神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla
まったくその東京インターナショナルオーディオショーだわね(その4)_d0027243_9571194.jpgいやなんだか窮屈なことになってすいませんね。なんでこういうフザケた写真の使い方をすんだよとお怒りの向きもあろうかとは存じますが、もともとフザケたブログなんで大目に見てつかあさい。

いやねLINNも欲しいと思ったけど、エレクトリのブースで一目見ただけで音も聴かずに欲しいと思ったんだよこいつEMTのJPA-66を。姿形じゃなくてねフロントパネルを見ててその機能に「あーこういうフォノイコ付きプリが欲しいんだよなあ」と思っちゃったんでした。こういうのがあればイコライザーカーブをかなりいじくれるじゃん。

さいきん、いろんな時代にプレスされたレコードを聴くようになってきたんで、どのレコードもそれなりに満足できるバランスで聴こうとすれば、どうしてもこういうほうへ目がいくようになるんだな。

まあデザインのほうは、わざとレトロっぽさを強調してるところが気に入りません。業務用っぽくするんだったら同じEMTでもCDプレーヤーのデザインのが潔くておれは好きだな。どうもあざとくていかん。往年の録音機のデザインを模したナグラのアンプなんかにも感じられる胡散臭さ。

まあそんなことはさておき、これは欲しいなあ。いまどき珍しいステ・モノ切り替えスイッチも付いてるぞ。これもあると便利なのよねえ。でも高そうだもんなあ。100万円より下ってことはないだろうからな。もしかすると200万円台? いまのプリアンプとフォノイコ処分してから逆立ちしたって買えないだろうなあ。

よし、もう忘れよう!



















忘れた。


ほかにエレクトロニクス系で欲しいと思ったのはユキムのブースで見たAura note。これはかわいくていいねえ。実物はクロームメッキがきれいでカタログなんかの写真ではまったく再現できてませんね。これ人気商品になると思うよ。おれも欲しいもん、必要ないけど。それにこの値段なら買えそうだしさ。わはは(とほほ)。

しかしMP3でデモってたけどこれはさすがに感心しない音。奥さん曰く「あれってMP3だったんだあ。なんかかっこいいのに音悪くてかわいそうと思ったのよね」。
まああのスタイリングなら音なんて少々悪くたってかまやしないともいえますが、CDやチューナーの音はこんなもんじゃないんですよね?

あとおれ的に印象に残ってんのはウエストレイクのデカいバーチカルツイン・ウーファーのスピーカー。
はっきりいってD66000なんかよりずっと、おれの頭ん中にあるJBLの音に近いっていうかイメージそのまんま。聴いてて非常に気持ちよかったです。ゴージャスで悠揚迫らざる風格。そんなに大音量ではなかったけど同じようにモニタースピーカーを親にもつATCの場合は大音量じゃなきゃ本領発揮しなさそうだったけど、こっちはそんなことまったく感じさせなかったね。振動系の軽さとか動きやすさとかそういう問題なんでしょうかね。

しかしね、こいつに対する奥さんの反応は「ぜんぜんよくない。荒っぽい」。
だめだなこりゃ。あきらめるか。

って、もともと500万円もするよーなもん買えんだろが。

それからエソテリックのブース。去年アヴァンギャルドのカーカーコーコーいう音に辟易したので一瞬警戒したんだけど(よーするにもう音の好き嫌いというよりか生理的に合わない)、タンノイのスピーカーがメインに置かれていて菅野沖彦さんの放談会の真っ最中。いやもう超満員ですな菅野先生を一目見ようと言うお客さんで。

曰く「トールボーイスピーカーでベートーヴェンなんか聴けたもんじゃない」
曰く「チェコフィル/ノイマンの演奏は田舎臭くていけません」
曰く「……」

いやまったく大御所様ならではの大放談会。でも一瞬通りすがりの客引き留めるのにはもうこれ以上ないインパクトですな。ほおー、てなもんで崇拝者だけでなく放談の内容にまったく賛同できない面々まで足を止めちゃうもんな(おれのことだけど)。

でタンノイ。たしかマーラーのシンフォニーがかかったんですが、あたくしが菅野先生だったら「ああた、ゲルマンのシンフォニー聴くんだったらアヴァンギャルドなんかさっさとドブに捨ててタンノイをお買いなさい」って推薦しますな。たしかに渋くくすんだ独特の音色で聴かされてしまいますね。こういう音もあっていいよなあ。田舎の一軒家にでも住んでたら庭に離れでもおっ建ててタンノイ飼うってのもいいかもなあ。

しかし奥さんのコメント「ボケボケの音。壊れてたんじゃないの?
いや菅野先生じゃなくてタンノイについて。

以上
# by god-zi-lla | 2006-10-24 11:47 | オーディオもねぇ… | Comments(3)
とにかく東京インターナショナルオーディオショーぞね(その3)_d0027243_8541911.jpg
土曜日、おれが先に出て午後2時前に国際フォーラム1階の「レバンテ」で奥さんと待ち合わせのうえ牡蛎でも食って会場に再突入、という魂胆でいたら貸し切りのため本日閉店でやんの。なーんだガッカリ。

しょうがないので半年に1回くらいは昼メシに行ってる交通会館地下の「梅園」っつーチャンポン屋に行きました。初めて食ってからかれこれ27年、厨房で作ってるおじさんおばさんもレジで食券売って客を仕切ってるおばさんも揃って、おじいさんおばあさんになっちまってますね。

ここの麺は太くてコシがあって風変わりな麺だもんで、皿うどんなんて1人前平らげるころにはアゴが筋肉痛になりそうだもんね。だから、だれにでもお勧めというわけにはいかないんでした。

JBL D66000
それはともかく今年はなんといってもJBLのD66000に興味津々でしたけども、この前書いたようになぜかアキュフェーズのブースで聴いたっきり。音は「ふつう」(奥様談)。どこいらへんがフツーなのかよくわかりませんが、姿形に比べるとずっと常識的というか当たり前な感じの音でしたね。

JBLのおっきいスピーカーというと、ここんとこ山本さんのStudioに入ったサブリンの印象が強くて、帯域は狭いけどその狭い帯域のなかで音楽を楽しく密度濃く鳴らす感じをつい想像しちゃうんだけど、そういう傾向じゃなくてもっとさっぱりとした感じだな。

もしかするとオール・アキュフェーズだからそんなふうな鳴り方になるのかもしれないけど、非常にきれいな音なんだけどもうちょっと音が立ってきてもいいんじゃないかとは思いましたね。

JBLだとこれはハーマンで聴いたあの中高域のホーンが昔のエレクトロヴォイスのT350だっけ? あれみたいに縦型のホーンがエンクロージャーの上に取って付けたようになってるスピーカー。アレイBGっていうシリーズかな。これは少し荒っぽいところもあるけど音が立ってて姿形のおさまりの悪さにくらべて良い印象だったな。ウチで目の前に置いて聴きたいかって言われると、ちょい躊躇するけどね。奥さんも「こっちのほうがいいよ」と言ってました。

オルトフォン
JBLってばオルトフォンのブース、すっかり様変わりしちまいましたねえ。社長はお辞めになったんですか? 商売になるDJ向けのカートリッジを一生懸命売らなかったんでクビにされちゃったって噂を聞きましたけどホントなんでしょうか。まあ商売だから仕方ないんでしょうが、ブースはつまらなくなったねえ。

いちおうJBL4338がセットされてましたけど、あのオルトフォン自前のコンコルド(だっけ?)っていう小さいスピーカーと並んでいて、おれたちが入ったときにはなぜかイ・ムジチの「四季」(ミケルッチのソロのやつ)の国内盤LPがかかってましたね。うーん、どっちが鳴ってるか表示がなかったけどあの悲しい音が4338から出てたとすると非常に悲しいなあ。

このイ・ムジチの四季のレコードは高校生のときに買って愛聴してますが、だれもいわないけどなかなか愛らしい好録音なのね。録音会場の空気感やら演奏ノイズも嫌みでない程度に入っていて、そもそも明朗快活な演奏をうまく引き立ててるんだよな。

それがそのようにきこえなくて粗雑な感じの音。

去年までのあの社長みずから調整したと思しき「ジャズ喫茶の音」、汚い音なんだけど説得力抜群のあの音から想像もできない変貌ぶりだったなあ。かなりガックリ。楽しみにしてたもんだから余計に。残念。ショーのときだけでいいから帰ってきてください社長さん。

ATC SCM100Tsl
エレクトリのブースは2回覗いてきました。1回目はATCのSCM100Tsl。まーおれには買えないお値段ですがこれは一度聴いてみたかったんでしたが、いやーこれはきっとかなり音量を上げないと本領発揮しないスピーカーなんだなあという音でしたね。まあ小さい音で鳴ってたわけじゃなかったですけど常識の範囲の音量。

評論家の潮晴男さんの話をききながら音を聴いてましたけど、たしかに明晰かつややくすんだ音色で魅力的ではあるんだけど、どっか頭を押さえつけられたような全部出きらないよーな残尿感のよーな隔靴掻痒な感じがしたんだね。で、この感じは多分音量の問題なんだと思うんだよ。

きっともっとパワーを送り込んで、音圧で体が飛ばされそうな音量でヴァン・ヘイレンとか聴いたらすごそうな予感がしますな。でも、そういう環境っておれは生涯持てそうにないもんなあ、なんてことをしみじみ思っちゃったぜ。

マジコ Model 6
エレクトリのもう1個はマジコのModel 6ってこれも大型スピーカー。
なんでこの絶対買えもしない高額大型スピーカーばかり聴いてまわってるかというと、こういうスピーカーを置いているオーディオ屋さんに縁がないから。そしてそういうところに買いもしないのに入ってって聴かせてもらうような度胸がおれにはぜーんぜんないのね。

まーそれはともかく去年聴いたマジコのMiniってやつはなかなか好印象で、今回のデカいのはどうかなと思ったんだけど、これはエンクロージャーの素材の違いなんですかねえ。おれにはそういう違いにきこえましたね。かたや木材かたやアルミ(?)。

そう簡単にエンクロージャーの素材の音と割り切っちゃいかんのでしょうけども、音の印象としてはそんな感じだったんだもんね。じっさいにはMiniだって馬鹿高くて買えませんが、どっちでも買える財力があったとしてもあたくしはMiniを買うだろうなあ。

B&Wの新製品
あとね、このマジコ君と同じ傾向の印象を持ったのがB&Wのダイヤモンド・シグネチャー、あれ?シグネチャー・ダイヤモンドだったかな。ま、いいか。まだ試作と量産製品の中間くらいだそうですね。イギリス本国から初めて出たんだそうです、ありがたやありがたや。

まあ量産先行製品だからか海外旅行初体験の緊張からか鳴らし込み不足なのか硬質な音の印象でしたね。
これはブースに入ったときよくわからない日本の男性ヴォーカルがかかっていて、ウチの奥さんなんか「なんだかヘンなものがかかってたよねえ」とスピーカーの音にたいするコメントなし。やっぱ変わったものかけてるとそっちに意識がいくんだよ、わしらのようなシロートはさ。

そんなやつらはハナっから相手にしてない? そりゃまた結構でげすな。

LINN ARTIKULAT 350
てなわけで、いろいろと経巡ってるわけですが、奥さんと二人してまいっちゃったのが写真に足だけ写ってるLINN。ARTIKULAT 350、だったかな。左側の足ですね、右側はコムリ。
ウチの奥さんは去年もLINNが一番のお気に入りだったんですけども、あたくしは去年はアナット・リファレンスに感心してまして、LINNもよかったけど「まあ一般的な音楽ファンにはLINNだろね」なんていっぱしマニアっぽいリアクションしてたんですが、今年はこいつにヤラれました。

非常に豊かで自然でメリハリも効いていながらパワフルでもある。ほいでもってきっちり「オーディオやってる楽しみ」もあるというマニアックさも感じましたもん。やっぱオーディオマニアだからオーディオ装置から音出てるっていう感じがなくなっちゃっても困るのね。CD聴く、レコード聴く充実感てのは実演聴く充実感とはまた違うものなんだよな。

奥さんも「これはいいねえダントツ」と手放し。いや正直これは欲しいと思いました。こういう音を自分ちで聴けるなら文句ありませんですよ。いやほんとに。
でもこれいくら? 380万円? うひゃあ~。奥さん曰く「マンション買う頭金取り崩せば買えるよ」って。でもスピーカー買ったらマンション買えなくなっちゃうじゃん。そんなことできるわきゃありません。

もちろん奥さんだって買ってもいいよ、って言ってるわけじゃないし、おれだってこれから先の生活まで犠牲にしてスピーカー買う度胸はありゃしません。

まあ何年か後、無事幸運にも新居をば手に入れることができて、なおかつ経済的に余裕があったらねってことだな。
いきなり現実的な話になっちまったぜ。

てなわけで、しかしなんでLINNの足撮ったかっていうと、この角材の台。このセッティングはタダ者ではないと思っちゃったよ。これはおれの勝手な想像なんだけどさ、これってたんにおれたちアマチュアが床に直置きするのを避けてチューニングの一環としてやるのにさらにもう一つ、この独特のツイーターアレイを客席より高いところに持ち上げて後方の席まで「音を飛ばす」ための工夫じゃないかしら。

じつはあるブースで前から3番目の列のセンターの席に腰掛けて聴こうとしたら、1列前のちょうど両スピーカーそれぞれとおれの間に位置するお兄さん二人の頭が揃いも揃って異様にデカいのよ。もうね、この二人のデカ頭のおかげでツイーターが見えません。そうするとやっぱりこうヌケのいまいちよくない音にきこえるんだよな。

そういう弊害から逃れるために、後ろの客にもちゃんとマトモな音で聴かせようという営業努力としてLINNじゃスピーカーにゲタ履かせたんじゃなかろうかと、そう想像したんでした。考えすぎかもしんないけど、去年も今年もこのブースでは来場客にいい印象を与えようと試聴ソースも吟味しているような気がして、そういう印象そのものが製品に対する印象にもどこかで結びついてくるよなあ、などど愚考したわけですよ。

もう1回だけお付き合い願います。
TO BE CONTINUED
# by god-zi-lla | 2006-10-23 17:48 | オーディオもねぇ… | Comments(2)
吉例東京インターナショナルオーディオショーですな(その2)_d0027243_9263254.jpg
それにしても夫婦その他カップルで来場しているお客が増えたように思うんだけどね、ウチもそうですけど気のせいですかね、そんなこともないと思うんだけどね。年齢層にして30代後半くらいから団塊世代の下のほうあたりまでという感じの男女二人連れ。

なんか仲間が増えたようで、わけもなくうれしいよ。そういえば女性だけのお客さんも増えてるような感じだな。ますますもって結構じゃございませんか。

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それはさておき去年も思ったんだけどさ、どこのブースももう少し試聴ソフトの選択に慎重になるというか、なんかもっと戦術的に考えてもいいんじゃないかと今年も引き続き思うんだけどね。

どこのブースだったか忘れましたけど(ホントは覚えてるけどさ)、解説してたオーディオ評論家がかけたのがムソルグスキーの「禿山の一夜」の原典版、一般的なリムスキー・コルサコフ編曲じゃないやつね。こういうのかけられると耳は曲の珍奇さのほうへ引っぱられちゃうよ。そのうえこの原典版てやつが非常にバーバリスティックな響きのする曲だから、そのときデモしてた機種の印象までそっちに引きずられがちになるもんな。絶対プラスに働いてないね。

大場商事のブースでウィルソン・オーディオのSYSTEM 8を聴いたとき、ちょうどジャズのピアノトリオが鳴ってたんですけど、最初はなるほど世評も高いウィルソンさすがですなと思って聴いてたらベースソロが始まった。

これがなんというかウッドベースの音とは思えない音。狭いクラブのPAなしの至近距離でも、ライブハウスでも、デカいホールでもああいう音は聴いたことないというような一種異様な音。低弦の音程もきっちりきこえるし演奏ノイズもききわけられるけども、音色はウッドベースじゃない何か未知の楽器。

これだってさ、たぶんウィルソンのせいじゃないと思うよ。デモでかけてたCDのせいと信じたいね。しかしそういう脳内補正をかけて聴くのはおれたち客の仕事じゃないよ。まあ「あれは世に名高いウィルソンなんだから、きっとソースのせいだ」と先入観で判断しましたけども、おれがそういう先入観のない客だったら、とんでもない音出すスピーカーやな、でおしまいだったね。

去年も書いたけど、いついかなる瞬間にそのブースへ入ってもベストの音を出すのが、ああいう見本市における営業上の鉄則じゃないかね。たとえ評論家の選んだソースだって、ギャラ払ってんのは出展社なんだから事前にどんなソース使うかくらいチェックしないとおかしいんじゃない。

どーも憎まれ口ばっかになっていかんな。
TO BE CONTINUED
# by god-zi-lla | 2006-10-23 02:21 | オーディオもねぇ… | Comments(0)