ある品物をえっちらおっちら湯島から抱えてきましたもんね。きのうスーパーでお米10kg買って持って帰ってきましたけども、あれより少し重いかな。
ま、それはさておき
こちらのHP(10月30日)で紹介されていて、気になってたんだけどもどこの店にもないので仕方なくアマゾンで求めましたのがこの「
In A Silent Way」のSACD。
LPのほうは大昔、いまはなき数寄屋橋ハンターで買い求めましたる中古盤。ここの店っていま考えれば乱暴にも値札をジャケット裏から表にまたがるようにセロテープでじかに貼り付けてあったんだよ。だからその痕跡がジャケット裏に残ってるもんだから店がつぶれた今となってもアイデンティティーを主張してたりするわけだな。当時はそんなこと気にもせずにレコード買ってたけどね。
そのLP、買って聴いたもののどうもピンとこなかった。なんかモヤモヤダラダラと音楽が流れてくだけの印象で、なにがどうスゴいんだか、どこをどう楽しめばいいんだか、まるっきしわかんなかったのね。スイングジャーナルなんかには「ビッチェズ・ブリューにつながるエレクトリック・マイルスの先駆をなす名盤」みたいなことが書かれてたんだけどさ。
音楽ってのはさ、やっぱ楽しむために多少の慣れや学習というのが必要なんだよな。
じつはエレクトリック・マイルスを楽しめるようになったのはおれの場合けっこう最近で、
ON THE CORNERを「おー、すげーんだこりゃ」と楽しむようになったのなんか
このときだもんな。
いやそういうこともあったんで、SACDマルチchで聴く「In A Silent Way」も気になるものがあった。でもねマイルスはもう亡くなってしまってるわけだし、このレコードをマルチチャンネルでリイシューすることについてマイルスは関知してないわけで、もし生きてたらオッケーしなかった可能性だってあるわけだ。
一般的にいっておれの場合すでに物故したミュージシャンのアルバムを、生前にあったスタイルとは違った形でリリースすることについて賛成しかねるものがあるので、今までほとんど買ったことがなかったんだな。
さはさりながら信頼する大先輩が(叱られるかな。トシはそんなに違うわけでもないからね)HPに特筆されているわけで、これは聴かないテはないんだな。
いやこれはもう大先輩ご指摘のとおり。
あえて蛇足を付け加えるなら、ザヴィヌル、コリア、ハンコックのキーボード隊がリアchに振り分けられたおかげでトニー・ウイリアムスの刻むリズムが思いっ切り立ってきた。おーこの刻みかたはもう一直線にON THE CORNERに繋がってるではないの。まさに今までステレオでは見えなかったものがマルチchによって見えてきた感じ。
オリジナル2chのアルバム・コンセプトがまったく損なわれていないと断言してしまうと、違う! という人がいるかもしらんけども、おれにはこのマルチ化はアルバム・コンセプトを明確化するほうに見事に作用したと聴けたな。
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In A Silent Way
(COLUMBIA/LEGACY CS 86556
SACD5.1CH シングルレイヤー)
(CBS/SONY 18AP2075
LP 国内盤)
Miles Davis(tp),Herbie Hancock(el-p),Chic Corea(el-p),Joe Zawinul(el-p,org),Wayne Shorter(ss),Dave Holland(b),John Mcloughlin(g),Tony Williams(ds)