神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla

タグ:カートリッジ ( 41 ) タグの人気記事


SPレコード本末転倒日記 あるいは、音は二の次にしてでも聴きたいものをすぐ聴きたいだけなのよ。_d0027243_11552746.jpg



そんなつもりは全然なかったのに、なんかちょっとセピアっぽい写真になっちゃった。たしかに写ってるレコードは古いけどレコードそのものが「セピア調」なわけはないんである。でもまあいいや、SPレコードですから。

つうわけで、ぐるっと針を回せばSPレコードも聴けるGEのバリレラカートリッジを買っちゃったあの時、せっかく聴けるようになったんだからSPレコード買って聴いてみるしかないじゃんか。とにかくおれはそのとき生まれて初めてSPレコードを買った。

買って聴いてみると、わかってはいたんだがLPレコードにはない独特の味わいというか色香というか、えもいわれぬ何かがSPレコードを再生した音には色濃くあってね。そんなこんなで(どーせそんなことになるだろうとは予想してたものの)、つい最初の1枚を買ったあと2枚3枚とSPレコードを買うことになってしまったんである。

いっぽうでGEのバリレラカートリッジで聴くモノラルLPレコードにはダイレクトで若々しい音の楽しさがあるんだけど、かけるレコードによっちゃあ少し荒削りというかガサツというか、ようするにちょっと心穏やかに聴き続けられないレコードがあるのに気づいてしまったんであった。んー、そうするとモノラルLPはやっぱしオルトフォンCG25Diで聴きたいよ。

だけどね。モノラルLPは元のとおりCG25DiってことにしちゃうとSPレコード聴こうと思ったときにややこしい。GEはカートリッジ上部に切り替え用の回転軸が突き出てて、コイツをグリっと180度回してSPかLPどちらかの針先をセットするわけだ。これはGEだけ使ってるぶんにはすこぶる便利なメカニズムなんだけど、その回転軸があるため専用のヘッドシェルにしか取り付けられず、そのヘッドシェルのなかでカートリッジを上下にも左右にも動かせない。もしCG25DiとGEを取っかえ引っかえしようとすれば、針圧はもちろんオーバーハングからアームの高さから何から何まで、その都度調整し直さなきゃなんないわけだ。

はっきりいってすごいメンドい。そんなこといちいちやりたくない。でもモノラルLPもSPも分け隔てなく聴きたい。聴きたいと思ったときに速攻で聴きたいものを聴きたい。

で写真に写ってるのはオーディオテクニカ製AT-MONO3/SPつうカートリッジです。つまりなんちゅうかまあ、SPレコードの再生も出来るカートリッジがあるからSPレコードを買ったのにもかかわらず、こんだはSPレコード専用のカートリッジまで買い込んでしまったわけだ。

LPからSPへ、あるいはSPからLPへ。カートリッジをヘッドシェルごとパパっと付け替えるだけで、一切なんの再調整もせずに聴きたいレコードを聴けるようにしたいと思ったらこういうことになっちゃった。

オルトフォンにはCG65Diつう、CG25Diとは兄弟分のSPレコード用カートリッジがちゃんと現役でカタログに載ってます。姿形はまるで同じだ。コイツらなら多分なんの細工もなしに取っかえ引っかえできるはずだ。でもね、高い。ちゃちゃっと差し替えるだけでLPもSPもすぐに聴けるようにしたいっつう横着な願望だけで9万円もするカートリッジを買う勇気も予算もおれにはない。これがSPレコード五百枚も千枚も持ってるとかいうなら別だけどさ。せいぜい両手で数えられるくらいしか持ってないんだから、それはやっぱバチ当たりってもんだろ(いずれ五百枚になったアカツキには晴れて…、なーんてことを考えてはならぬのぢゃ)。

そのAT-MONO3/SPをフィデリックス製のヘッドシェルMIYCHAKUに取り付ける。MITCHAKU、通称みっちゃくん(おれしかそう呼んでませんけど)は今おれが一番気に入ってるヘッドシェルだというのはもちろんだが、コイツの自重がかなりあるというのが大事なんである。

自重33グラムくらいあるオルトフォンCG25Diと、なんの調整もぜずに取っ替え引っ替えしたいのよ。オーバーハングはオッケー、オルトフォンと数値を合わせるのになんの苦労もありません。高さもまあ許容範囲だな。

CG25Diは針圧4グラムで鳴らしてますが、オーディオテクニカAT-MONO3/SPの針圧印加範囲は3.0〜7.0グラムで標準5.0グラムと説明書にある。じゃあ5グラムくらいで使うのがいいとこかな。なにしろマイクロMA505Sの針圧印加目盛りは3.0グラムが最大である。オルトフォンの4グラムだって、1グラム分はバランスウェイトを前に出して加えるっつうインチキをやってるわけだ。ホントは7グラムって針圧をぐいっとかけてやりたい気がしないでもないんだけど、さすがにトーンアームの仕様の倍以上かけるってのはね。でも「標準」の5グラムはかけてやりたい。

しかしAT-MONO3/SPってカートリッジがけっこう軽い。説明書には6.8グラムとある。ヘッドシェルMITCHAKUが16グラムと重量級ではあるものの、カートリッジと足したって22.8グラム。CG25Diより10グラムくらい軽い。コイツらをなんの調整もせずに付け替えるだけで使えるようにしたい。

で、このようにした。まずCG25Di装着状態で針圧を実測4グラムでセットする。もうトーンアームはいじくらない。それをAT-MONO3/SP(とMITCHAKU)に付け替えたとき針圧が実測5グラムになるようにする。すなわち自重の軽いぶんを補ったうえで、針圧の不足分1グラムを補う。

鉛板を乗っけてやりましたさ。みっちゃくんの背中にたっぷりと。写真のとおりでございます。ジャンク箱ひっくり返したら出てきた厚さ1ミリメートルくらいの鉛板から、ヘッドシェルの背中に乗っかるサイズを切り出して貼り付けた。1枚じゃ全然足らなくて二枚重ねにしたところ、まだ少々足らない。仕方ないのでさらに小さいカケラを切り出して乗っけてみると、ようやくなんとかなった。

それをふつうの事務用両面テープで取り付けてやろうと思ったら粘着力がまるで弱く、鉛のカタマリが「みっちゃくん」の背中からズリ落ちそうになってアセった。そこでコレならどーだとブチル系のちょい肉厚の両面テープで貼り付けてみる。その状態で実際の針圧を計ってみたところ5.3グラム。テープの重さが加わってしまった。かまうもんか。

つうのが上の写真なんでした。

まあ神経こまやかで物理法則を重んずる真っ当なオーディオマニアは絶対こんなことしない。そうでしょうそうでしょう。でもこれでCG25GiでモノラルLPも楽しめるし、SPレコードも心おきなく買えます。いや、聴けます。めでたしめでたし。

つうわけで、うまく出来た記念にSPレコード買っちゃった。へへへ。いかんね、どーも。レスター・ヤングのA面が〈Foggy Day〉、B面に〈Down 'N Adam〉。メンバーはジョン・ルイスp、ジーン・ラミィb、ジョー・ジョーンズds。タイトルには〈Lester Young and His Orchestra〉とあるけどクァルテット。1951年5月8日ニューヨーク録音だからもうLPの時代だ。

レスター・ヤングの最盛期は兵隊に取られる前だっていうけど、おれはいつの時代のレスター・ヤングも好きだなあ。優雅でしなやかで、なおかつ男らしい。でもSPだから、なんかあっけなく終わっちゃう。え? そこまでなの、みたいな。しかしきっと慣れちゃえば、そこもまたSPレコードのいいとこと思えてくるのかも知れないな。

Mercuryレーベルでノーマン・グランツのプロデュース。同じレコード番号〈8946〉のままClefレーベルのヤツもあるけど、グランツが〈Clef〉を作ったのが51年というからMercury盤のほうが先なんだろうな。

しかし、いい音だわ。たまんないよ。



SPレコード本末転倒日記 あるいは、音は二の次にしてでも聴きたいものをすぐ聴きたいだけなのよ。_d0027243_12081002.jpg





by god-zi-lla | 2020-03-31 20:05 | 常用レコード絵日記 | Comments(0)
帰省ラッシュで渋滞中な回転台(しかし改善の余地はない)_d0027243_13362729.jpg




ぢつはお盆休みとは関係なく、春先からこうなってんですけど。

奥は前から変わらないマイクロのMA505Sにモノラル専用CG25Diがくっついてるだけだが、メインのとこはSMEに取って代わりオーディオクラフトAC3000が、先っちょにシュアーのV15typeVとJICOの交換針を付けておさまっている。

そのまた右手すみっこに見えますのはオーディオテクニカAT50ANVの付いた交換パイプでございます。

こうなったイキサツなんてのを書き留めとこうとずいぶん前から思ってるうちに夏になっちゃって、ソーメン茹でて啜る以外のことはまるでヤル気が出なくなっちまった。

とにかくまあ、あーだこーだ考えてるうちにこれはどうかってことになった。キッカケはフィデリックスのMitchakuシェルを買ったことにあるんだけど、ようするに風が吹けば桶屋が儲かるんである。

とにかくいまはこーなっている。

プレーヤー周りではほかにも手に入れたモンがあるんだけど、それもやっぱ暑いのでまだ試してない。

なにしろ、ぶつかりそうで大変なんである。写真じゃぶつかってるようにも見えますが、CG25Diの指掛けとオーディオクラフトとは5ミリあるかないか。ホントはマイクロはもっと後ろにしたいとこだけど、オーディオクラフトの後方になるようアームレストを調整すると、レコードをかけるたびにオルトフォンはオーディオクラフトの上をいちいち(手動で)越えてこにゃならない。

そのほうがよっぽど恐ろしいよ。

モノラル盤をかけるときはオルトフォンの指掛けを右手人差し指の上に乗っけたまま、小指の先をオーディオクラフトとターンテーブルの間に付けて支えるようにしながら針を盤に下ろす(これを書いたあとで、あらためてやってみたら小指じゃなくて薬指だった)。

いわゆるひとつの熟練のワザってヤツですかね。慣れればどってことなさそうだが、慣れるのがまた怖い。

で、こんだはステレオ盤をかける。オーディオクラフトの先のシュアーがレコードの最内周まで行ったときは結構スリリングである。オルトフォンのオデコのとこにオーディオクラフトのアームパイプがどんどん迫っていくんです。

いっとう最初のときは、シュアーの針が最内周へ向かっていくのを固唾を呑んで見守ったもんである。

ラベルぎりぎりまで溝を切ってある盤の場合、暴走列車が終着駅の車止めスレスレで急停車するサスペンス映画でも見るような気分にひたれる。

見てるだけで脂汗がにじみ出てくるような光景で、まあこれも夏向きとはいえない。

(to be continued)




by god-zi-lla | 2019-08-12 14:29 | オーディオもねぇ… | Comments(0)
物理の時間はお昼寝タイム(それが今になって)_d0027243_13381199.jpg


ひさしぶりにカートリッジをオーディオテクニカからベンツマイクロに取っ替えようと思ったある日のことなのであった。

平成の初めころであればカートリッジひとつ付け替えるのにあーだこーだとSME3012Rを相手に小一時間がところかかってた気がするのが、昨今はせいぜい手こずったとしても15分かそこらのことである。

ほとんどもう熟練の職人芸といったって過言ではないような気もするが、もちろんテキトーなところで妥協するというこの30年の間に溜まりに溜まった「人生の知恵」も加わってのハナシではあるのであった。

いやあそれにしても昭和のおしまいに買ったこのレコードプレーヤーをとうとう平成の次まで使い続けることになっちまったんだなあ。

つうわけで仕上げに針圧調整しようと針圧計をセットして、いままさに針を下ろそうという(瞬間を再現した)のが上の写真なのであった。

針圧0コンマ0グラム(よく見といてね)。

そして、そおーっと針を針圧計に乗せようとちかづけた。
するってえと。


物理の時間はお昼寝タイム(それが今になって)_d0027243_13514804.jpg


は? マイナス0コンマ4グラム?
なにこれ。

え、え、え、え、え。

どうしてそうなるのかは、すぐにわかった。ようするにカートリッジのマグネットが針圧計の「上皿」を磁力で上から引き寄せてるからマイナスが表示されてるに違いないんだ。

してみると、この針圧計測用に横に突き出た「上皿」は鉄か。

有名なハナシですけどトーレンスのTD124のプラッターに乗せたレコードに針を下ろすと、その鉄製プラッターにカートリッジ(のマグネット)が吸い寄せられて針圧が重くなっちゃう。ようするにアレの逆というか、トーレンスの鉄製プラッターだってカートリッジをレコード盤に接する直前に「寸止め」させればリクツのうえではプラッターはごくわずかカートリッジに吸い上げられているハズであるから、おんなじだな。

いやいやいやいや。それはいいんだよ。そんなリクツはいいんだ。

この針圧計ですけど、使い始めて少なくとも10年は経っている。たぶん15年近いんじゃあるまいか。その前はシュアーの天秤式のヤツを長い間使ってた。とにかくまあコイツで針圧を計るのはこれが10回目や20回目なんてもんではない。

今までだってこういう「現象」が発生してたはずなのに、なーんでおれは気づかなかったのか。若いころのほうが視力だって圧倒的に良かったんだしさ。

ほかのカートリッジはそこまで磁力が強くなくて、このベンツマイクロだけが強力でしかもマグネットむき出しのスケルトンタイプだからか? いやそんなことはない。ベンツマイクロだって前のGlider L2のカンチレバーをボッキリ折って泣く泣くGlider SLに交換してから数えてもすでに8年だ。針圧なんて数限りないくらい何遍も計ってます。

んー。

ようするに見てなかったんだよなー。見えてないものは、ないのと同じ。いかんなー、注意力散漫だよなあ。きっとほかにもいろんなものに気づかずにこのトシになっちゃったんだろうなー。そう思うと無性に悲しくなってきたぞ。



物理の時間はお昼寝タイム(それが今になって)_d0027243_14193735.jpg


いやまあ、そんなことをキッカケに人生全般について後悔したって仕方ないんだよ。

それよりも、だ。この最後の写真みたく針を下ろして「針圧」を計ればドンピシャ2コンマ0グラムなわけだ。きのうまではこの値になーんのギモンも抱かずに、はい針圧2グラムね、とレコードをかけてたわけですけども、磁石で引っぱるあのマイナス0コンマ4グラムはどこ行ったんだろうか。

それはこの2グラムのなかに含まれているのだろうか、それともホントの「針圧」はさらに0コンマ4グラムを足した値なのであろうか。あるいはそんなことは無視しちゃってもかまわないのかしらん。

高校の物理の授業中昼寝をしてたバチが今ごろ当たってるような気がする年の瀬なのである。





by god-zi-lla | 2018-12-26 15:08 | オーディオもねぇ… | Comments(4)
で、突然ですけどSP盤も聴けるバリレラカートリッジである_d0027243_15195531.jpg


そういうことなら予定を変更してバリレラカートリッジの続きでいこうじゃないか。どうだい、エジソンが創業したジェネラル・エレクトリック社のロゴがボディに彫られて誇らしげじゃないか。そして、その真下あたりにかすかに見えるのがSP盤用のスタイラスチップである。

こいつをひっくり返すと下の写真だ。前に付いてるのがLP用のスタイラスで後ろにあるのはSP用で見るからにぶっとい。もうコイツを見てるだけで、あーおれはこれからSPレコードを聴くんだって気分が盛り上がるでしょ。


で、突然ですけどSP盤も聴けるバリレラカートリッジである_d0027243_00125584.jpg

SP・LPの切り替えはヘッドシェル上に飛び出してるピンをぐりっと押し回すんだが、そのピンを回すためのプラスティック製着脱式レバーが付属しているのである。



で、突然ですけどSP盤も聴けるバリレラカートリッジである_d0027243_22271596.jpg


別にどってことのないプラパーツなんだけど、みょうに雰囲気があるのは文字をプリントしてるんじゃなくて凹モールドした文字に白い塗料を流し込むという手の込んだ仕上げのせいかもしれない。こんな金型起こせるとこみてもさすがGE、なん十万個と大量生産したんだろうな。


で、突然ですけどSP盤も聴けるバリレラカートリッジである_d0027243_22393802.jpg

そのピンはこのように飛び出してて、ここに赤いレバーを差し込んで押し回す。そういえば大昔、ピックアップ前面にツマミがついててそれを回してパチンと切り替えるようになってる電蓄を自分ちかご近所か親類宅かで見た覚えがあるが、あれはカートリッジ自体を回転させてたのかな。

ヘッドシェルを貫通する穴はこれをヤフオクで売ってる人が加工したものらしい。残念ながら穴はピンの径よりわずかに大きいだけなのでオーバーハング調整などのためにカートリッジを前後させる余裕がほとんどない。シェルターにちょうどこの部分を長円にくり抜いたヘッドシェルがあった気がするんだけど、あれに代えるってのはどうだろうな。


で、突然ですけどSP盤も聴けるバリレラカートリッジである_d0027243_00111527.jpg

そのピンに赤いレバーを挿すとこんなふうになる。ほいでもってコイツをぐりぐりっと押し回すと…


で、突然ですけどSP盤も聴けるバリレラカートリッジである_d0027243_00131348.jpg

45度くらいレバーを回したところで止めてみた。うまいこと出来てるもんだなあ。カンチレバーは板状でどうもこの回転機構のチャンネル形の部分に別パーツとして差し込まれてて、SPとLPそれぞれ別個に針交換できるようになってるらしい。

さて、トーレンスやガラードのヴィンテージターンテーブルはもれなく78rpmで回転するようになっている。知らないフリしたって回るものは回るんです(笑)。あとはこうしてSP盤用にカートリッジを用意するだけで秘蔵の音盤から妙なる調べを奏でてくれるのであった。

なんかもう見れば見るほど存在そのものが楽しいカートリッジだよな。SPからLPへの移行期に生まれた時代の徒花というようなものかもしれませんけど、そういうわずかな期間に一生懸命知恵を絞った人たちがいたんだねえ。そういえばLPとCDの両方がかかるプレーヤーってのは出なかったねえ。なんつて。

ね。こりゃもう買うしかないと思いますぜ、旦那。

ところで英文の取説によればSP用の3ミルの針には6から8グラムの針圧を印加せよとあるんだが、いまこのバリレラを取り付けてるトーンアームはマイクロのMA505sで、正式な針圧印加範囲は3グラムまでである。

ずっとオルトフォンCG25Diをこのアームに取り付けてモノラルLPを聴いてきたわけだが、これには4グラムの針圧をかけている。ずっと前にも書いたけど、MA505sの内蔵されたコイルスプリングでかけられる3グラムに加えて、バランスウェイトを前に出して追加の1グラムをかけてるわけだ。まあ邪道でしょうが1円玉をシェルの上に乗っけて1グラム稼いでる人だって大勢いるようだからそのくらいは許してほしいもんです。

しかし6グラムとか8グラムっていわれるとなあ。このトーンアームで正規にかけられる針圧の2倍から上だもん、やっぱりアームの回転軸は大丈夫だろうかなんてちょっと気になったりもする。でも現状そんなこといったって仕方ないので恐る恐る6グラムかけて聴いてみてるのであった。片面3分、両面でも6分だし。

だけどさ。かけてみたいよね8グラム。

かけてみようかな。



by god-zi-lla | 2018-11-10 07:19 | オーディオもねぇ… | Comments(2)

ハーイ、みっちゃく〜ん

ハーイ、みっちゃく〜ん_d0027243_22473142.jpg




SPレコードの続きかと思えばそんなことあるわけないのがこのブログなのであった。

だいぶん前のことだがヘッドシェルのつけ根のとこにハマってるゴム質のリングをいろいろ見比べた(聴き比べてません)ことがあった。あのとき以来気になってたフィデリックスから出てる〈MITCHAKU〉ってシェルを9月に入った頃にひとつ買い求めてみたんだよ。

ようするにまあ、そのまんま名で体を表してるわけでヘッドシェルのコネクターにちょいとした仕掛けを仕込んでトーンアームと「密着」させ、そのリングを追放してやろうという代物なわけだ。

で、ブツは9月の中旬にはすでに手元にあったんですけどいまだ残暑厳しき折でもあり、鼻のアタマから汗がポツンとカートリッジのうえに落ちて呆然としたりするのはイヤなので、10月もなかばをだいぶんすぎたころになってようやっと引っぱり出して現在SME3012Rに取り付いているAT-50ANVで試してみることにしたんであった。

いやなに、ヘッドシェルに付いてるあのリングが気に入らないとかそういうことはまるでないの。もっとカチっと密着するなり嵌合するなりしなきゃ良い音は望めないとかそういうメンドくさいことは性分に合わないから考えもしない。ようするに興味本位ってやつである。

ところで、カメラのレンズの「マウント」ってのがあるじゃないですか。おれは昔のキヤノンFDと現在のオリンパスしか自分で買って使ったことがないからエラそうなことは言えないんだけど、一眼レフカメラのレンズマウントってボディの決められた位置(赤いポチっという印とかね)にレンズを合わせてグリっと回せばカチっという微かな音と確かな感触があって止まる。「決まった」って感じでね。これ以上回す必要はないってことが感触としてちゃんとわかる。

あの「カチッ」てところでレンズとボディは光学的な位置と電子的な接点の両方を確保してカメラの性能の根幹を支えてるんだろうから、やっぱりあの機械的な精度ってのはすごいモンだと思う。しかもそれをしょっちゅうグリグリ回してレンズ取っ替えひっかえするのが前提なわけだ。だからきっとあのレンズマウントってやつにカメラメーカーはおれらモンガイカンの想像を絶する精力をつぎ込んでるにちがいないってことは容易に想像できる。

ようするになんちゅうかまあカメラのレンズマウントとヘッドシェルのコネクターは一見似てるようでいて、じつのところはイノチがけ仕事と片手間仕事くらいの開きが横たわってるんじゃないかと、おれなんかは思うわけだ。

で、フィデリックスのヘッドシェル〈MITCHAKU〉通称みっちゃくんである(いやスマン。ほんとは通称なんかじゃなくておれがそう呼んでるだけです)。コネクター部分の上下に頭を出したピンがまん中の支点で押さえられおり、上に出たピンを前方に押せば下が後ろへ下がり、下のピンを前に押せば上のピンが後退するという仕組みでもって、ヘッドシェルに上下均等のチカラを加えてトーンアームにしっかり引き寄せて、あいまいな弾性素材を追放しようというんだな。



ハーイ、みっちゃく〜ん_d0027243_07095426.jpg




どーせヘタな文章で説明したってわかんないでしょうから写真撮った。横っ腹のピンが支点だね。上下のピンは前後にちょっとだけズレて見えるけど、ようするにクランク状の小片なわけだ。

たしかにこれはウマいこと考えたよなあと思う。上1本のピンより下にもピンがあったほうが上下両方で引っぱるほうがより密着するとは思うんだ。つか上だけ引き込んでいけばたしかに下側にスキマが出来てくるだろうと容易に想像がつきますね。

ところでSMEのヘッドシェルにも上下ピンが出てるところをみるとSME創業者のエイクマン氏もそのように理解してたんじゃあるまいか(エイクマン氏は当初、愛用のオルトフォンSPUを自作のトーンアームで使うためにあのコネクターを採用したそうだが、現行のSPUを見ると上のピン1本しかないから2ピン構造はSMEのオリジナルだろうね)。ただし上下に完璧に同じチカラがかかるわけじゃないから僅かな隙間が出来るとみて、その微調整のためにごく薄いリングを挟むことにしたのかもしれない(上のリンクから以前のエントリの写真を見てちょ)。

サエクが金属製のスプリングワッシャ状のものを弾性素材のリングをやめてコネクタ下側(つまりピンのない側)にビス止めして、ピンのある上側に突き放すチカラが働くようにして上下の均衡を取ろうとしたのと多分考え方としてはおんなじなんだと思うんだな(これも上のリンクに写真)。

縦のピンの上側がトーンアームのコネクター内側に切られた螺旋つまり「ネジ山」に沿って引き込まれていけば下側は中央の水平のピンを支点にして後方に押される。つまりこの下側に出っぱったピン先端がなければヘッドシェル全体が螺旋のミゾによって後方に押されることになってシェル下側には隙間が空くことになるのが、後ろに押されたピン先端はネジ山に今度は前方へ押し出されていくことになり、結果、上側にも下側にもチカラが加わってトーンアームに引き込まれていくことになる。

で、多分上と下どちらもネジ山に確実に接触するように、上下を貫通するピンはまっすぐでなくクランク状に加工されていて微妙に前後にズレらされてるんだと思う。

ここまで来て、ふと思ったんだがSMEのヘッドシェルの上下のピンはどうなってたんだっけ。



ハーイ、みっちゃく〜ん_d0027243_06550709.jpg


あー。SMEも上下のピンをズラしてある。フィデリックス〈MITCHAKU〉と同様に上のピンのほうがトーンアーム側に近い。なるほど、こりゃきっと上下のピンが前後にズレてるのがキモだな。ようするに〈MITCHAKU〉はSMEの微妙に(たぶんトーンアーム側のコネクターに切られたネジ山のピッチに合わせて)ズラされた上下のピンを、さらに強くネジ山に押しつけつつもヘッドシェル全体が上下どちらかに偏って引き込まれるのを極力避けるために工夫・進化させたものだと言えるんじゃあるまいか。

こんなこと言っちゃナンですけど、オーディオって音なんか聴かなくったって見てるだけでもじゅうぶん面白いぜ。

いやいやそんなこと言ってちゃイカンよキミ。オーディオのエンジニアは音質改善のためにこうした工夫を日夜凝らしてるのでしょうから、ユーザーとしてはその工夫を目で愛でてるだけじゃなくて音に耳を澄ませなきゃならないことはいうまでもありません。


---


さっきこのエントリの最初のほうに「興味本位」と書いたあとここまで書き進んで気づいたんだけどさ。おれにとってオーディオつう趣味はまっしぐらに高音質を追求するようなもんでは全然なく、ある意味それはオマケみたいなもんでホントに自分が好きなのは、学校が終わってダラダラとウチまで帰ってくる間のあっちへ寄り道こっちで道草、友だちとじゃれあったり駄菓子屋を覗いたりドングリを拾ったりピンポンダッシュしたり犬のウンコを棒で突っついたりする小学生のあの「通学路」なんだよな。

いやその、「みっちゃくん」やSMEが犬のウンコと言ってるわけじゃあもちろんないんだけどさ。フィデリックスとSMEのヘッドシェルをいくら真剣に見比べてたって音が良くなるわけじゃなし。でもオーディオ好きじゃなかったらそんなところに感心するようなことも金輪際なかったわけだし。だからやっぱりこうやって道草食うのもおれにとっちゃオーディオの大事な楽しみだよなあって思う今日このごろなのであった。


(で、音はどーなんだよって)







by god-zi-lla | 2018-11-04 19:26 | オーディオもねぇ… | Comments(0)

サヨナラShure

サヨナラShure_d0027243_14412456.jpg



つうわけでネット上で話題になっているシュアーのカートリッジなんだった。

しかしそう思って最終的な製品のラインアップを眺めてみればここしばらくは新製品の発表もなかったようだから、ひょっとしたら開発部門はとうの昔に店じまいしてて生産ラインをいつ止めるかということだけだったのかもな。

で、おそらくボディの金型の耐用年数が過ぎたとか、そういうタイミングでお終いにした。

考えてみたらUltra500を買い損なったのはちょっと残念だった気がする。まさかあそこがシュアーのピーク(で最後)だったなんてことは当時たぶん誰も思いもしなかったんじゃあるまいか。

それから学生のときに買ったV15type3が行方不明で、たぶん度重なる引っ越しのどこかの時点でなくしちゃったに違いないんだ。それも残念。なにしろ初めて買った単体のカートリッジだったから。

というわけで写真左はV15type5(スタイラスは純正じゃなくてJICO製だけど)、右がSC35C。ここまで40年ちょっとのオーディオ人生で都合3個のシュアー製カートリッジを使ってきたわけだ。

たぶんこれからも折に触れて引っぱり出しアームに取り付けて聴くのは間違いのないところでしょうけど(げんにSC35Cをつい先日まで聴いてたし)、もうひとつ新しいのを(中古にせよ新品にせよ)買うかどうかはちょっとわからない。

だけど、あのシュアーがねえ、って。

それは古いオーディオマニアはみんな思うよねえ。


by god-zi-lla | 2018-05-10 15:07 | オーディオもねぇ… | Comments(4)
トランスのロータリースイッチをぐりぐりする_d0027243_16370603.jpg



久しぶりにステレオ装置の、とくにmarantz7を中心に接点をあちこち綿棒と接点復活剤とアルコールできれいさっぱり磨いてやった。そしてついでにラックの手の届くところのホコリを払って掃除機で吸い込み、さらについでに部屋のそこいらへんにも掃除機をかけて(奥さんの顔色見ながら)いかにも家庭内を清浄に保つため日夜努力を惜しんでないようなフリをしてみたりして。

で写真のブツについてはじつのところメンド臭いもんだから、ずいぶんと前から(もう何年も何年も何年も)モンダイ先送りに先送りを重ねてきたのであったが、本日ついに観念して結線を外してラックから取り出しボンネットを開けてみたのである。

いえね。どってことじゃないんです。このアントレーET100って昇圧トランスをヤフオクで手に入れたのがいつだったかと、自分のブログのなかを検索してみたらもう10年前だ。早いモンだねえ、トシ取るはずだぜ。その時点ですでにこのトランスは20年選手くらいだったでしょうから、いまやもう野村克也か岩田鉄五郎か景浦安武かってくらいなモンである。

写真だと右側がフロントパネルで、ここにロータリースイッチが2個ならんでいる。そのうちの手前側に見えるヤツがインピーダンス切り替えのためのロータリースイッチで(トランスをpassすることもできる)、奥のヤツは3系統ある入力を切り替えるスイッチである。

じつはおれんちで使い始めた最初っからインピーダンス切り替えのほうのロータリースイッチが固くて、回すのにやや難儀してたんだよ。

本来こういうスイッチはカチャカチャカチャカチャっていうクリック感を伴って回転するはずのもんだけど(marantz7のセレクターなんてとっても小気味よい音がして、キカイいじってんなー感が満喫できる)、どうもコイツは相当にヌチャーっとしてキャラメルを奥歯で噛んでくっついちゃったような回し心地で、なんかあんまり感じよくないんだよ。

だけどそうそう頻繁に使うスイッチでもないしさ。そのうちフタ開けて見てやろうと思ってるうちに幾星霜、しかもどんどん固くなっていって最近はほとんど固着したかと思うくらいで、うんとチカラを入れて回してみればスイッチは切り替わらずにノブが空回りするくらいになっちゃってさ。こりゃあいくらなんでもアレでしょ。どう考えても考えなくても事態はあたかも氷河の流れのごとく少しずつ、しかし着実に悪化してるんである。

だけどこういう状況になったら本来はロータリースイッチを筐体から取り外して分解し、キレイにクリーニングして元に戻すというのが王道なんでしょうが、こちとらシロートだからそこまでのことはもちろん出来ません。

なので、ボンネットを開けてシゲシゲとロータリースイッチを眺めたあと、このへんだろうというあたりにCRC5-5-6を少しだけスプレーして、あとはひたすらノブをひねり続けたんでした。とにかく最初はほぼ固着状態だからすごくチカラを入れないと回ってくれない。なにしろ軸は動かないのにノブだけがスリップして回っちゃうんだぜ。だからノブが空回りしないように何度かノブをスイッチの軸に止めてあるイモネジをぐいっと締め直しながらヒネり上げることおよそ5分、じわじわCRC5-5-6が浸透し始めたのか、なんとか回り始めたのをさらに数分カチャカチャやってるうちにようやっと当たり前のロータリースイッチの感触になってきたんである。めでたしめでたし。

そんなことをやりながらフト思ったんだけど、そういえば近ごろのMC用昇圧トランスで複数の入力やインピーダンスの選択を出来る製品ってのをとんと見かけない。オーディオの中心がレコードを聴くことだった時代、少なくとも国産に限っていえばアントレーをはじめDENON(デンオンね)とかFRとか、こういうスイッチを持ったトランスは珍しくなかったんじゃあるまいか。

まあなんつうか、こういう汎用性の高い機材つうのはいわゆる高級品というもんではない。そこそこのMCカートリッジをいくつか使い分けて音の違いを味わってみたいけど、トランスはひとつでなんとかしたいってのがごく普通のオーディオマニアのささやかな願望というようなもんであって、そのささやかな願望をかなえるための中級の汎用トランスがごく当たり前の製品としていくつもあったわけだ。

ところが、こういう切り替えスイッチの存在がそもそも音を劣化させるからイカンと、だから切り替えスイッチを便利がってホイホイ使うようなヤカラがオーディマニアでございってデカいツラするのは言語道断である、みたいなね。まあそう言われると、おれみたいな気の弱いのはついシュンとしちゃったりするわけさ。もちろんアタクシ切り替えスイッチやら接点なんてのはないほうが音が良いという正論に楯つくキモチなんて毛頭ございません。

んまあしかしね。音もそこそこで取り回しもそこそこ便利で、しかもいろいろな音を楽しんでみたいつうのだって求道者的に音質追求するのとは別の、オーディオの楽しみ方ってもんでもあるわけでさ。

なんつうか、オーディオって道楽はいつのまにか(たぶんこの国の高度経済成長の時代が終わったのと軌を一にしてるんでしょうけど)裾野の部分が消えてなくなり、てっぺんに近いあたりのごく薄い層だけが残った。

切り替えスイッチの付いたトランスってのもきっと「裾野」のほうに属してたんだろうな。だからいつのまにか消えてなくなっちゃった。まあレコード自体がなくなりかけてたわけだから、仕方なかったってのも大きいんでしょうけどね。

だからおれのようなそこそこ便利でそこそこ音が良けりゃオッケーつう「裾野オーディオマニア」の残党にとっちゃ、これはじつに良いトランスでね。同じような製品がもう作られていない以上、せっかく手に入れたこいつを後生大事に使ってくしかないわけだ(切り替えスイッチなんかなくて、これよりずっと高くて、これよりいい音のするトランスを試聴させてもらって、こういうのが欲しいなあと思ったことはあるけどね)。

そんなわけでロータリースイッチはグリグリしてるうちになんとか回せるようになったから、RCAジャックをキレイに拭いてmarantz7のとなりのいつもの場所に戻して写真を1枚撮ってみたんでした。

ホントは棚のもう少し引っ込んだところでいかにも日陰者というような雰囲気を醸し出してるんだけど、せっかく写真に写るんだからほんのちょっと前に出してやったのであった。めでたしめでたし。

ちなみに今はシュアーSC35CがSMEにくっつけてあるので、ステレオレコードかけるときはくだんのロータリースイッチを回して「PASS」のところにしてあるんです。そりゃあSMEの出力ケーブルをmarantz7のもうひとつのPhono入力に直接入れるほうがいいんでしょうけど、このほうがラクチンだからね。聴き比べてみたこともあるけど、じっさい手間ほどの違いが音にあるとは思えない。

そんなことしてる間にLP片面よけいに聴いたほうが、おれの人生豊かになるってもんである。

ようするに、シアワセかどうかの分岐点なんて人それぞれだってことなのよ。

トランスのロータリースイッチをぐりぐりする_d0027243_19054334.jpg

あーそれから、モノラル用のオルトフォンCG25Diは高出力だからトランスを通さなくても鳴るんだけど、おれはこのアントレーで昇圧した音のほうが好ましいので「3Ω」のポジションにスイッチを合わせて聴いている。

ロータリースイッチで渡るシアワセの分岐点、なんちて。




by god-zi-lla | 2018-04-23 11:03 | オーディオもねぇ… | Comments(4)
新しいカートリッジキーパーは108円税込みです_d0027243_10134428.jpg



どうもおれんとこのオーディオネタはビンボったらしくていけねえなあとは思いつつ、こんだは108円のカートリッジキーパーなんであった。

だいぶん前にこさえた4本立てのキーパーはとうの昔に満員御礼でね。ハミ出したカートリッジは行き場がなくてプレーヤーのまわりで哀れ野ざらし状態。

だけどそもそも増えたカートリッジの値段が6千円とか、せいぜいが1万円とかですから。出来ることならそこいらへんに転がってる「柿の種」の缶にでも放り込んで済むもんだったらそうしたいとこだけども、ブツがブツだけにそうもまいらない。

しかし既成のカートリッジキーパーを買うとなれば安いのだって1万円近かったりして、うっかりすると(うっかりしなくても)おれんちのカートリッジよりも高級だったりする。しまわれるご本尊よりしまう容れ物のほうが大事だなんてのはちょっとカンベンしてほしい。

なのでハナっから市販品を買う気なんてサラサラないわけだ。

いまSMEにひっ付けて日夜聴いてるのが写真中央のシュアーSC35Cなんだけど、コイツは筒状の透明なプラスティックのケースに入って売られていた。その筒の両端を塞ぐやや軟質の樹脂製キャップがあって、いま写真でカートリッジを支えている半透明の丸い土台がそいつである。

ようするにお買い上げ後はこのケースをカートリッジキーパーとして使ってね。ひとつの筒に2つ向かい合わせで入れられるんだから、とっても親切な工夫でしょ。ってシュアー社は自慢たらたらなのかもしれないんだがヘッドシェルにカートリッジをつけてコイツに入れてみるとカンチレバーをケースに引っ掛けて折りそうでとっても怖い(いちおう試してみたんだけど、とても常用する気にはならないね)。

だからこのキャップだけを使ってもうちょっと心配の少ないキーパーをなんとかしてやろうとしたのが写真なんでした。

ところで前回のケースは渋谷のハンズで1260円もした。買ってからふと考えた。こんなもんは百円ショップにいっくらでもあるんじゃあるまいか。後日近所のダイソーへ偵察に行ってみれば案の定、似たようなケースが当たり前のように並んでるじゃんよ。

つうわけで今回のは108円税込み。さすがに1260円よりは材質的にだいぶんペカペカしてチャチだけどもまあ仕方ありません。

とにかくそいつをひとつ買い求め、くだんのキャップを2液式のエポキシ接着剤で黒いベースに固定(瞬間接着剤は強度的に不安があるし、固着するまでにガスが発生して合成樹脂の表面を白濁させたりする恐れもあるから使わない)、めでたくゴーカ2本立てカートリッジキーパーが完成したのであった。

それにしてもあれだ。この1万円でずいぶんオツリの来る0.6ミル丸針付きのMMカートリッジで、なぜかここんとこ10代のおしまい頃からハタチ代の初めころに買った国内盤のレコードばかり聴いてるんだが、これがすごくいい、っつうか、いまふうに言うとココロに刺さってくる感じがしてさ。

オリジナル盤や初期盤の音を知って以来、なんかちょっと頼りない音がしてると思ってたそれら国内盤レコードから結構チカラのある音を6548円のカートリッジが引っ掻き出してくる。ステレオもモノもひっくるめてだ。

そうそう、引っ掻き出してくる感じなのよ。4.5グラムの針圧をかけた大ざっぱで熊手みたいな針先が、音といっしょに40年前そのレコードを買って初めて聴いたときの気持ちまで、ココロの奥のほうから引っ掻き出してくるようなんだな。

困ったもんである。


by god-zi-lla | 2018-04-11 18:58 | オーディオもねぇ… | Comments(0)
吹けば飛ぶようなお試しはヘッドシェルの根っこに付いてるワッシャ_d0027243_08131288.jpg
なにしろ村田英雄の世界である。じっさい写真に撮ってるうちにうっかり鼻息に乗ってひゅうーっと飛んでっちゃって一時はエラい騒ぎだ。あちゃーこれじゃ発見するまでは掃除機もかけられない。自分のモンだったらさっさと諦めるところだったかもしれないが、だいたいこの借り物のワッシャがお値段いくらなのかもわからない。うっかりなくしました弁償しますで家屋敷(そんなもん持ってないけど)売っ払うハメにならないとも今日びのオーディオというのは限らないからコワいんだよ。

あーよかった見つかって。

つうわけでヘッドシェルのコネクタんとこに付ける輪っか、英語で言うとワッシャである。

似てるよね、輪っかとワッシャ。そりゃ語源は同じですから。

なーんつって書いたりすると近ごろはネットに出てることと広辞苑に出てることを等価に見る人がホントにいるらしいので恐いから念のため言っておきますが、このブログの内容はすべてウソだからね。ウソもウソ、大ウソのコンコンチキ。だからそんなものを信じてうっかり大金持ちになったりする人がいたってぼくは責任持ちませんからね。

それで村田英雄の世界である。

借りてきたはいいんだが、そういえばこのヘッドシェルのワッシャって必ず付いてるものだっけという疑問がフツフツを湧き上がってきたんであった。まあなんとなく付いてるのがふつうのような気がするけど、みんながみんなヘッドシェルといえば洋の東西、ネコと杓子、有象と無象を問わず付いてるものなのであろうか。

と思ったのでウチにあるヘッドシェル(だけってわけにはいかないからカートリッジ付いたまま)引っぱり出してしげしげと眺めてみたのであった。

じつはほとんど考えたことなかったのよね。なにしろメンドくさいのが苦手なものですから。

たとえばヘッドシェルのリード線を変えると音が変わるというのは、はるか昔っから知られてたことだからソレ用の製品もずいぶん前から売られてたわけですけどそんなことするのメンドくさいじゃんか。ピンセットとかちまちまちまちま取り出して、あんな細っこちい線を4本も外したり繋いだりしてさ。しかも、うっかりすりゃカンチレバーをボキっといくかもしれないってのに。あーヤダヤダ、おれはイヤだねそんなの。

つうわけで一旦カートリッジを取り付けたヘッドシェルをいじくるなんて今まで一度もありませんのさ。だからじっくり見もしない。たまにコネクタの接点を綿棒につけたアルコールで拭くくらいなもんでワッシャがどーしたかなんてわっしゃ知りませんぞえ。

でまあ、いい機会だからと観察してみたんですけど。
吹けば飛ぶようなお試しはヘッドシェルの根っこに付いてるワッシャ_d0027243_07584730.jpg
↑いま使ってるオーディオテクニカのAT-50ANVを付けた同じテクニカのヘッドシェル。あー付いてますね、ゴム系の一見上の写真の借り物と似てるようにも見えるワッシャがたしかに付いてる。厚みは借り物よりも薄いね。
吹けば飛ぶようなお試しはヘッドシェルの根っこに付いてるワッシャ_d0027243_07591797.jpg
↑これはつい先日まで使ってて現在ベンチで休養中のベンツマイクロGlider SLを付けてあるシェルターのヘッドシェルだけど、これもよく似た材質のワッシャが付いている。だけどこっちのほうが気持ち厚いかもしれない。んーむ、こうやって見ると同じワッシャでも違うもんだな。それぞれメーカーの主張ってのが出てんでしょうか。
吹けば飛ぶようなお試しはヘッドシェルの根っこに付いてるワッシャ_d0027243_07594957.jpg
↑こいつはトラディショナルなSMEの純正ヘッドシェル。いまはシュアーのV15 TypeVを付けてある。いままでのふたつにはないピンが1本突き出してる。もちろん反対側(トーンアーム装着時でいえば上側)にも他のヘッドシェル同様ピンが立っている。

これはね、一瞬ワッシャが付いてないのかと思っちゃってさ。なにしろ25年以上使い続けてきたせいなのか写真では薄いワッシャが見えてますけど、コイツがヘッドシェルの基部側の黒いところに固着してパッと見だとワッシャが付いてるようには見えなかったんだよ。だけど、なんとなく段がついてるように見えたから細いドライバーの先でほじくってやったところがこの写真なり。上のふたつに比べたらかなり薄い。材質はよくわからない。

外してみようとしたら柔軟性がなくて写真に見えるピンをくぐらせることが出来ない。もともとそういう弾力や柔軟性のない素材だったのか経年で硬化したのか。おぼろな記憶を辿ると昔は外せたような気もするんだよな。だいち、このピンのうえを越えていけないんだったら、そもそも取り付けられないじゃんか。

ここまで書いたら突然気になり始めてもう確かめないと気が済まなくなったんだけどさ。ピックアップ交換式のトーンアームのオリジナルがこのSMEで、日本じゃいわゆるデファクトスタンダードになってるわけです。つことは、コネクタ部分の上下にピンのあるSMEが本来の姿ってことなわけだ。

いま現行製品として売られてるヘッドシェルを調べてみるとSME以外にもいくつかあるみたいだけど、大多数はおれの持ってるテクニカやシェルターのような上面に1本ピンのあるタイプみたいなんだな。これはいったいどういうことなんでしょうか。1本あればじゅうぶんだからコスト削減のため上面だけすることが多くなったのか。あるいはもっと積極的に2本より1本のほうがしっかり固定できるということでもあるのか。

ここの機構っていうのはようするにヘッドシェルをトーンアームのコネクタに差し込んでアーム側にあるコネクタ外側のリングを回すと、リングの内側に切ってある雌ネジ式の螺旋にピンが導かれてアーム側の接点とシェル側の接点が接触するようになってるんだと思うんだが、上のピンでも下のピンでもそれは同じなのか肉眼で見てもよくわからなかったので写真に撮ってみた。
吹けば飛ぶようなお試しはヘッドシェルの根っこに付いてるワッシャ_d0027243_13183635.jpg
吹けば飛ぶようなお試しはヘッドシェルの根っこに付いてるワッシャ_d0027243_13185939.jpg
ちょっとわかりにくいかもしれないけど、上下ともピンの入る溝の作りは同じみたいだ。そうするとSMEオリジナルでは上下のピン両方が同時に螺旋に従ってトーンアーム奥へ導かれていくわけだ。ふつう考えると上下で引っぱってもらうほうがスムーズにまっすぐ奥へ進むから合理的であちこちにムリな力がかからなくて良いような気がする。

それをわざわざオリジナルと違う機構を採用する理由ってのがよくわからない。たいした違いはないからコストかからないほうでいいやってことだけなのかしらん。

当たってるかどうかわかんないけど、SMEに付いてるワッシャがほかのよりずっと薄いのはピン2本でしっかり引っ張り込めば結構かっちり固定できるのでワッシャはたんなる「念のため」的なものだから薄いものでオッケーなんだってことのように見えないでもない。コスト削減のため1本にしちゃうとやっぱりちょっと引っぱりが足らなくなる(つまり上はちゃんと奥まで行くが下はちょっとだけ手前にとどまるというような事態が起きる)のでやや厚手のワッシャで誤魔化しちゃってるという感じなのかなんて、ちょっと邪推してみたりするわけだ。

だけど、そうじゃなくて1本ピンにする理由ってのがあるのかもしれない。

吹けば飛ぶようなお試しはヘッドシェルの根っこに付いてるワッシャ_d0027243_08001127.jpg
↑というのもこのサエクだ。

これはたぶん上のSMEより以前から使ってきたと思う。いまはシュアーのSC35Cが付いている。これもシェルター、テクニカと同じ1ピンなんだけど、いままでの3つとまったく違う金属の(真鍮か)のワッシャが小さなネジで取り付けられてる。ワッシャと一体の出っ張っりを折り曲げたところがネジ止めされてるんだけども、この折り曲げ角度が直角よりごく僅か鈍角なのでワッシャの写真でいえば下側(アームに取り付けたときには上側になる)ではワッシャとヘッドシェル基部にすき間が空くよう作られてる。

ぎゃくにワッシャ表面上部のトーンアームに当たる側にふたつプレス成形による突起があるのが写真でわかりますか。コネクタを締めていってこの突起がトーンアームの先端部にカチっと当たったところでストップ、そうすると反対側は金属ワッシャのスプリング作用でガタを排除するって仕組みらしい。

これってピン1本「節約」するよりよけいなコストがもしかしてかかってるんじゃあるまいかしらん。

ところで、ここにワッシャを入れる理由はあくまでトーンアームにヘッドシェルを取り付けた際のガタつきを取るためのものだと思うんだけど、サエクにこういうことされるとSMEオリジナルの2ピンより、下のピン1本だけにしておいてなおかつアイマイなゴム系のワッシャなんか挟まずに金属のスプリングに同様の働きをさせたほうが音質的に良いのだと主張されてるようじゃんか。

なにしろあの無骨なダブルナイフエッジのトーンアームを作ったサエクの、その純正ヘッドシェルがこれなんだからさ。

で、これからこのワッシャをヘッドシェルの純正ワッシャと取り替えて聴き比べてやろうっつうわけだ。できたらこのサエクの金属ワッシャも取り外して試したほうがいろいろ楽しそうな結果が待ってそうではありますけど、メンドくさがりのおれがはたしてそこまでやるのかしらね(他人事だな)。

ちなみにこのナゾのワッシャはゴム系に見えるけどゴムじゃなくて何か新素材らしいんだけどよくわからない。製品化されるのかどうかもわからない。そもそもホントにヘッドシェルのワッシャなのかどうかよくわからない。たしかにちょうどハマりますけど、ヨノナカここにハマりそうなワッシャなんていくらでもありそうだし。

吹けば飛ぶようなお試しはヘッドシェルの根っこに付いてるワッシャ_d0027243_08004064.jpg
で、テクニカのヘッドシェルにナゾのワッシャを付けてみたところ。

しかし色々ゴタクは多いけどホントにこんなもの1個で音が変わるって信じてるのかね、というのが真っ当な世間さまの反応というものである。

けだしオーディオマニアというのは困ったモンではある。


by god-zi-lla | 2017-08-20 14:18 | オーディオもねぇ… | Comments(2)
黄色いビニールテープ(だいぶ前の続きのような何か)_d0027243_00074170.jpg
もしかして(to be continued)なんてどっかに書いてそのまま放っぽり出してた覚えがあるようでないんだが、ようするに続きを書くのに飽きたかメンドくさくなってきたときに使ってるだけだからまあ無責任なモンである(というのもあんまりな気がしないでもないから、いちおうここの続きということにする)。

つうわけでトーレンスTD521の奥に無理やり置いたサブベースに取り付けたマイクロMA505SとオルトフォンCG25Diは今や昔っからそこにあったような当たり前の顔をして日夜出番を待っているのであった。

だけどね。なにしろ無理やりこんなアブなっかしいとこに置いて使ってんですから、ぢつはほかにもいろいろ無理やら無法なことやらずには済まないんだ。

これは昔書いた気がしないでもないけど、そもそもCG25Diが重すぎるのでMA505Sに付属(だと思うんだけど)のサブウェイトを使ってもバランスが取れない。なので写真、MA505Sのお尻に見える二つの部分に分かれたバランスウェイトの後ろ側のひとつは金属加工屋さんに作ってもらった特注の大型サブウェイトです。

そもそもそれがムリの始まり。

でまあ特注サブウェイトでもってバランスは取れましたがMA505の針圧印加機構の上限は3グラムと決まっている。なのにCG25Diの針圧印加範囲は3.0から4.5グラムで推奨針圧は3.5グラムと取扱説明書にあるんだ。まあ3グラムあれば使えないことはないんだけど、いままで数十年カートリッジいろいろ使ってきて適正針圧印加範囲のいちばん軽いほうの端で良い音を出せた経験が一度もないし(むしろ推奨値よりも重いほうが経験上良い音を出しやすい)、なによりこれじゃあ適正値を探ることすらできない。

なにしろMA505Sはスプリングの張力で針圧をかける方式のトーンアームだからシロートにはいじりようがない。仕方ないのでほんらいの針圧印加機構でもって3.0グラムかけたあと、バランスウェイトを前に動かして3.0グラムより重いぶんの針圧をかけてやるわけです。

それがムリの重ね着。

で、ここからが本題なんだが、MA505Sのいわゆるオーバーハング値は15ミリメートルとされている。まあこの種の有効長21〜23センチメートル内外のトーンアームとしたら標準的な値だとは思うんだけど、このムリな置き方だとその15ミリがわずかなところで取れないということがわかった。たぶん1ミリか1.5ミリくらい足らない。

オーバーハング値ってのはトーンアームに取り付けたカートリッジの針先とトーンアームの支点を結んだ直線がターンテーブルのスピンドルの中心を通ったとき、スピンドルの中心とカートリッジの針先の間の距離の値のことですけども、ようするにその値になるようにトーンアームを設置したとき、レコードの溝に対して針がいちばん適切な角度を保てるという指針なわけだ。

これがうまく取れない。ちょっと足らないということはつまりMA505Sがターンテーブルにごくわずか近すぎるということなんだが、これを遠ざけようとすると写真うしろの崖下にアームベースごと転落するかもしれない。

たぶんあと5ミリほど後ろにズラす。やって出来ないこともなさそうなんだけど、やっぱ恐くて出来ません。

でもさー、オーバーハングなんてどうせ精密に計ることなんか出来っこないんだよ(居直り、だな)。それに大事なのは針先が音溝に触れるとき出来るかぎりスピンドルの中心と針先を結んだ仮想の直線に直角(つまり接線的な)の延長線上にトーンアームの支点があるように調整するってことだからさ。だいたい音溝のどのあたり(内周か外周か、あるいはまん中へんか)を基準にするかでハナシはずいぶん変わってしまうのであった。

だからSMEのトーンアームにはオーバーハング値を示すのじゃなくて針先位置調整のためのゲージが1枚入ってるわけだ。

でね。これを流用して調整するの。そのSMEの紙製のゲージを使ってアームベース全体をプレーヤーのボディに沿って少しずつ滑らせてみる。もちろん厳密にいえば違うのかもしれませんけど、これで結構なところまで追い込める。あとは勘。

それで、まあこのへんだろうというところで位置を決めたら目印を付ける。なにしろアームベースはラックの上に置いてあるだけで固定していないわけだから、なにかの都合で動かしたり動いちゃったりしたときのために目印がなきゃいけない。

そこで黄色いビニールテープを貼ったわけだ。
ちょっと(いや、かなり)みっともないけど、よく目立つし剥がすこともできます。

以上がムリの上塗り。

まあストイックにオーディオに取り組まれてる方々からしたら許しがたい愚挙の数々でしょうけども、こんなことしたらキカイが壊れるなんてことはないしね(落っことして壊す不安はありますけど)。音だってそうヘンテコリンなことになってるとは思えない。

ともかくおカネもなければスペースもないけど、手っ取り早くモノラル環境を復活させて一刻も早く1枚でもたくさんモノラルレコードが聴きたいっていうその欲望だけが元手だったからね。

そのせいかモノラルレコードをモノラルカートリッジで再び聴けるようになったっていうシアワセ感が思ったよりずっと大きくて、そのシアワセな気分がスピーカーからきこえてくる音にずいぶん影響を与えてる気がしてならない。

おカネがあればこのスペースでも出来そうなことはあるんだけどさ。たとえば最近欧米製によく見かけるボディのないスケルトンタイプのターンテーブル(例えばこういうやつ)をダブルアームで使うことにして、そのトーンアームの1本をCG25Diが特別な小細工なしで使えるヤツにしてみる、なんていうのはいかにもスマートでしょ。

だけどまあ実際問題そんなおカネはないわけだし、トーレンスTD521を四半世紀も使ってそれなりの愛着ってものもあるしさ。長年使い慣れた機械でなんとかなるのであれば、新鮮な発見はもうないかもしれないけど思いもしなかった難題に今さら遭遇する危険もまた少ないからね。

そこそこの音になってくれさえすれば、あとは何も考えずに棚からレコードを引っぱり出してくればいいだけです。そのためにこちとらオーディオいじってんですから。


by god-zi-lla | 2017-05-27 13:19 | オーディオもねぇ… | Comments(0)