのがあった。




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おー、これはなかなかの眺めではないか。この3階デッキから決死の覚悟で飛び降りれば無賃乗車出来そうであるが、そんなことをするヤツがよもやいるとは思えない。それにしても最初から「耐震補強」したような鉄骨だな。

それにしてもホームも構内もガラガラじゃんよ。そもそも利用者がそんなにいないのかアレによる自粛のせいなのか、ぜんぜんわからん平日の夕方5時ちょい前である。ひょっとすると電車の乗降客よりも、おれらのような物見高い見物人のほうが多いんじゃあるまいか。写ってる電車は山手線の外回り・品川方面行きのお尻なり。

でもホントついてないよね。こんな時期に開業だなんて。




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駅舎の外側のペデストリアンデッキのようなとこから東京駅方向を見たとこ。正面の高層ビル群はとなりの田町駅周辺に比較的最近できた。

その手前のごちゃごちゃした工事現場の仮囲いには〈UR〉のロゴがあったからここに「タワマン団地」でも作るんだろうか。でも結構な広さだぜ。そんなにたくさん建ててどーすんのかね。人口はどんどん減ってんだし。でも「タワマン団地」って、ちょっとスゴくない? 台風で水浸しになった武蔵小杉のイメージか。そういえばここはもともと海だ。海抜表示は見なかったけど、せいぜい2メートルとかそんなもんじゃあるまいか。江戸時代は泉岳寺からすぐ海を見下ろせたんだと思いますね。

つうわけで高輪なんちゃら駅(知ってるくせに頑なに、なんちゃら駅で押し通す奥さん)。最寄り駅じゃないから次はいつ来るのかわからない。ショッピングモールでも出来ればいっぺんくらい覗いてみてもいいかもしれないけど、この様子じゃあ出来るとしたってずいぶんと先だろうな。





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by god-zi-lla | 2020-04-08 23:59 | 物見遊山十把一絡げ | Comments(0)
ご近所の桜 その2 葉桜になっちゃったけど、それを愛でながらせっせと歩く篇_d0027243_07493624.jpg


近所のなんとかタワーの児童公園。

いい天気になったので奥さんと歩く。べつに桜の名所に行かなくったって、歩いて行ける範囲にけっこう見事な桜の木はあるんです。そいういとこなのよ日本てのは。つことでご近所の桜を見て回りながら、引きこもりの老夫婦は運動不足を少し解消しようと出発したのであった。目標1万歩。


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古川っぺりの児童公園。

じつは白金公園って名前だったんだと今回初めて知った。この写真左手はすぐ古川です。上に首都高がおっかぶさってきわめて殺風景なぞっとしない風景なんだが、この桜はなかなか立派なので満開のころは散歩がてら桜見物に来てる人がけっこういる。



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その児童公園のハナカイドウ。

この前、お寺の境内に咲いてるのを見てネットで調べて初めて名前を知ったんだけど、ここは公園だからちゃんと名札が付いてました。あれから1週間たってるから、ここのはずいぶん花が開いてる。


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光林寺の三門前。

ここはなかなかの名刹なり。幕末アメリカ公使館の通訳ヒュースケンが薩摩藩士らに斬殺され、そのお墓がここにあるという話。でもそんなことより、じつにきれいなお寺で桜が見事なんだよ。


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三門から桜を見る。

この眺めだけでも歩いて来る値打ちあり。



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そして境内の立派な桜。

この日は職人が何人も入って庭の手入れをしてた。裏の麻布の山の斜面にけっこうな墓所があって外から見るとそこの桜も見事なんだが、ちょっとそこまで入っていく勇気はない。



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これも光林寺。

そういえば先般、樹木希林のお葬式をここでやったと報道されてた。生前このお寺が気に入って頼んであったんだってね。



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天現禅寺。

首都高の料金所の名前になってて古川(渋谷川)の橋の名前になってて、そっちのほうが有名だけどお寺はちゃんとある。しかし桜を求めて境内に入ったのはこれが初めてだった。

上空に飛行機が写ってますが、これが羽田への新たな進入路で昼間3分に1機くらいは飛んでる。この写真じゃわかんないけど頭上を飛ぶのを見上げると車輪を出してるのが視認できるくらの高度だからけっこうな騒音もある。

でもいまはどの飛行機もほとんど空っぽで飛んでるに違いないんだ。




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都立広尾病院。桜は明治通りの街路樹。

天現寺橋交差点の歩道橋の上で写真撮った。明治通りの広尾から恵比寿にかけての桜並木はかなり見応えがあって、満開のころはここをバスで通るだけでも楽しい。でも、ちょっと遅かったな。この桜は少しだけ遅咲きのようでなかなかでしたけど。

しかしさ。大病院のすぐ目と鼻の先の大きな交差点にかかる歩道橋にまったくエレベーターがないんだぜ。交差点自体に横断歩道がひとつもないんだから年寄りも身体の悪い人もみんな階段を上り下りしなきゃ渡れない。まったくひどいもんだ。



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広尾の町に入って祥雲寺。

ここはいくつも塔頭のある大きな禅寺なんだと今回初めて知りました。20年くらい前にここでお葬式があってお通夜に伺ったことがあるんだが、そのときは暗い夜道を案内看板だけ見ながらたどり着いたもんで門前に塔頭が並ぶような大きなお寺だとまるで気づいてなかった。


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広尾の商店街のお寿司屋さん。ほんと大変なことになった。

こんな時ですから、おれたちも歩いて、頑張って、生き延びよう。

(舗道に桜の花びらが)















by god-zi-lla | 2020-04-04 09:01 | 物見遊山十把一絡げ | Comments(3)

ご近所の桜【その1】 まだちょいと早かったぞなもし篇_d0027243_18275276.jpg



つうわけで今年は花見の名所へ行くのはヤメにして、近所まわりの桜を見物しに行くことにしたんであった。

おれんちの近所には桜並木なんてものはどこにもないんだけど、その代わりといっちゃあナンだがお寺がいっぱいあってその境内に1本だけ桜が植わってることが結構ある。たくさんは植わってないんだ。あっても大抵が1本。まあ町場のお寺でどこも境内が狭いってのもあると思うんですけどね。

なんでもこのへんのお寺ってのは江戸時代のいつごろだか、大火のあったとき江戸市中のあちこちに火除地を作るためお寺さんがまとめて疎開させられた、まあ言ってみればお寺の団地みたいなもんならしいな。安政のころの「江戸切絵図」を見ると、たいがいのお寺が遅くとも安政年間にはいま現在の場所にあったってことが確認できる。

まあそんなこたどーだっていい。上の写真はおれんちからちょっと坂を上った台地にあるそこそこの広さの児童公園なり。むこうのほうに小学校低学年くらいの男の子とおとうさんがベンチでお弁当広げてた。男の子はなんだかうれしそうでね。おとうさんはテレワーク中なんでしょうか。めったにないよね、おとうさんと二人して公園でおべんと。

ここの桜の見頃はしかし、来週かもね。


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ふくらみかけてるけど、半分くらいはまだ蕾だ。



ご近所の桜【その1】 まだちょいと早かったぞなもし篇_d0027243_22353234.jpg


戦前ここは宮様のお邸だったんだそうだ。立派な塀はその名残。そのころからの桜かどうかはわからない。



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上の公園から少し下ったところにある日蓮宗のお寺の咲きかけの枝垂れ桜。



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上の写真を撮ったすぐ横、石段の脇に咲いているこれはハナカイドウですか? ツボミもきれいだ。



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そのへんの道ばた。セイヨウタンポポと、ダビデの星みたいのはハナニラ?



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いつもこの形に剪定してある桜が2本。けっこうな古木じゃないかと思うんだけど、枝を張らさない剪定には何か深い意味があるのでしょうか。こういう人工的な感じに整えてある桜はほかで見ないね。




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このお寺は非公開で境内に入れないんだけど、外から覗ける桜はかなり立派に見える。

つうわけでウチの近所の桜はまだちょっと早い感じだな。満開の時期になるとこのあたりの児童公園なんかでも週末は桜の下で宴会やってたりすることもあるから、来週また平日にパトロールしてこよう。









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by god-zi-lla | 2020-03-27 23:51 | 物見遊山十把一絡げ | Comments(2)
花見にはまだちょいと早い東京だがしかし_d0027243_00125598.jpg



まあ、概ねこんな感じではあったからね。来週なかばくらいからが見頃ですか。

しかしいくら地ベタに座りこんで宴会やらないったって、歩くのも押し合いへし合いな上野恩賜公園や目黒川沿い、それから千鳥ヶ淵なんかはちょっとなあ。人通りのそれほどないひっそりとした桜並木とか、そういうとこを探してそれも平日にちょっと散歩するくらいが吉、ですかね今年は。

こないだに引き続き老夫婦は芝公園方向へ。もう少し咲いてるかと思ったら芝公園はまだほとんど咲いてない。あんまり聞いたことないけど「一分咲き」ってくらいですかね。とりあえずタワーの先っちょが写り込むワザとらしい写真を撮ってみましたけど、満開になりゃあきっとタワーは見えなくなります。

まあしかしアレだ。今日はほんとは歌舞伎の切符を買ってあったんだよ。それがこんなことで結局今月は初日も開かないまま中止ということになった。こういうときウチに籠もってると鬱々とした気分が積もってきて身体に悪い。だから桜もまだかもなあと思いながら、とりあえず外に出てみたりするわけだ。

そういえば今月はなにを見る予定だったんだっけなあ。もう忘れちゃったよ。昼の部には福助が出るから、それを見に行くつもりだったかなあ、なんて。

それでこのあと、閑散とした東京プリンスホテルへ入ってコーヒーを飲んでひと休み。それにしてもこの東プリのガラガラぶりはどうよ。なにしろロビーの宴席案内掲示板がすべて空白なんだぜ。こんなことってアリか。いつもの年なら短大の卒業謝恩会とかそういうのがズラズラズラっとあって、そこいらじゅうに振袖ハカマの小娘が充満してる季節じゃあるまいか。んー。

いや、ヤメとこう。おれがここでそんなこと書いて事態が好転するわけじゃなし。

それにしても今月は芝居やらコンサートやら全部中止で払い戻しになっちゃったし、このカネでウマイもんでも食いに行くかレコードでも爆買いするかなんて、考えている今日このごろである。

下の写真は赤羽橋の交差点のとこの桜。この木はけっこう咲いてましたね。五分咲きの手前くらい。この開花の早い遅いの違いは何で決まるんでしょう。日当たりだったら芝公園のほうが良さそうだしな。早い木は毎年早いし遅い木は毎年遅い。これもなにか「種」の生存のための知恵なのかしらん。

でその桜に止まって何か食ってる鳥がいる。これはヒヨドリですか?



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by god-zi-lla | 2020-03-20 23:59 | 物見遊山十把一絡げ | Comments(0)
お願いだから映画館だけは開けてて下さいまし_d0027243_23082292.jpg




つうわけで近く公開予定だった映画が封切りを延期したりするのが出てきて不安なとこもあるけど、そんな中でどうにかこうにか映画館自体は営業を続けてくれてるのがうれしいよ。

ホントありがとね、映画館関係者の皆さま。今後ともよろしくお願いします。

おれら年寄りはどうせ平日の昼間しか見ないんだから映画館そのものは大抵いつもガラガラである。となりの席に別のお客がいるっつうことはめったにない。だからそんなに気にするようなことはない気がするんだけど、ここんとこヤな感じの圧迫感がヨノナカを支配してるじゃんか。

で、なんとなく映画館に行くのが間遠になる。見たいなと思ってた映画がいつのまにか終わってたりする。如何ともしがたいけど、ちょっとモッタイナイ今日このごろではある。

それでもなんとか少ないなりに今年はきのうまでに、上のポスターの如き7本の映画を見た。

ところでさ。こんだはあの映画を見てやろうって予告編を見て決めることがおれのばやいは多い。つか、それがほとんどじゃないかと思うくらいなもんである。ネットなんかで探さないこともないが、振り返って考えればほとんど予告編で物色してる。予告編が面白そうだと、その映画のことは深く記憶に刻まれますね。

逆にいうと、しばらく映画館から遠ざかっちゃうと見たい映画の「ストック」がなくなって、そうするとますます映画館から遠ざかってしまうようなことにもなる。だから、ここんとこの状況はなんちゅうか、あんまり楽しくないわけだ。見たい映画のストックが尽きかけている。

そんなことをつらつら綴りながら上のポスターを見てハタと気づいたんだが、この7本のなかに予告編が面白そうだから見た映画がひとつもないんである。いやこれは困った。

上の段、左から二番目の〈テリー・ギリアムのドン・キホーテ〉、その真下の〈リチャード・ジュエル〉、その右の〈パラサイト 半地下の家族〉の三本は予告編とは関係なしにこれは見なきゃと思って見に行ったんだけど、上の段の左端の〈1917 命をかけた伝令〉は「ワンカットで撮った映画」という前評判がまず高かった。そして予告編を見ると塹壕から飛び出して突撃する兵士と交錯するように、弾幕のなかを走り続ける丸腰の兵士(主人公)を正面から映し続けるところがある(つまり主人公は背走するカメラを追って走ってる)。あーここのことなのかってね。

たしかにワンカットのように見えないこともない長回しのようだけど、それがどうした?。だけどオスカー候補だっていうしな。でもどこが? って感じの予告編。ちょっと引いちゃうね。

そう思って見るのをためらっていたところ、日比谷の店でたまに顔を合わせる映画のプロに「1917は見たほうがいいですよ」と勧められた。あーこの人がそう言うってことは、きっと予告編の印象と本編は違うんだろうな。じゃあ見よう。

すると案の定、長回しだのワンカットだので視覚効果を挙げてはいるけど、それだけじゃとてもすまない第一次世界大戦を描いた映画なのであった。いやー先入観でスルーしないでよかった。

それから見たばかりの〈ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密〉は上の段左から三つ目です。これはさあ、なーんかチャラい雰囲気の予告編でさ。おれダニエル・クレイグわりかし好きなんだけど、これはヤメとくかなあって。

それがおとつい映画見に行こうと思い立ったとき、見たい映画の上映時間が合わない。だけどこれで映画見に行くのを諦めたら当節ぜってーストレス溜まりまくりだよなあと、なんとか上映時間に間に合いそうなのを探したら〈ナイブズ・アウト〉なのだった。

そしたら、これが意外と悪くないのね。まあアレだ。現代のアメリカで事件の捜査にくっついてきてチョッカイ出すようなキャラの濃い私立探偵(ダニエル・クレイグね)が出てきてさ。しまいには関係者全員のいるところで名探偵が滔々とナゾ解きをしてみせるっつう映画ですから、そりゃあもうぜってーありえねーレベルで大仰な絵空事ではあるんだ。だけどね、面白い。絵空事としてしっかり作り込まれた出来のいい映画なのだった。

でもね、予告編から想像してたのは軽薄なアチャラカ探偵コメディーだったからね。そんなもん見たかねえって。

上段右端の〈ジョジョ・ラビット〉はヒトラーユーゲントの少年の妄想に出てくるヒトラーってとこでもう引いてたね。予告編もそこんとこがメインだし。しかしその「ヒトラー」ってのは少年のアタマのなかを象徴してるだけのもので、じつは少年の母(スカーレット・ヨハンソン)がナチスに対するレジスタンス運動をしており、途中それが露見して町の広場で公開処刑されてしまうような映画なんであった。

これは予告編から受けるイメージと、なにかで読んだ監督インタビューの中身が食い違ってる感じがしたもんだから、ひょっとしてと思って見てみたら、ひょっとしたのであった。

〈再会の夏〉もそうね。予告編いきなり犬が出てきてさ。人の良さそうな老司法将校が出てきてさ。もしかして第一次世界大戦直後のフランスの「ちょっといい話」?。これ映画館がシネスイッチ銀座だったんだけど、あそこは問題作もかかる一方たまに小ぎれいなだけの映画もかかるからさ。あーこりゃ「名犬物語」かとタカをくくってたら全然違ってた。たしかに犬がカギだけどカギの握り方が想像の外の、どっかで〈1917〉と繋がっても来そうな第一次世界大戦映画なのだった。

これは予告編の「犬」でいったん引きかけたんだけど、老将校を演じてるのが〈最強の二人〉の車椅子の富豪をやったフランソワ・クリュゼだと知って随分印象が違うもんだと、それで見ることにしたんだよな。

まあアレだよな。そりゃあ最近はネタバレ、ネタバレってうるさいしさ(最近ちょっと言い過ぎだと思うね)。あんまり予告編で中身さらすのを控えてるとこもあんのかもしれないけどさ。だけどそれはそれとして、本編とあんまりにもかけ離れたイメージ発信しないで欲しいぜっつう予告編はあるよな。

さっき書いたのはたまたま予告編の印象は良くなかったけど本編見てみたらそんなことなかった、ある意味おれとしたら「幸運」な映画だったわけですけども。つうことは予告編見て、これはヤメとこって思ったなかに何本も「見とけばよかった映画」があったに違いないと思うと、なんか意味もなく口惜しい気がしてきたりしてさ。

あんまり予告編に引っぱられずに、見る時間のあるときに見られる映画を、あんまり選ばず見るほうが本当はシアワセだったりしてね。

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〈パラサイト 半地下の家族〉の横に生えてるのはミセス・ロビンソンの足です。
ポスター七本でなんかバランス悪かったから生やしてみました。

本編とはなーんの関係もありません。







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by god-zi-lla | 2020-03-18 11:07 | 物見遊山十把一絡げ | Comments(4)
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その寝台特急〈日本海〉は、いっとき津軽半島を突き抜けて青函トンネルをくぐり抜け、函館本線を札幌まで行ってんだってね。しかし大阪から札幌つうと1500キロくらいあるんですかね。その区間にJR西日本は〈トワイライトエクスプレス〉を走らせたわけだ。同じように青函トンネルを抜ける寝台特急〈カシオペア〉には一度だけ乗ったんだけどね。こいつは上野・札幌間だから、それよりさらに長距離だもんな。

考えてみれば東京発西鹿児島行きのブルートレイン、あれは〈さくら〉だったっけ、いや〈あさかぜ〉?、あれ〈富士〉かな。まあとにかく、日本最長距離を走った寝台特急にいっぺん乗っとけばよかったなんて、今になって思ったりする。惜しいことしたなあ。

つうようなわけで再び梅小路なのだった。

JR梅小路京都西駅の改札口出た真っ正面にある京都鉄道博物館のエントランスは超イマドキの建物で、ケムリで煤けた機関庫のイメージしかなかったおれはけっこう焦った(ちょっとくらい下調べしてけって)。それはどっちかっつうと自治体が多額の税金投入してこさえたハコモノみたいな感じで、じつをいうと改札を出たときの高ぶった気分が少しし萎んでしまったんである。

んーやっぱ。「くろがねの館」つう重厚感が欲しいぞ。

しかしなんとか気を取り直しそのハコモノに入って切符を買う。駅員さんのいる出札口を模したわけでもなければ駅の自動券売機でもない、イマドキの大きな美術館・博物館じゃ当たり前の券売機なり。まあいいんだけどさ。

で、館内に入った上の写真だ。扇型機関庫はどこにもなくて、ひろびろとして明るい展示室(ここをプロムナードというらしい)にC62と「湘南電車」と初代新幹線0系が並んでる。

でもなんだか、再びじわじわと気分が盛り上がってきたぞ。あー懐かしや、緑とオレンジ色の湘南電車に丸っ鼻の新幹線。そしてC62。いいじゃんいいじゃん、やっぱ鉄道博物館じゃん。

でも考えてみりゃあそうだよな。扇型の機関庫はそもそも蒸気機関車の車庫だわけでさ。だから扇型になってて、そのカナメに転車台がある。もちろん架線は張ってない。辛うじてディーゼル機関車なら使えないこともないのでしょうが、でもやっぱ蒸気機関車専用だわなあ。そこには新幹線も湘南電車も入れられません。だけどここはいまや「蒸気機関車館」じゃなくて「鉄道博物館」なんだから、やっぱ巨大な展示館が別途必要に決まってる。すまんね、勝手な思い込みで盛り上がったり盛り下がったり。


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でその「湘南電車」。いやしかしこの前面3枚ガラス窓の湘南電車は見たことないなあ。説明板読むと「湘南型」クハ86系のこれが1号機なんだってね。おれがよく覚えてる86系の先頭車両といえば、ちょびっとだけ流線型の2枚ガラス窓のやつだ。この3枚ガラスはしかし、ぐっと古めかしく見えますね。

この湘南電車やC62のところを抜けるといよいよ怒濤の実車展示なのだった。いやーあるある。中央線快速の懐かしいオレンジ色の103系(ここのはJR西だから大阪環状線の車体だったけど)とか、懐かしい流線型の電気機関車EF58だとかブルートレインの食堂車だとか。




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博物館の「本館」に入ると、さらに山ほどの機関車電車列車貨車だ。おーこれは新幹線の500系じゃありませんか。先般惜しくも引退を余儀なくされた新幹線史上もっともかっちょいい車体。なんだか試作機かコンセプトモデルをそのまま走らせちゃったような。駅でこれに遭遇したときだけは急いで写真撮ったりしてたもんだ。

でもちょっと早すぎたよなあ。世間には500系の室内が狭いと苦情をいう「心ない」乗客が多かったと聞くが、いちいちそんなクレーマーに耳傾けんなって声を大にして言いたいね。狭いったってあんたオールブラックスやスプリングボクスの2メートル120キログラムのロックじゃあるまいし。せっかくかっちょいい新幹線に乗せてもらえるんだから大人しくしてなさいって、たかが2時間や3時間。なあ。

でも、マジかっちょいいぜ。



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ほいでもって、こういう文化財級の展示機もある。1800型というんだそうだけど明治14年イギリスKITSON & CO.製。しかしよく残ってるよなあ。つか、たぶんシンプルでローテクだからちゃんと整備してさえいれば最新エレクトロニクス満載の電車よりか長く使えるってことなんだろうな。無理やりこじつけて言えば古い真空管アンプみたいなもんかもしれない。

しかしこの1800型の展示なんですけど、手前の腕木信号機がジャマになって、どうやっても全体をスパっと写真に撮れない。こういうのってヘンにストレスだったりなんかする。

全景を撮れない代わりに1800型の銘板↓

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じつはこれら屋内展示にすっかり夢中になってるうちに、扇型機関庫のことがいっときアタマから飛んぢまってたんである。もうハイになってあっちウロウロこっちチョロチョロ、いっしょに付き合ってくれた奥さん完全に呆れ顔だ。おっとこれじゃあ肝心の外の蒸気機関車を見る時間がなくなってしまう。

とにかく、ちょっと先を急がにゃなりません。しかし昼もかなり過ぎてハラも減ってきた。見れば2階には食堂があるというじゃんか。そこでとりあえずなんか食おう。

上がってみるとさすがに実車の展示は1階だけなんだな。そりゃそうだ、あんな重たいもの支える建物なんて建てるだけでも大変でしょうし、だいち、どうやって2階に上げるんだ。

でその2階に食堂(つかカフェテリア)があるんだけど、これが結構広い。しかも眼前には線路また線路。つまり見下ろす足元には梅小路の貨物駅と機関区が広がっており、その向こうには東海道本線と新幹線が走っている。

いやこれは絶景じゃないか。かつて新幹線の車窓からはるかに扇型機関区を見て、あそこへ行ってみたいなあと思ってた、あれを反対側からみた風景がこれか(写真を撮りそこなったのが残念)。

この眼前の大パノラマを見てるうちに、むかし子どもと一緒に線路にかかる陸橋の上から、下を行き来する電車を飽かず眺めた日々のことを思い出しましたね。

しかもここは通勤電車が走り、中距離電車が走り、特急が走り、時間帯によっては動態保存されているC11が引っぱる観光列車を見ることができ、一番遠くの線路には新幹線も走る。そのうえ足元は貨物駅で鉄道博物館だもん。

でその大パノラマを望む大きなガラス窓に沿ってカウンター席がある。平日昼間の、しかも食事の時間帯は過ぎているのにこの席だけは親子連れで埋まってる。だよなー。25年前にここがあって、自分ちの子ども連れてきてたら半日だって動かないと思うもん。なかには伝説の〈ドクターイエロー〉が通るのをここでえんえんと待ち続ける少年なんてのもいるかもしれない。

しかしそんなことに感激してもいられないんだ。帰りの新幹線の時間がこうしてる間にも迫ってくる。ドクターイエローのハヤシライスなんてのを食べてみたい気がしないでもなかったが、ちょっと恥ずかしいので、おいなりさん付きの「鉄道うどんセット(新幹線かまぼこ付き)」にする。1100円。うどんのくせにけっこう高い気がするけど、この絶景込みってことでヨシとするか。

順番が来てカウンターへ取りに行く。薬味のネギは青い。肉うどんの肉は牛肉だ。やっぱ関西のうどんだよなあ、なんて感心してると


食堂の肉うどんに浮かぶのは_d0027243_19370996.jpg


おー、なんと「新幹線かまぼこ」は〈ドクターイエロー〉じゃありませんか。うれしいなあ。



(ひとまず終わり)


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by god-zi-lla | 2019-12-31 11:33 | 物見遊山十把一絡げ | Comments(0)
むかしのものが並んでるから、むかしのことを思い出すのも必然である梅小路_d0027243_11434583.jpg


まあ博物館てのは基本むかしのモノやらコトやらを並べてあるわけですから、ちょいムカシくらいの展示に接したとき、懐かしいねえなんていういかにも年寄りっぽい感慨と一緒になって自分の来し方が思い出されたりすることもないとはいえないわけだ。

屋根のついてるだけで寒風ふきすさぶ〈トワイライトプラザ〉ってエリアがあってね。寝台列車やそれを牽引した電気機関車なんかが並んでる。そこに〈オロネ24〉つう型番の寝台特急ブルートレイン〈日本海〉のA寝台の客車があった。その窓上にある「青森」という行き先表示に、むかしのことがムワっとよみがえる。

おれ80年代初めの若いころ仕事で足掛け3年、青森県と東京を平均月2回往復しててさ。その往復のほとんどが東北本線を何本も行き来していた寝台特急列車だった。出張とはいえ20代なかばで身軽な独身だったから多分青森県にいた時間のほうが長かったと思うんだけど、ちょうど向こうで仕事してたときに祖母がもう長くないという連絡があった。

仕事が一段落したので弘前で休みを取り、ふだんは東北本線を〈ゆうづる〉だの〈はくつる〉だのっていう寝台特急で行ったり来たりしてるのを、祖母は神戸の人だから弘前駅から上りの寝台特急〈日本海〉に乗って大阪に向かうことにした。だからおれの乗った列車には「青森」でなく「大阪」と表示されてたわけだ(乗ったのはもちろんB寝台だけど)。

寝台特急〈日本海〉上りの起点・青森駅から弘前駅の距離はせいぜい40キロあるかないかだから、大阪までほぼ全線乗ったわけだ。なにしろ奥羽本線から羽越本線、信越本線、北陸本線とひた走りに走り、そこから湖西線に折れて京都から東海道本線で大阪駅っつうトンでもなく乗りでのある寝台特急でね。たしか14時間とか15時間とか乗ってたんじゃあるまいか。

弘前から夜7時くらいに乗車したおれはすぐに駅弁を使いワンカップを1本飲み干した。当時は寝台車に乗り慣れてたから、とにかく酒でもちょっと飲んで横になるとあっという間に眠ることが出来ちゃったのよ。

だけど普段はもっと遅い時間帯の列車に乗って東京と青森を往復してたわけだ。夜11時以降に上野を出る列車とかさ。それを7時頃の列車(ひょっとしてもっと早い時刻に弘前を発車したのかもしれない)に乗り酒を180ミリリットル飲んでパタッと寝たのはいいんだけど、しっかり熟睡して気持ち良く目が覚めてカーテンのすき間から外を見ると空は「黎明」とか「払暁」なんてコトバがぴったりなのだった。列車はどうやら海っぺりを走ってて、たしかまだ富山の手前だった気がする。

いやーそこから大阪までの長いこと長いこと。とにかく持ってた本も読み終わってしまい、弁当でも買って時間潰そうにも夜明け前だから駅に停車したって時間調整してるだけでドアも開かない。まったく寝台列車に乗り慣れるってのも、なんだか良し悪しだよなあ。

それでようやっと終点大阪に到着して国電に乗り換え、神戸駅から歩いて祖母の入院していた病院に向かったわけだ。

祖母は各種チューブを繋がれてベッドに寝てたけど、おれが仕事カバン担いで背広にネクタイで枕元に現れると、アンタ仕事はどないしたんや。こんなとこにおらんと早よ帰って仕事しなはれと、もう長くないって話だったのになんだか知らないけどはるばる1000キロメートル以上15時間も列車に揺られて見舞いに来た孫に対して、横になったままでそんな小言をいうんだ。

まあでも、うれしかったけどね。これならまだ大丈夫だって。

その夜は市内の伯父のところに泊めてもらい、そんなことをさっき言われたと伯父に話すと、あの人は昔からそういう人やからなあ。キツい人や。わしら若いころからどれだけあの人に尻叩かれたか。まあしかし、アレやから小さい子供5人残して親父が死んでも頑張って来れたんやろな、って。



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この電気機関車はほぼ同じ路線を通って青函トンネルをくぐって札幌まで往復してた〈トワイライトエクスプレス〉の色に塗られてるけど、おれが乗った〈日本海〉もたぶんこの交直両用電気機関車〈EF81〉が牽引してたはずだ。

今回はちょいと枝線だったな。



(まだやるぜ)

by god-zi-lla | 2019-12-29 08:16 | 物見遊山十把一絡げ | Comments(0)
裏新宿が今年のライヴ納めか_d0027243_11355262.jpg



おとついの12月23日、山下洋輔トリオの結成50周年コンサートへ行ってきた。新宿文化センターというと大久保つうか裏新宿つうか歌舞伎町の隣り町つうか、しかし行ってみて気づいたんだけど、ひょっとしておれここ初めて入るかな。

日比谷野音の40周年のときは菊地成孔がゲストで出て、あー国仲勝男もいたかな。それに相倉久人が司会だったけど相倉さんは惜しくも先年亡くなってしまった。

もちろん歴代のメンバー中村誠一、坂田明、林栄一、森山威男、小山彰太が勢揃いしたのは40周年のときに同じ。

そしてゲストにタモリ、麿赤児、三上寛。

麿赤児の舞踏は初めてナマで見たが、ここでその感想を書いたりしてるとそれで終わりそうだから全部割愛。タモリも同。三上寛も同じく。

休憩を挟んで第2部、ステージにはグランドピアノが2台で、ドラムスもなにもなくてそれだけ。何が始まるのかと思ったら司会の中原仁が「シークレットのサプライズ・ゲストが登場します」だなんて回りくどいことを言いながら紹介して登場したのは坂本龍一なのだった。

そして坂本のピアノはプリペアドピアノで、山下のプレイに寄り添うように火箸でじゃらじゃらとかマレットでボンボンとか「内部奏法」を始める。プリペアドピアノとか内部奏法とかって高橋アキのリサイタルでしか聴いたことなかったのに、こんな裏新宿で聴けるだなんて。

まあしかし、そういうのもそれはそれとして、おれは今回もやっぱり森山威男のドラムに痺れてしまっちゃったのだよ。なんちゅうかもう「鬼神の如きドラム」といっても大げさじゃない気がする。

コンサートの最後に小山彰太とツインドラムスで叩いたけど、小山彰太がヘタとかそういうことじゃ全然なくて、小山彰太はニンゲンのドラマーで、森山威男はそうじゃない何か畏れ多いようなナニモノかがドラムセットの前に座ってるという感じでね。

んー、そんなこと思うのはおれだけかもしれないんだが、とにかくおれの耳と目は森山威男から離れられない。

つうわけで2019年とりあえず切符を買ってあったライヴパフォーマンスはこれにて打ち止めとは相成った。もうちょっといろいろ見物したかったが(カネもヒマも)なかなか思うようにはいかないもんだぜ。

そのうえこんなトシになって落語だの浪曲だのなんだのと、見物したい種目(ってのもヘンだけど)が増えてきてさ。

落語といやあ今年はアレだな。春風亭正太郎と立川こはるという二人の活きのいい「二つ目」を聞いてじつに気分が良かったね。両方とも20人も入れば満員というような小さなところでそれぞれ別の日に独演会を聞いたんだが、この二人より落ちる真打ちがゴマンといるんだから困ったモンである。

その点、上方落語には真打ちだの二つ目だのっていう階級がないんだそうで、ようするに面白いヤツが勝ちっていうところが江戸の落語とは違った厳しさだったり苦しさだったりするんでしょうね。

亡くなった桂吉朝の弟子で、米朝の孫弟子にあたる桂吉坊と浪曲の玉川奈々福の二人会シリーズ〈みちゆき〉が10回で完結した。途中から友だちに誘われて浅草の木馬亭に通うようになった。この16日にあった最終回のプログラムの一覧表で見ると、おれは10回のうち4回聞いている。浪曲と落語の、それぞれが1時間近くかかるような大ネタを一席ずつ。

最終回は木馬亭に補助席が出るくらいの大入りだったんだけど、そういえばこれに通ってる間に世間の玉川奈々福への関心がずいぶん高まってきた感じがする。もちろん講談の神田松之丞ほどのことじゃないけど、なんだか最近よくその名前を目にするようになった。

おれは浪曲なんて聞いたことなかったし興味もなかったんだけど、なるほどこれは「物語」を聞く楽しみと、「唄と伴奏」を聞く楽しみの二つが合体した、ずいぶんとおトクな芸能なんだなあといっぺんで興味津々になってしまったんだから、もう玉川奈々福(と曲師の澤村豊子)のすべておかげってもんである。

吉坊の各種古典芸能の知識に裏打ちされた端正な話芸はいうまでもないことで、とにかくこの二人会が終わっちゃうのはすごい残念なことだけど、この先ずっとこれを続けるってのも相当大変なことだろうってシロートのおれでも容易に想像がつくんだから、ここいらが潮時ってモンなんだろう。

そういえば上の写真は山下洋輔トリオに引っかけて「山下町」の神奈川県庁でどーだと思ったら、県庁の所番地は「日本大通り」なんでした。山下公園はこの先を右に行ったとこでございます。

まあでもこの県庁の〈キングの塔〉はミナトヨコハマの観光名所のひとつでもございますしね。銀杏並木の黄葉もまだ残ってる師走8日太平洋戦争開戦記念日の風景なんでした。

この日はこの写真撮った地点から200メートルも行ったところにあるKAATで秋元松代作・長塚圭史演出〈常陸坊海尊〉のプレビュー公演を見物せり。

いや「常陸坊海尊」てどっかで聞いた坊さんだよなあと思ってたら、歌舞伎十八番のひとつ「勧進帳」四天王のいちばんの年嵩の白髪交じりの人で、激情押さえがたきあとの若い3人を、ま、ま、ここは暫時自重あるべし、みたいな感じで制止したりするあの人じゃんよと気づいたのがこの芝居の切符予約した後だってんですから、ほんと毎度毎度ウカツなおれなのであった。

この人はその後衣川の戦で義経が討ち果たされるときそこにいなかったんだってね。偶発的か敵前逃亡か、とにかく死にそこなった常陸坊のその後の足どりが東北各地で伝説化してて、それを題材にした戯曲が〈常陸坊海尊〉で、しかも秋元松代は蜷川幸雄と組んで〈近松心中物語〉を書き商業演劇に殴り込みをかけた張本人だったなんてことの一切合切すべてを、おれは入場のときにもらったパンフレット読んで初めて知ったんでした。こうなるとなんちゅうかもうウカツの上塗りだな。

それで芝居を見たのは開戦記念日だが、舞台は敗戦直前の東北地方のどっか辺鄙な山里へ学校ごと疎開した子どもたちとともに始まる。しかし主役の白石加代子が演じるのは「海尊の妻のおばば」である。

もうね、白石加代子の芝居です。共演の若い俳優たちそれぞれにもよく頑張ってるとは思うけど、白石加代子の出番が終わったあと舞台の空気が一気に薄くなっちゃった。まあ仕方ないとは思うんですけど、白石加代子>その他のすべての俳優の合計、なのね。

ところで長塚圭史は白井晃の後任で2021年からKAATのゲージツ監督になるんだってね。そうなると阿佐ヶ谷スパイダースの会場で案内係なんてやってらんなくなるな。

そして師走は押し詰まっていくのであった。
なんちて。




by god-zi-lla | 2019-12-25 11:47 | 物見遊山十把一絡げ | Comments(0)

梅小路、くろがねの館

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たまんねえなあ。


(さらに続く。御見物の好むと好まざるとにかかわらず)

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by god-zi-lla | 2019-12-23 07:23 | 物見遊山十把一絡げ | Comments(2)
新幹線に乗ってると見えるあそこは長年夢のまた夢で_d0027243_09515495.jpg



いやー全然時間足らなかった。また行きたい。こんだは歌舞伎見物のついでとかじゃなくて、ここメインに上洛したいもんだ。

一緒に行った奥さんなんて、おれのとなりですっかり呆れ顔だもんなー。しかしこれ以上粘ると帰りの新幹線乗る前に弁当もビールも買えなくなりそうだったから、ありもしない後ろ髪を引かれるようにしてJR梅小路京都西駅へ急いだのであった。

ああアレかと知ってる人もいるでしょうが、大阪方面から上りの東海道新幹線に乗って京都駅に到着するほんのちょっと手前のあたり、進行方向左側の車窓に広い車両基地のようなところが広がってその一番奥、大きな扇型の機関庫とそのカナメのところにはこれも大型の転車台が見えている。

けっこう目立つから、たぶん小学生のころから知ってたとおもうんだな。おれが初めて東海道新幹線に乗ったのは昭和40年、小学校3年生のときのことだと思うんだけど、そのときもう気づいてたかどうかは覚えてない。

たしか70年代の初めころ当時の国鉄がこの機関庫を蒸気機関車の展示館にして、以来たくさんの機関車を動態保存しているわけだ。だからもう、とにかくいつかは行ってみたいもんだと長年思ってたんだよ。

だけどね。京都っつうと、ほかに山ほどこちとらの欲望を刺激するあれやこれやがあるからさ。いっつもアタマのどっかを離れたことがないのにもかかわらず、つねに酒だの芝居だの宗達だの若冲だの先斗町だの祇園だの、目先の欲望にかられて「汽車」を見に行くのが後回しになってきた。

ところが今年にかぎっても京都はこれで三度目だ。来るたんびにいろんなところを歩き、見物し、お参りし、食い、飲み、騒ぎ。そうこうしてるうちに自分の欲望も少しずつ枯れてくるトシになってきた。

そしてついにその日はやってきた。

そうだ、梅小路、行こう。




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D51


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9600


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C11


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C51(お召し列車仕様)


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C53


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C59




いやー楽しいなあ。

だけどかつての〈梅小路蒸気機関車館〉はいまや〈京都鉄道博物館〉になって、扇形機関庫(これ自体が重文に指定されてる)のほかにも本館、プロムナードなど各種機関車・客車・電車・貨車の実車を展示する施設が設けられ、いやもうすごいことになってたなんてウカツにも入館券買って中に入るその瞬間まで知りませんでした。こりゃあいくら時間あっても足りませぬ。



to be continued





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by god-zi-lla | 2019-12-22 12:46 | 物見遊山十把一絡げ | Comments(0)