神はどーだっていいとこに宿る


by god-zi-lla
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えーとね。このエントリは結果として自分のためのメモになっちゃったから多分わかりにくいです。なので適当に飛ばして読んでいただくか、ハナっから全部無視してくだされたく存じますです。



アメリカのResonance Recordsつう会社からエリック・ドルフィーの未発表録音を出すってアナウンスが最初にあったのはもう2年くらい前だったんじゃないかね。漏れ聞こえてくる情報によるとそれは63年のアラン・ダグラスがプロデュースしたレコーディングセッションの残りのテイクだっていうんだな。

Resonance Recordsってのはジャズの未発表録音の発掘を精力的にリリースしてる会社で、最近じゃビル・エヴァンスとかウェス・モンゴメリーなんかの重要録音をつぎつぎ掘り出して話題になったようだが、おれが買ったのはコルトレーンの66年テンプル大学のライヴ盤とサド・メル楽団のこれも66年ヴィレッジヴァンガードにおけるデビューライヴのふたつだけだ。

そして待つこと2年、やってきたブツは〈ERIC DOLPHY MUSIAL PROPHET - THE EXPANDED 1963 NEW YORK STUDIO SESSIONS〉ってタイトルの3枚組のLPだ。こいつは今年の「Record Store Days」限定商品のようで、そのステッカーが貼ってある。じつはこれとは別に国内盤のCDも予約してあるけど、まだ発売されてない。

なにしろ立派なブックレットが付くと予告されてたからさ。ならばきっと国内盤のCDには対訳が付くでしょうから、英語不如意なおれはCDも買うことにしたんでした。日本語版ブックレットの付いた国内盤のLPが出るってわかってりゃいいんだけど、現時点でも出るのかどうかわかんないんだからLPもCDも買えるときに買っとくしかない。

それはともかく、肝心の3枚のLPの中身はというとダグラスのセッションのうちアルバムとしてリリースされた〈CONVERSATIONS〉と〈IRON MAN〉のすべて。これでほぼLP2枚ぶんになっている。つまりこの2枚についていえばすでに何枚も持ってるアルバムをまた買わされたわけだ。まあ昨今同じ中身を何度もくるみ替えて売り出しちゃあ同じ人間に売りつけるというのがレコード業界の当たり前の商売ですから(『ビジネスモデル』ってヤツね)いちいちあげつらったりしませんけどさ(あげつらってるって)。

で、残りのLP1枚分とちょいが「Previously Unissued」だってわけだ。なんかさ、このコトバに弱いのよね。つい買っちゃう。ときどきダマされもする。でも買わずにいられない。

その「Previously Unissued」の内訳ですけど、アルバム〈CONVERSATIONS〉(VeeJayの〈ERIC DOLPHY MEMORIAL ALBUM〉も同内容)が収められた1枚目の余白にドルフィーとベースのリチャード・デイヴィスのデュオ〈Muses For Richard Davis〉が2テイク。

それからアルバム〈IRON MAN〉が収録された2枚目の余白にボーナストラックとして〈A Personal Statement〉という曲が収められている。なんでこれだけが「ボーナス」なんだと思ったらこのトラックのみダグラスセッションではなく87年にBlue Noteから突然登場したドルフィーの完全未発表アルバム〈OTHER ASPECTS〉に入ってる〈Jim Crow〉と同じ曲の別テイクとある(それはそれでびっくりだ)。

そしていよいよ3枚目が「PREVIOUSLY UNISSUED OFFICIAL STUDIO RECORDINGS」と銘打たれて、〈CONVERSATIONS〉と〈IRON MAN〉に収められた合計9曲のうち6曲の別テイク7トラック(どれも完奏した完全テイク)が、時間にして53分超収録されている。

ところでさ。5年前のちょうど今ごろの季節、横浜のマシュマロレコードからドルフィーの〈MUSES〉ってアルバムが突然出た。そのアルバムについてはここに書きとめておいた。今回のアルバムと同じようにアラン・ダグラスのレコーディングセッションから未発表のトラックをLP1枚にまとめたもので、とくにアルバムタイトルになっている〈Muses〉って曲はそれまでまったく知られてなかったドルフィーのオリジナル曲だっていうのでめちゃくちゃ驚いたもんだった。

つうことはアレですか。

ダグラスセッションにはその〈MUSES〉収録の未発表テイクに加えて、さらに今回のResonance Recordsのアルバムに収められた「Previously Unissued」なテイクが半世紀以上にわたって日の目を見ずに眠っていたってことなのか。

ちょっと待てよ。整理してみるか。

で、基本的な身元調べだ。池田版〈ERIC DOLPHY DISCOGRAPHY〉(2011年10月改訂再版)の「83 ERIC DOLPHY/CONVERSATIONS - IRON MAN」の項によれば、くだんのダグラスセッションについて

Jul.1, 1963
〈Muses〉(unissued)
〈Alone Together〉FM308(アルバム〈CONVERSATIONS〉に収録の意。以下同)
〈Ode To C.P.〉SD785(アルバム〈 IRON MAN〉に収録の意。以下同)
〈Come Sunday〉SD785
〈Alone Together(alternate take)〉(unissued)

Jul.3, 1963
〈Burning Spear〉SD785
〈Music Matador〉FM308
〈Iron Man〉SD785
〈Jitterbug Waltz〉FM308
〈Mandrake〉SD785
〈Love Me〉FM308
〈Iron Man(alternate take)〉(unissued)
〈Mandrake(alternate take)〉(unissued)

ということはつまり2011年10月時点で13テイクの存在が確認され、そのうちの九つのテイクが60年代に2枚のアルバムとしてリリースされているということだ。

で2013年マシュマロレコードの〈MUSES〉に収録されてるトラックは

〈Alone Together(alternate take)〉
〈Muses〉
〈Iron Man(alternate take)〉
〈Love Me (alternate take)〉*
〈Mandrake(alternate take)〉

「*」を付けた〈Love Me〉は上の池田版ディスコグラフィには記述がないから2011年以降の新発見てことなんだろう。

そして今回のResonance Recordsのアルバムで「Previously Unissued」とされるトラックは

〈Muses For Richard Davis(alternate take 1)〉
〈Muses For Richard Davis(alternate take 2)〉△
〈Music Matador (alternate take)〉△
〈Love Me (alternate take 1)〉
〈Love Me (alternate take 2)〉△
〈Alone Together(alternate take)〉
〈Jitterbug Waltz (alternate take)〉△
〈Mandrake(alternate take)〉
〈Burning Spear (alternate take)〉△

ちなみに〈Muses For Richard Davis〉は〈Muses〉と同じ曲。

つうわけで池田版ディスコグラフィにもマシュマロレコードのアルバムにもないのが「△」を付けた五つのトラックってことになる。ということは「△」のない四つはマシュマロとダブってて「Previously Unissued」の看板はそこについては偽りアリってことか。

前にも書いたことだけど5年前バスクラのドルフィーとベースのリチャード・デイヴィスのデュオ〈Muses〉を初めて聴いたとき、んー、こんなに素晴らしい曲と演奏が半世紀も埋もれたままだったなんて信じられない。だけどそれをこうやって聴くことが出来るようになって幸せだよなあとつくづく思ったものだった。

それが今になってもうワンテイク出てきたっていうんだからすごい。そう思いながらこのふたつの〈Muses〉を聴いたわけだ。

でさ。じつはひととおり聴き終わったあとすぐにこのエントリを書き始めた。それで書き進めながら、さてディスコグラフィにもない「新発掘」らしい別テイクと既存テイクはどんなふうに違ってるものかと聴き比べるのもいいかなと思ったんだよ。で、あらためてふたつの〈Muses〉を聴いてから、マシュマロレコードのアルバムをターンテーブルに乗せてこっちの〈Muses〉を聴いてみたわけだ。

音質についていうとマシュマロよりも今回の新しいアルバムのほうが断然いい。たぶんResonance Recordsのほうがマスターテープに近い音源で、マシュマロのはだいぶ世代が下ってる感じのもごもごした音。最初はそのせいじゃないかとも思ったんだが、聴いてるうちになんとなくマシュマロ所収の〈Muses〉はResonance Recordsに収められた二つの〈Muses For Richard Davis〉のどちらとも違うような気がしてきてさ。

演奏時間もちょっとずつ違うんだよ。ジャケットに記載された時間を見るとResonance Recordsの最初のテイクが7分39秒、ふたつめが8分31秒。そしてマシュマロレコードの〈Muses〉は8分49秒。

演奏の構成は三つともまったく同じなんだよ。穏やかで短いビート感のないテーマを、バスクラのドルフィーと弓弾きベースのデイヴィスのどちらかひとりがニュアンスを微妙に変化させながら繰り返し演奏していくところに、もう一人がオブリガートを付ける。その「主」と「従」が何回か入れ替わりながら演奏は静かに続く。

何回か聴いてるうちにResonanceのふたつのトラックのエンディング近くにはどちらもデイヴィスのベースのごく短いアルペジオ(ふたつのトラックのアルペジオはわずかに音数が違う)があるのに、マシュマロのトラックではそれが聞こえない気がする。

Resonanceのふたつの〈Muses〉のどっちかとマシュマロの〈Muses〉が同一テイクだと勝手に思い込んでたけど、こりゃあもしかして三つとも別のテイクなんじゃあるまいか。

じゃあ〈Muses〉以外はどうなってんのかしらん。

そう思って両方のジャケットにある演奏時間を見比べてみるとマシュマロの〈Mandrake〉は4分19秒、Resonanceの〈Mandrake〉は6分48秒になってるじゃんか。上記ディスコグラフィによれば〈Mandrake〉の未発表別テイクはひとつになっている。だけど聴いてみると明らかにマシュマロのほうがドルフィーのソロが短い。編集で切った感じでもない。すると〈Mandrake〉も3テイクあったわけか。

いやあ、最初このエントリを書き始めたときは、「やっぱドルフィーはいいよな。この新しいResonance Records盤は音もいいし初めて聴くテイクもあるし、ブックレットにもいい写真がいっぱいあってGOODなニューアルバムよね」つうような能天気なお買い物自慢にするつもりだったのが、ちょっと雲行きが変わってきちゃったぜ。

じゃあそれ以外のトラックはどうなのか、マシュマロ盤とダブってるようだけど実はそうじゃなかったりするのか。あと何回か聴き比べてみなきゃいけないかな。

こういうことはドルフィー研究家とかディープなコレクターの皆さんは先刻ご承知のことばっかなのかもしれないけど、おれみたいに市販の音源を手に入れて楽しんでる一般庶民にはまったく未知の世界なんだよな。

来週あたり出る日本盤CDの解説にひょっとしてそのへんのことが整理されて載ってたりしないかと思うんだけど、あんまり期待はできない気がする。LPのブックレットには見た感じそういうディスコグラフィカルな解析は載ってないようだし(英文ちゃんと読めないの)。

というわけでおれの聴いた感じでは、いまのところ七つのトラックが正真正銘の「未発表」ってことかな。



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上はジャケットを開いた外側の3面。
下はブックレットに載ってる写真。

エリック・ドルフィーはおしゃれでフォトジェニックだよね。


(Resonance Records HLP-9035)







by god-zi-lla | 2018-12-02 22:43 | 常用レコード絵日記 | Comments(0)

三つのDriekusman Total Loss

三つのDriekusman Total Loss_d0027243_17585115.jpg
つうようなわけできのうの朝の七草粥は白粥じゃなく昆布出汁に薄口醤油と塩で薄く味つけして若干雑炊っぽく仕立ててみたのであった。こうするとまあ七草粥のちょっと薬っぽいような、いかにも七草ななくさした感じは薄れるんだけど朝ゴハンとしては悪くないね。あと甘塩の鮭を焼いたのと。朝から粥を炊くのはせわしないですけど、これをやらないと正月が終わらない。

暮れも押し詰まった頃いつものレコード屋さんの年内最後の新着リストに載っかってるのを見つけて速攻で注文したのがゲストにゲイリー・ピーコックを迎えたミシャ・メンゲルベルク・クヮルテット(アルトサックスがピエト・ヌードワイク、ドラムスにハン・ベニンク)だったんでした。いやホントおれのばやい見つけた瞬間に「買う!」と決めて買うレコードなんて1年のうちに2枚も3枚もあるもんじゃありません。たいがいは買おうか買うまいか何時間もパソコンの画面を見てたり「買い物カゴ」に入れたり削除したり、店に行ったら行ったでエサ箱から抜いたり戻したり、果てはレコード屋からいっぺん出てまた戻ってみたりなんかしてさ。そんな優柔不断なおれが躊躇なく買う久しぶりのレコードなのであった。

ことの発端は(ってほどのことじゃないけどね)5年くらい前、ドルフィー似のアルト奏者がいるという宣伝文句につられてそのミシャ・メンゲルベルクのクヮルテットにテッド・カーソンがゲストで入った66年コンセルトヘボウでのライヴの発掘CDを聴いたんだが、これがすごく聴き応えのあるいい演奏でびっくりしちゃったんだよ。

でそのライナーノートを読んでると同じバンドが64年にラジオ番組に出演してそれが連中の初録音だったとあり、さらにそれが音盤化されたのは17年後の81年で翌82年にDIWが国内発売したんだと、そのことはjazzamuraiさんがわざわざコメント欄で教えてくだすったんであった。

いやーDIWがヨーロッパのマイナーレーベルを結構発売してたのはよく知ってたし、そのころ出た何枚かはおれも買って聴いてましたけど、ミシャ・メンゲルベルクのバンドについては当時まるっきりノーマークだったもんなあ。

つうわけでそれ以来ずっと探してたんだけどそもそもたいした枚数が出回ったわけじゃなかったのか巡り合わせが悪かったのか(たぶんその両方でしょうけど)、オランダ盤はおろかDIWの国内盤だっていっぺんも見たことなかったところ、2015年もあと数日というところでわが家に転がり込んできたのが写真のブツなんでありました。

でハナシは前後しますけども、そのアルトサックスのサウンドがほんのちょっとだけドルフィーに似ていると言われたピエト・ヌードワイクも、ドルフィーに似てる似てないは別としてなかなかいいじゃんと思ったもんだから、いろいろ物色してたところ〈Jubilee Concert〉と銘打った2007年のアルバムが手に入ってね(このとき)。ここでもメンゲルベルク、ベニンクとの再会セッションで3曲やってるんだ。

それでこのバンドの演奏はというと前にも書きましたとおり、アヴァンギャルド方面へ行こう行こうとしてメンゲルベルクのピアノとベニンクのドラムスが時折ちょっかいを出すんだけど、ヌードワイクのアルトはそっちへ行きそうで行かない。そこらへんがなんだかすごく楽しくってね。こりゃあ録音があるだけ全部聴いてみたいもんだよなあと思ってたわけだ。

で昨年暮れに手に入れたこのアルバムはA面B面計4曲のうち3曲がベースにゲイリー・ピーコックの入った64年12月の録音で(ピーコックはアルバート・アイラーのバンドで来蘭中だったそうだ)、オランダ語のライナーの読める単語だけ拾ってみると、どうもドルフィーの〈Last Date〉と同じように〈Jazz Magazine〉というラジオ番組の音源の音盤化だっていうじゃないか。なるほどなあ。そんな話を聞いちゃうとドルフィーファンとしては興味がイヤ増しに増し増してくるというもんである。

ところでこうして揃った64年と66年と2007年のアルバムを聴いてみると、ヤツらはなぜかどの盤でも〈Driekusman Total Loss〉つう曲をやっている。ちょっと古風なとこもある弾むような明るいテーマの親しみやすいナンバーで、メンゲルベルク作とあるものの元々はオランダの古い曲らしいんだけどよくわからない。おれはミシャ・メンゲルベルクのファンというわけじゃないからこのメンツ以外でもこれをレパートリーにしてるのかどうか知らないけど、少なくともアルバム3枚聴いてみたらその全部でやってるんだから、こりゃあコルトレーンの〈My Favorite Things〉級といったっていいんじゃあるまいか。

メンゲルベルクとベニンクとヌードワイクのバンドってのはどうやら62年頃に結成されたらしいんだが(ベーシストは何回か替わっている)、つまりドルフィーがこのうちメンゲルベルクとベニンクの二人をバックにした64年6月の〈Last Date〉のラジオ放送セッションの時点でヌードワイクは当然バンドメンバーだったわけだ。言い換えればドルフィーのバックについていたのは「ヌードワイク抜きのミシャ・メンゲルベルク・クヮルテット」だったってことだな。つうことはこの時きっとスタジオのどっかにヌードワイクもいたね。

ドルフィーが欧州ツアー中に突然亡くなったのは〈Last Date〉録音のほとんど直後といってもいいくらいの64年6月29日で、自分の死を予感すらしていなかったらしいドルフィーは同月2日の録音を終えたあと、メンゲルベルクにまた同じメンバーでやろうと手紙を送っている(『エリック・ドルフィー』シモスコ&テッパーマン/間章訳・晶文社刊のp173)。

ということはとドルフィーファンは想像するわけだ。もしかしてドルフィーが存命で再びミシャ・メンゲルベルクのバンドと共演することがあったなら、この〈Driekusman Total Loss〉を演奏した可能性は結構高かったんじゃあるまいか。なにしろこれだけ何度も録音してるほどメンゲルベルクたちが気に入ってたわけだ。そのうえなんだか曲調がドルフィー好みの感じもするじゃんか。

エリック・ドルフィーの作った曲というのは245にしてもMiss Annにしてもどこかユーモラスなところがあってさ。極めつけはアウト・トゥ・ランチのラスト〈Straight Up And Down〉、あのヨッパライの千鳥足!だったりさ。気のせいかもしれないけど、そういうドルフィーの茶目っ気のようなものがどっかこうミシャ・メンゲルベルクのバンドおよび〈Driekusman Total Loss〉という曲に通じるところがあるような気がするんだよ。

あのテーマをヌードワイクにかわってドルフィーがアルトサックスで吹くところをちょっと想像するとね。んー、こりゃあなんかいい感じだったんじゃないかしら。やっぱり、もしドルフィーが生きていてオランダに戻って来たらミシャ・メンゲルベルクはドルフィーにこの曲をやろうと提案した気がする。で、ことによったらドルフィーも気に入って録音も残したかもしれないなんてことをちょっと思ったりしてね。聴いてみたかったなあ。

ところでこのバンドは66年にもフルアルバムを作っててそれが最後のレコーディングだったようなんだけど、そこでも〈Driekusman …〉を収録したらしい。つうことはこの3人が揃うバンドの録音すべてにこの曲を残してるってことだな。んー、そんなに好きだったのかしらん。もうバンドのテーマソングとしか思えない。


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driekusman total loss/Misha Mengelberg Kwartet Featuring Gary Peacock(VARAJAZZ 210)
by god-zi-lla | 2016-01-08 06:53 | 常用レコード絵日記 | Comments(2)
ドルフィーのニューアルバムが!(Eric Dolphy / MUSES)_d0027243_1545874.jpg
というようなわけで、さて次はいよいよ釜山オーディオ旅日記というような手筈にはなかなか簡単には参らないというのがいつもながら当店なのであった(店かよ)。

そもそもエリック・ドルフィーのまったく世に知られてない、つまり別テイクとかじゃなくってまるで未発表の曲でもって、なおかつエアチェックやライヴの盗み録りなんていうアヤシげなやつじゃないちゃんとプロデューサーがお膳立てした正式のレコーディングセッションで録音された音源がリリースされるのって、いったいいつ以来なんですかね。

89年だか90年だかにブルーノートから突然Other Aspectsがリリースされたときはホントにびっくりしたもんだったが、あそこに含まれているスタジオ録音のいくつかはドルフィーが発表するつもりでレコーディングしたのかどうかわからないトラックだから、あれだってアヤシイっちゃあアヤシイ。そうすると一体全体いつ以来なんだろうな。だけどまあいいや。それより何よりドルフィーの未聴の新曲が聴けるってだけで文句なしにうれしい。

しかもこれは横浜のあのマシュマロレコードからリリースされたれっきとしたニッポンオリジナルのアルバムです。すごいよなあ。

でその未発表の新曲というのはA面2トラックめに収められたMusesというこのアルバムのタイトルチューンで、ベースのリチャード・デイヴィスとドルフィーのバスクラリネットのデュオで演奏されるドルフィーのオリジナル曲なのだった。

ちなみにこのアルバムに収録されたトラックはすべて63年7月アラン・ダグラスがプロデュースして、FMというインディペンデントレーベルからComversationsが(のちVeeJayがMemorial Albumとして再発)、そしてドルフィーの死後ダグラス自身のレーベルからIron Manの都合2枚のアルバムがこのレコーディングセッションから生まれたっきりで、池田弘文さんによるドルフィーの最新ディスコグラフィにもこのセッションの音源がほかのアルバムに収録されてるというデータは載ってない。

載ってないんだけど、池田版ディスコグラフィーにはこのMusesのほかにIron Manの別テイク、Alone Togetherの別テイク、Madrakeの別テイクが録音されてunissuedであるということは明記されていて、池田版に載ってないのはLove Meの別テイクだけなんだった。ということはComversations(またはVeeJayのMemorial Album)とダグラスのIron Manに、こんかいマシュマロレコードから出たMUSESの3枚があれば63年7月のダグラスセッションの全貌を聴けるということになったわけだ。いやーこんな日が来ようとはついぞ思いもしませなんだ。

ちなみにシモスコ&テッパーマンのERIC DOLPHY : A Musical Biography & Discography巻末にあるRecordings by Eric Dolphy of His Own Compositionsという、ようするにドルフィーが自作曲を自身で演奏・録音したリストを見てもMusesという曲はどこにも載ってない。ということはMusesという曲そのものを誰も聴いたことがなかったというか、もしかしたらこのセッションのために作った曲なのかもしれない。

A面に収録されたAlone Togetherの別テイクと、くだんのMusesの2曲はともにドルフィーのバスクラリネットとリチャード・デイヴィスのベースのデュオになっている。ちょっと数えてみるとこのセッションで録音されたドルフィーとデイヴィスのデュオは5テイクあって、池田版ディスコグラフィによればすべて63年7月1日にまとめて録音されている。ちなみにこのセッション全体で13テイクの録音が残されているからそのうちの5テイクといえばけっこうな比率ってことになる。もちろんドルフィーが無意識にこんなことするはずもないだろうから、リチャード・デイヴィスと組んでデュオを録音するのがこのセッションの大きなテーマだったんだろうと想像してもかまわないと思う。

そしてこのMusesという曲でリチャード・デイヴィスは最初から最後までベースを弓で弾いている。

それがなんといったらいいのか、ジャズベーシストが自分にソロの順番が回ってきたところでちょっと気取ってアルコで弾いてみましたみたいなノリとは全然ちがうんだ。ふつうジャズのベース奏者が弓弾きで演奏する場合ジャズらしいビート感はキープしてるわけで、そこのとこにジャズベースの良さもジャズで弓弾きする違和感も同時にあるんだとおれは思ってるんだけど、ここでデイヴィスが弾くベースにいかにもジャズらしいビート感てのはないんだ。そしてそこにぴたっと寄り添っているドルフィーのバスクラリネットもそういうビート感とは違うところで演奏している。

すごく大ざっぱな言い方をすると、なんというかこの演奏は「バスクラリネットとコントラバスのためのソナタ」って感じがする。この演奏があらかじめ書かれたものかインプロヴィゼーションなのかわからないけども、きこえる音楽はそんなふうな音楽で、しかもそれはクラシカルというよりはいかにも20世紀の音楽というにふさわしい二人のプレイヤーの静かな丁々発止が聞かれるものであったりもする。

このレコードを聴いてからあらためて先行する2枚のアルバムも聴いてみたんだけど、4つある二人のデュオはデイヴィスが弓でベースを弾いてたとしてもジャズらしいビートがなくなるってことはないんだ。Iron Manに収録されたCome Sundayはじつに静謐な演奏だけども、これはもうドルフィーとデイヴィスがたった二人でデューク・エリントンの世界をみごとに再現したような名演だと思うし、Alone Togetherはある種攻撃的な激しさを伴ったアヴァンギャルドなジャズだけども枠組みとしたら間違いなくジャズのなかに収まった演奏だしね。

このドルフィーとデイヴィスによるMusesを初めて聴いてみて、あーなんでこんな素晴らしい音楽が半世紀もの間だれにも知られずにうずもれてたんだろうって思ったんだが、すこし考えてみるとComversations、Iron Manふたつのアルバムのどこにも置き場所がなかったんだろうと思えてきた。強いて言えばCome Sundayと置き換え可能だったかもしれないが、これはやっぱりエリントンのこの曲をやってここに収める意味があったんだろうし(有名曲だということに加え、公民権運動がもっとも盛り上がっていた時期だってことがあるのかもしれない)、よしんば逆になってたとしたらなんでCome Sundayのような名演が50年もの長きにわたって日の目を見なかったんだろうって、やっぱり同じことを考えたにちがいないもんな。

しかしまあどんなカタチにせよ、こうやってドルフィーの素晴らしい演奏が聴けるようになってホントにうれしい。それにしてもこのみごとな5つのデュオトラックを、なぜここで集中的に録音しようとエリック・ドルフィーは思いついたんだろうか。多分ふだんからこういう演奏を二人でやってたんだろうな。じゃなかったらいきなりスタジオでこれだけのものを残せるとは思えない。

もしこれが現代だったらドルフィーとデイヴィスの信じられないほど充実した二重奏だけで1枚アルバムを作ってみようと、この録音を聴いて思い立つプロデューサーがきっと現れたに違いない。そのくらいこのダグラスセッションに二人が残したものは(ドルフィーファンのひいき目かもしれないけど)すごいんじゃないかって気がする。そう思うとやっぱりドルフィーにはもう少し長生きして欲しかったよなあなんて、最後にはまたどうしようもないことを考えてしまうのだった。
by god-zi-lla | 2013-12-13 15:20 | 常用レコード絵日記 | Comments(2)
The Latin Jazz Quintetとほほ編(OH! PHAROAH SPEAK)_d0027243_1364168.jpg
このオビの「ファラオ・サンダースとラテン・ジャズ・クインテット」ってデカい文字とその上にある
テナーの鬼才、
ファラオ・サンダースを
ゲストに迎えた
ラテン・ジャズ・
クインテットの初アルバム!
って惹句だもん。そりゃあいくばくかの期待をするなってほうがムリってもんでしょ。ねえ。

あのね。まえにも書いた気がしますけど写真右のジャケットはドルフィーが参加してるCARIBÉ/The Latin Jazz Quintet + Eric Dolphyつうアルバムす。つまりこの2枚のラテン・ジャズ・クインテットのアルバムの、いっぽうにはエリック・ドルフィー、もう1枚にはファラオ・サンダースっていう希代のアヴァンギャルドプレイヤーがいるはずなんだ。

ドルフィーとラテン・ジャズ・クインテットのCARIBÉってのはね、いまひとつ人気のないっつうか誰も知らないかもしれないアルバムではあるけど、客演といいながら完全にドルフィーが主役なうえに珍しく穏やかなソロをいっぱい取ってシンプルにテーマ吹いたりしてるのに加えてアルトでもバスクラでもフルートでもソロ取っててさ。一種ドルフィーのショーケース的な感じがあるから初めてドルフィー聴くひとにススメたってよさそうな、なかなかのアルバムだと思うんだよ。

だからファラオ・サンダースのこっちのアルバムだってそうなんじゃないかと思うのがフツーってもんじゃないっすか。同じラテン・ジャズ・クインテットだしさ。だから買ったんです。このオビ見て迷わず。

全体としたらCARIBÉよりずっとラテンぽい雰囲気のアルバムのなかに、ソプラノのソロがいくつかとテナーのソロが少しあるんだけどこれがファラオのソロなのかどうか全然わかんない。B面最後は曲名がアルバムタイトルになってるOH! PHAROAH SPEAKって曲で、裏解説の筆者はこの曲のソロだけ明確にファラオのソロとしてるんだけど、なにしろ短いんだもん。

そういやファラオっぽいなあ、くらいの感じ。

そもそもね、ラテン・ジャズ・クインテットに「フィーチャリング」ファラオ・サンダースじゃないんだもん。ファラオはジャケットにクレジットされてる人数でいうとクインテットのメンバー以外に17人もいるビッグバンドのサックスセクションの、たんなるひとりだよこれは。

サックスセクションはファラオのほかにハロルド・ヴィックって人のテナーとヒュー・ブロディってソプラノの人の名前が載っかってる。ちなみにビッグバンドのほうのエレキベースにチャック・レイニーとかギターにコーネル・デュープリーなんて名前もありますね。

んー、ソプラノでクレジットされてるプレイヤーがいるのにテナーのファラオがソプラノでソロ取るかなあ、ふつう。裏解説の筆者がソプラノのソロがだれかは書いてないんだよ。この筆者が解説のなかでソリストとして名指ししてるのはそのB面最後の曲のファラオと、B3のハロルド・ヴィックのテナーとコーネル・デュープリーのギターのみ。

とにかくCARIBÉでドルフィーが吹きまくってるのとは、少なくとも大違いなんでした。
あのさー、オビにファラオ・サンダースとラテン・ジャズ・クインテットなんて書かないでよ。
それって英語で書いたらPHAROAH SANDERS & HIS LATIN JAZZ QUINTETでしょ。
違うじゃん、このアルバムの中身ってば。

って40年近く前のレコードのオビに文句つけてもしょうがないんだけどさ。

また珍盤、コレクターズアイテムのたぐいを掴んぢまった。
とほほのほ。

気を取り直すために、そのCARIBÉ引っぱり出して聴きました。
リラックスした、楽しいドルフィーが聴けるんだこれが。

それからファラオはimpulse!のTAUHIDでもってお口直しね。
やっぱファラオ・サンダースといえばこの咆吼がなくっちゃね。
いやまったくもって素晴らしい。

そしてコイツは棚のコヤシ、かなあ。

(ちなみにCARIBÉについてはココに。ひろかーちゃさんのコメントも読んでね)
by god-zi-lla | 2012-09-19 17:25 | 常用レコード絵日記 | Comments(0)
いやー、いいんだよねえプラターズ(THE PLATTERS/HEAVEN ON EARTH-THE CLASSIC MERCURY RECORDINGS)_d0027243_112725100.jpg
なんで突然プラターズのコンピレーションなんて買ったかというと、またまたエリック・ドルフィーがらみでございます。

記事を読んだときから気にはなってたんだけどジャズ批評誌115号(2003年4月発行)のドルフィー特集109ページ、廿楽さんへのインタビューで廿楽さんがプラターズのバックバンドにドルフィーが入ってるという発言があるんです。

これは未確認情報のようなので、シモスコ/テッパーマンによるドルフィーのディスコグラフィにも最新最強ひろかーちゃさんのディスコグラフィにも当然記載されてません。

でも、そういわれるとなんか聴いてみたいじゃんか。
プラターズっていえば50〜60年代全米POPチャート上位の常連だった大メジャーコーラスグループだからオリジナル盤とかそういうんじゃなくてとりあえず聴くだけ聴いてみるということなら探すのもそれほど難儀じゃないだろうとは思ってたんだけど、まあほかにいくらでも聴かなきゃ探さなきゃいけないレコードはあったわけですしね。なにか機会があったら聴いてみたいもんだと思ったままだったんでした。

そしたらいつだったかレコードコレクターズ誌見てたらこのプラターズのマーキュリー時代に吹き込んだナンバー88曲を収録した3枚組のコンピレーションアルバムが出るんだか出たんだかっていう記事があるじゃありませんか。

それでもう1回その廿楽さんのインタビューをひっくり返して読んでみると、ドルフィーがバックにいると思しきナンバーは10曲あるとのこと。その10曲が3枚のCDに収録されてるかどうか調べてみたらなんとまああなた。全部入ってるじゃありませんか。

これは買うしかないよ。

その廿楽さんが指摘されたドルフィー入りナンバーというのは
I'll Take You Home Again Kathleen
Twilight Time
It's Raining Outside
Prisoner Of Love
I'll Never Smile Again
The Sound And The Fury
Harbor Light
Sleepy Lagoon
To Each His Own
If I Didn't Care
の10曲。

聴いてみますと、んー、なるほどこれはドルフィーに違いないというのから、んー、そうかもしれない、というのから、んー、そうなのかなあ、というのまでいろいろですね。まあ当然だと思うんです、ようするにバックのオーケストラの一員だから。

だけど、うんと短い、しかも譜面に書かれたものだけどソロを取ってる曲もあるんです。
もうね。これはドルフィーだよなあと思いさえすれば間違いなくドルフィーというか何というか。

その10曲を選んで飛び飛びに聴いてみましたけど、じゅうぶん満足。
関係者以外には、なんなんだよそれって、でしょうけど。
そういうモンなんです。

それからあらためてDISC1のアタマっから聴き始めたんですけどね。
そしたらDISC1のしょっぱながあの知らない人はいないんじゃないかと思うくらいな超有名曲オンリー・ユーじゃありませんか。しびれる美声のテノール。いやーまいったね。そして3曲目には全米POPチャートのトップに輝いたグレート・プリテンダーでしょ。

おれみたいに昔はプラターズって白人のグループだとばかり思ってたようなモンでも聴き覚えのある曲が、さすがプラターズ、つぎつぎに出てくるじゃありませんか。

いやまあ、ドルフィーのコレクションということはさておいてもですね。
これはすごく聴きごたえのある、とってもいいコンピレーションアルバムだってことを思い知りました。
さいしょ、1回聴いたらもうそのまんま棚に刺さってオシマイになるかもなあと思ってたんだけど、とんでもございませんのことでございました。

すごいわ、プラターズ。
やっぱ全米POPチャート、R&Bチャート常連の貫禄、
いや貫禄じゃなくって魅力ですね。

じつはここ2週間、晩メシのしたくしながら毎日毎日聴いてんです。
おだやかな気分でメシのしたくが出来て、とってもいいんです。

しかも安かった。
たしか3枚組デジパック仕様24ページのブックレット付きで二千円くらい。
すべての音楽好きご家庭にさわやかなR&Bコーラスを!
なんちて。
by god-zi-lla | 2011-11-07 12:40 | 常用レコード絵日記 | Comments(0)
ドルフィーの最新/最強ディスコグラフィ(2013.12.14古くなった一部情報を削除しました)_d0027243_18102935.jpg
こんな中途半端でエエカゲンなブログだって6年半もやってるといろんなことがそれなりにあったりする。

なんかのCDのこと書いたら、そのCDのプロデューサーのひとからイチャモンてほどでもないけどコメントがあったり、ウィキペディアのことあーだこーだ書いて叱られたなんてこともありました。

いちおうおれとしてはあんまり無責任なことは書かないようにとは思ってるんだけど、しかし自分の感想とか印象とかってのはみんなが良いといってるからおれも良いというもんでもないわけだしさ。世間様じゃ評判よろしくないモノのなかに自分のお気に入りになっちゃうやつがないともかぎらないし。

だいち世間でみんなが良いっていってるものについて、おれがこんなとこでいっしょになって「そうそう、あれは良いですよねー」なんつってなんの意味があるんだっつうかね。そんなことをみなさまに縷々申し上げたとしても当のおれ自身がべつに面白くもなんともありゃしません。

だからまあ、お読みくだすってる方々のなかに何らかの違和感というか、ノドにひっかかったイワシの骨や思わず気管支のほうに吸い込んじゃったゴハンつぶ程度の気になり具合を生じたりすることがあるやも知れんわなあとは思うんです。それがたまにそういうお叱りやなんかにつながることもないとはいえない。

けど、そういうお叱りばっかじゃなくてしばしばそのノドの骨やゴハンつぶはおまえさんの思い違いあるいは無知無教養から生ずるものであって、ホントはこういうことなんだよと示唆に富んだコメントを頂戴して、こっちが恐縮しちゃうというか勉強になってありがたいことってのもけっこう多い。

つか、そのほうが圧倒的に多いです実際問題。

エリック・ドルフィーのことを書くと必ずおれの知らない詳細な情報が含まれたコメントを下さる「ひろかーちゃ」さんという方がいらっしゃいましてですね。いつもドルフィーに関してあまりにレアで深いコメントをくださるものだから、最近は面識もないのにあつかましくもひろかーちゃさんのコメント最初っから期待してドルフィーのことを書いてたりするくらいだったんでした。

そしたらそのひろかーちゃさんからドルフィーのディスコグラフィを作りました、ついては1部進呈するから一度会いましょうと突然メールを頂戴したのは、つい先週のことだった。

え? 
ドルフィーのディスコグラフィ?
作ったってそれはつまりその。

もちろんメールはハンドルネームじゃなく実名で頂戴したわけですから、もしやと思ってジャズ批評誌115号(ドルフィー特集の号)を引っぱり出してみたら、あちゃー。

んー、おれ過去ひろかーちゃさんがくだすったコメントにとんでもなくエラソーな態度でコメント返してたような気がするぞ。もしかしてすごくマズかったんじゃないの。
いやあ無知ってな、人を恐いモノ知らずにしますよなあー。

顔から火が出るというのか、
冷や汗が背中を伝うというのか。
とにかくマズったなあ。

つうわけで先週渋谷でひろかーちゃさんと落ち合いまして、半日いろんな楽しいお話を伺ったりしながら、おれとしたら非常に有意義な時間を過ごさせていただいたわけですが、とりあえずそれは置いといて冒頭の写真が頂戴したドルフィーのディスコグラフィなのでした。

簡易製本のB5判、167ページ。86年に公にされたドイツのU.ライヒャルトによるディスコグラフィを底本として、これに改訂を加えて完成されたと前書きにあります。

おれがずっとドルフィーのレコードを買い集めるために頼りにしてきたのは、スイングジャーナルが休刊になったときに触れた同誌87年3月号と、下の写真左のシモスコ&テッパーマンによる今のところ世界で唯一の公刊されたドルフィーの評伝「エリック・ドルフィー」(間章訳/晶文社刊/78年の3刷)巻末にあるディスコグラフィだった(ちなみに写真右は現在入手可能な同書のペーパーバック版原書す)。
ドルフィーの最新/最強ディスコグラフィ(2013.12.14古くなった一部情報を削除しました)_d0027243_18202642.jpg

それにくわえて最近はネット上に公開されてるいくつかのディスコグラフィを参考にしてたわけだけど、その日ひろかーちゃさんと別れて帰宅したのち頂戴した労作をパラパラとめくってるうちに読むのをやめられなくなっちゃった。

データはもちろん新しい。新たに発掘された録音や情報についても細大漏らさず網羅されていて、はっきりいっておれのような初心者なみのドルフィーファンにどうこう論評を加えるような資格なんかありません。

だけど今後シモスコ&テッパーマンの本をディスコグラフィとして開くことはなさそうな気がしてきたし、ネット上にあるディスコグラフィもデータ更新してくれなければもう見ないだろうと、このディスコグラフィを手にとってみるとそう思うわざるをえない。現時点で最新、最強のエリック・ドルフィーのディスコグラフィだということは間違いないんじゃないかと思う。

それと、これは非常にありがたいことなんだけど読み物としてすごく面白いんだ。
ひろかーちゃさん自身が無味乾燥なデーターの羅列に止まらない読み物としての面白さを追求したと前書きに書かれたとおり、NOTEあるいはEPISODEとして大量に加えられたインタビューや新聞、雑誌の記事の引用(これを蒐集するだけだって大変だと思う)、コレクターや研究者の見解、それに編者ご自身のコメントなど、これがまたドルフィーファンにはたまりません。もう読んでて全然飽きないんだ。

いやー困った(困ってないってば)。

下の写真は136ページ、LAST DATEについての見開き。
よく知られた名盤だけど、ここにも知らなかったことがいくつもあるもんなあ。
ドルフィーの最新/最強ディスコグラフィ(2013.12.14古くなった一部情報を削除しました)_d0027243_18111342.jpg


でも、なにがいちばん感心したかっていうと、おれのブログごときまで「ドルフィー」の名前で検索して辿り着いてチェックされてたってこと。とにかくドルフィーであれば世の中のどんなにつまんないカケラのようなものであっても追跡するという探求心を持続できる人だけが、こういうすごいディスコグラフィを現実のものにするんだなあと、それがなによりいちばんの驚きだったんでした。
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by god-zi-lla | 2011-10-12 15:16 | 常用レコード絵日記 | Comments(4)
いっけんドルフィー似の(Journey/MISHA MENGELBERG PIET NOORDIJK QUARTET)_d0027243_6524764.jpg
週末はぐっと気温下がるってほんとかね。
きょうの寒暖計はしかし、ずんずん上を目指してるぞ。

テッド・カーソンがカバーのまん中に大写しになっていて、これじゃまるでカーソンと手前のミシャ・メンゲルベルクのアルバムのごとき様相を呈してますけどもその後方、ピントの外でメンゲルベルクとカーソンのリハーサルを指をくわえて聴いているアルトサックスの人が主役なんでした。
ミシャ・メンゲルベルク(p)
ピエト・ヌードワイク(as)
ロブ・ランゲリース(b)
ハン・ベニンク(ds)
---
テッド・カーソン(tp)

ミシャ・メンゲルベルクとハン・ベニンクのバンドで、ドルフィー似(顔じゃない)のアルトサックスが吹いててそこにテッド・カーソンがゲストで入ってる66年アムステルダムでのライヴ録音ってきいて一瞬、ん? と思わないわけにいかないじゃん。

おれは初めてこのアルトの人、聴いた。
たしかにサウンドの端々にドルフィーに似たとこがある。

で、その似たとこが非常に心地よい感じをあたえてくれるのも正直な気分で、
じつはここんとこわりと聴く回数が多かったりもする。

この人のサウンドがちょっとだけドルフィーに似てるのは、ドルフィーのように吹こうとしてそうなったわけじゃなくて、ドルフィーと同じようにチャーリー・パーカーをアイドルにしてたところへもってきてミシャ・メンゲルベルクやハン・ベニンクと共演することによってアヴァンギャルド風味が付け加えられるに及び、はからずもドルフィー風な味わいが出たってことなんじゃなかろうか。

だけどあんまり期待して聴き始めると、がっかりする。
ドルフィーと同じような音楽なんか聴けるわけないと内心確信しながらも、人間欲深いというのか無い物ねだりというのか、じつはおれも最初なんなんだよ似てるったってこの程度のことかよ、と思っちゃったんだけどさ。

当時非常にオランダでは人気のあったバンドのようで、ミシャ・メンゲルベルクとハン・ベニンクがこういうサックス奏者をフロントに立てたバンドをやってたというのが、欧州のジャズのことをほとんど知らないおれにはちょっとビックリする事実だった。

アヴァンギャルドなところへ行きそうで、いやもうホントあとちょっとで行きそうなのに行かなくてオーソドックスなバップの世界にとどまってる感じのアルトでね。日本盤についてる原盤ライナーの翻訳を読んでみるとこのライヴ録音の1年内外のうちにこのバンドは解散しちゃってるんだな。

ようするにこのライナーによればアヴァンギャルド方面に突き進むメンゲルベルクとベニンクにたいして、すれすれのところでオーソドックスなジャズにとどまろうとするアルトのピエト・ヌードワイクという図式だったらしい。

で、なんつうか、そういうせめぎ合いのある音楽ってのはだいたい面白い。
テッド・カーソンがゲストで加わってるってのも、そういう意味じゃうってつけって感じだしね。

ことにJourneyっていうこのCDでいちばん長い14分半のトラックはセンチメンタル・ジャーニーのあの有名なテーマの断片が見え隠れしながら、オーソドックスとアヴァンギャルドの間を4人が行ったり来たりするような、これはひょっとするといま聴くことのできる1966年のジャズのなかでも指折りの名演なんじゃないかと思ったりするくらいに聴きごたえのある演奏だと思う。

だからまあ、ピエト・ヌードワイクがドルフィーに似てる似てないはさておいて、
おれとしたらこれから先聴き続けるに値する1枚に出合ったなあという感じ。

1966年4月7日、アムステルダム・コンセルトヘボウでの実況録音。
発掘音源なのか既発音源の再発なのかわからないけど、おれは初めて聴きました。

録音のほうは最初のトラックのベニンクのドラムソロに大きなノイズが入るほか、ところどころにマスターテープの劣化と思われる歪みやノイズがあるのが残念だけども、コンセルトヘボウの残響がたっぷり入りベースもぶんぶん唸って、演奏のみごとさと相俟ってこれは非常に楽しめるCDなんでした。
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by god-zi-lla | 2011-09-30 06:52 | 常用レコード絵日記 | Comments(6)
どってことないってばそうですけど(ERIC DOLPHY/The Complete Last Recordings In HELVERSUM & PARIS 1964)_d0027243_10551563.jpg
冷蔵庫の麦茶がどんどん減る。
だけど、どんどん飲まなきゃ命にかかわる。
だからどんどん飲む、飲む、飲む。

ヤカンで沸かした麦茶が冷める暇もありません。
でも扇風機の前に置いとくと少し早く冷める。

ちょっと熱風くるけどね。

いやーすっかり夏だわ。
梅雨、明けてるでしょ。ねえ。

でもきょうは、ほんの少しだけ風が爽やかな気がする。気のせいかな。
気のせいだってなんだって、ぜんぜんオッケー。

この2枚組のCDは少し前に買った欧州盤でドルフィー最晩年の2か月、いや30代で亡くなった人に晩年なんておかしいよな。そのドルフィーが突然亡くなる直前2か月のオランダとフランスに遺された録音を集めたCDなんだけどね。

1枚目のCDの最初から6つのトラックは名盤LAST DATEまるごとそのまんま。そのほかも新発見とか未発表とかそういうのは1曲もなくて、既出のレコード5枚で聴ける演奏(たぶん全部放送用の録音)ばかりなんです。

だからまあ買わなくったってべつにかまやしないようなもんではあったんだけどさ。
なんかこのCDのすっきりと涼しげなデザインが気になってね。

それにLAST DATE以外はLPだけでCD持ってないからダブるわけじゃないしと思って、おれとしたら珍しくCDのジャケ買いなのでした。

買って聴いてみると、こうやって通して聴くのもあながち意味のないことでもないかなって感じがする。先入観かもしれないけど、どの曲も、ドルフィーが生涯なんども録音してるような曲も含めてどこか沈んだような気分が共通してるような感じがある。

それはバックがおもにヨーロッパのミュージシャンだからということも言えるかもしれないんだけど、そればっかりでもないような気がするんだな。

だけどさ。言っちゃいけないと思うのは、それはドルフィーが自分自身の死を予感していて、それが音楽に滲み出てたんじゃないかという憶測でさ。

おれはそれこそが聴いてるおれたちの先入観というか。むしろそれは聴いてるおれたちが、この演奏のあとしばらくしてドルフィーは死ぬんだと、当のドルフィーが知らずにいることを先に知ってしまったうえでそれを聴いているという、それは録音された音楽を聴くときにしばしばおれたちが落っこちてしまうヤバい落とし穴なんじゃないかと思うんだよ。

じゃあこの少し沈んだような、心に染み入るような感じってのはいったいどこから来るもんなんだろうか。でも結局そんなことはよくわからない。ただおれはつねづねドルフィーっていう人は感情を音楽に込めるタイプの音楽家じゃないと思ってるんだけど、だからよけいにこの最後の演奏におれがグッとくるのはなんでなんだろうって、考えちゃうんだよ。

まあそれはともかくとして、お買い物ガイド的なこといえば名盤LAST DATE含めこれからドルフィー最後の日々を聴いてみようと思ってる人がいるとするなら、断然お買い得盤ではあると思う。

どんなフォーマットで聴いても、とにかく、すばらしい音楽です。

DOMINO RECORDS 891 201
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by god-zi-lla | 2011-07-06 14:08 | 常用レコード絵日記 | Comments(6)
Where\'s Dolphy? その2(John Lewis / ESSENCE)_d0027243_11174557.jpg
全然さがしてたわけじゃないけど、やっと見つけました。
なんてヘンテコリンな言い方なんだ。わははは。

実物みるとこれはしかしあなた。
ぬめぬめとアヤしい艶をたたえたコーティングも手伝って、シックかつゲージツ的なジャケットに仕上がっておるではありませぬか。

さがしてたわけじゃないんだけどもこうやって手に入ってみると、こいつを同じアトランティックレーベルのチャールズ・ミンガスOH YEARと並べといたりすれば結構いいコレクションかもしんない。

とにかく国内盤も見たことなかったもんな。CDは出てたんでしょうかね。
ジョン・ルイスつう人は決してマイナーなミュージシャンじゃないと思うんだけどさ。
少なくともいま現役の国内盤てのはなさそうです。

まあ聴いてみるとさもありなんという感じではあるんだ。

どうもこのサード・ストリーム・ミュージックの流れってないまいちノリ切れない音楽っつうか、最初のココロザシは高邁ではあったんでしょうけど実際できちゃった音楽はヌエのようなといと失礼かもしれませんけど、でもなんかやっぱ正体不明のジャズでもないクラシックでもない、ホントは関係者一同このふたつのジャンルをアウフヘーベンしようとしてたんでしょうけど全然そうはならなかったんだろうな。

つか、このレコードなんか聴いてるとクラシックとジャズを統合したっつうよりか、むしろモンクの音楽をうろ覚えの門外漢がある種の勘違いでやっちゃうとこんなふうになることがあるのかもしれない的な感じがして、少なくともジャズとクラシックがどーたらっつう音楽にはあんまりきこえないんだけどね、おれには。

だからまあ売れなかったのも当然で、
だからまあおれが見かけなかったのも当然だと。
いやそこまで言ったらシツレイでしょ。

そしたらなんでジャケットデザインはともかくとしてそんなレコード買ったかってば、それはもう言うまでもございませんがエリック・ドルフィーがここにいるからなんです。

いるの。
いるっつうことが大事なのね。
いるだけでいいといいますか。

いやそれにしても、ソロも取ってないなんて。
アルト・フルートってクレジットされてるけど、あそこんとこですか。
アンサンブルのなかにちゃんといることはいるが、ソロっつうもんではない。

ドルフィーはジョン・ルイスのこの一連のサード・ストリーム・ミュージック系の録音にいろいろと付き合ってますけどもそれはルイスのドルフィーにたいする評価が高かったから声掛けたってのと、ドルフィーのこの種の音楽にたいする親近感てのもきっとあったんだろうと思うんだけどさ。

でもドルフィー自身はこういう音楽をやろうと思ったことはないんじゃないかな。

ドルフィーの音楽ってやっぱり基本的にはチャーリー・パーカーのビ・バップを発展させてったもんで、おれはやっぱり基本的にはあくまでもジャズの主流のところにいた人だと思って聴いてんだけどね。ついでにいうとコルトレーンはだれも入ったことのない別の(ことによると音楽かどうかも問題でない)世界に行っちゃって、ラーサーン・ローランド・カークはジャズにおさまんなくてもっと広い黒人音楽の世界にジャンル飛び越えて行っちゃったっつうか。

かつてブルーノートから発掘発売されたOTHER ASPECTSのドルフィーを聴いてみると、そういうジャズの本流とは関係のないところで実験をやっていて、だけどそれはジャズとクラシックをアウフヘーベンするなんてことじゃなくって、そういうジャンル分けそのものがまったく意識のなかにない、どっか自分探しのような個人的な音楽にきこえるんだけどね。

だからもしかするとジョン・ルイスなんかのやってることを、なんか中途半端なことやってるよなあ協力はするけどさー、みたいな目でドルフィーは見てた可能性もあるんじゃないかとおれは勝手に邪推してるんです。

いかんいかん、またとんだ枝線に入っちまったぜ。
ようするにまあそんなこた単なる屁理屈でどーでもいいんです。
肝心なのはこれでまた1枚ドルフィー入りのアルバムが手元に増えましたウヒヒヒヒっつう、そのことだけなのよ。

で、こうなっちゃうと総本山THIRD STREAM MUSICつうまさにそのものズバリなタイトルのアルバムを持ってないことが気になって気になってもう仕方なくなっちゃうのでした。

そいつはじつは過去数十年何度も何度もエサ箱で出合ってるんだけどさ。なにせそのTHIRD STREAM MUSICつうのはMJQ名義のアルバムだからぐっとメジャーな存在だったんでしょうね。だからべつに珍しくもなくいつもエサ箱のなかに刺さってたような気がするんだよな。でも見かけるたんびに買わずにきてしまいました。やっぱ欲しいレコードの先頭とかには絶対こないアルバムだからさ。

しかしそうこうしてるうちに、ちかごろぜんぜん見かけなくなってきた。
だから、こいつは次に見かけたときには買うことにします。

そんな結論かよ。
by god-zi-lla | 2011-06-16 11:18 | 常用レコード絵日記 | Comments(2)
おー、クーキー!(内袋鑑賞その16か17あたりっすね)_d0027243_18111185.jpg
じつに10か月ぶりの内袋鑑賞会でございます。
よーするにネタ切れだったんです。

こんかいもやや苦しいっちゃ苦しい。
ぢつはワーナーブラザーズの内袋は2回目なのね。

まあ本人的にはそこに深いワケを見出してたりもするわけですが、いちおう前号までのあらすじがここにあるんで御用とお急ぎでない方には見ていただいてと。

って、あらすじもなにも「そのもの」でしたっけね。ごめんなさい。

そのとき上のワーナーのスタジオ空撮写真のことでサンセット77つうテレビドラマのこと書いたらだれも懐かしがってくれなくってちょっと残念だったといいますか、アテが外れたっていいますか。まあいいんですけどね。どーせそんな古いアメリカのテレビドラマなんかだれも覚えちゃいませんやね。ヒガミっぽくですいません。

まーそんなわけでまたワーナーの内袋けっこうキレイなのが出てきたんだけど、まあ前回のこともありますし今回はべつにブログはヤメとこかなあ、なんてってしばらくほっといたんだけどさ。

せんだってこのレコード聴くのに引っぱり出してきて、ついでに内袋をぼんやり見るともなく見てたらあなた。

わ! クーキーじゃんこれって。

下の写真いちばん左下カドっこに写ってるジャケットす。
見えにくいばやいは写真クリックしていただきますてえと若干大きくなります。

クーキーってのはですね。サンセット77で主役のエフレム・ジンバリストJr.の探偵さん(だよな)の事務所のバイトの兄ちゃん。タイトルバックで必ず(そりゃ連続ドラマのタイトルバックですから同じカッコでおなじコトしますってば)主人公の車を見送ったあとクシでリーゼントの髪の毛をなでつけてるヤツ。

んー。レコードまで出してたなんて。
やっぱ人気者だったんだねえ。

と思ったらその右ななめすぐ上にはサンセット77そのもののサントラと思しきアルバムもあるじゃんか。おほほほほ。いやーこれは気づきませんでしたけど、なんかうれしいぞ。意味もなく無性にうれしい。

おー、クーキー!(内袋鑑賞その16か17あたりっすね)_d0027243_18104459.jpg
しかしまあなんだな。
完全に自己満足の世界だもんな。
いいんですいいんです。だれもキョーミなくったって。
道楽なんてものはしょせんそんなモンなのさ。
またまたヒガミっぽくてすいません。

この話はおしまい。

で、ちなみに左上カドは「王様と私」サントラじゃなくって舞台のスコアのオーケストラ版でしょうか。その右の右は「ウェスト・サイド・ストーリー」だけどこれもオーケストラ版てことかな。

王様の右ななめすぐ下のチアリーダーのおねえさんのやつはスーザ・イン・ステレオつうタイトルはともかくとしてWarner Bros. Military Band Henry Manciniとあるんですけど、ワーナーが軍楽隊持ってたんですかね。さすがハリウッドの映画会社! 軍楽隊まで持ってるとは。きっと軍隊もあったんだろうなこの兵舎みたような巨大スタジオのなかに「ひみつ基地」まであって。

しかも軍楽隊の指揮者はヘンリー・マンシーニだぜ。
まるでグレン・ミラーみたいじゃありませんかヘンリー。

そして右下カドには「風と共に去りぬ」だ。これも映画とは関係なさそうなジャケットだな。

って、ここまできてハタと思い当たって映画会社調べてみた。
そしたら「王様と私」って20世紀フォックスだろ。

「ウェスト・サイド・ストーリー」はユナイテッドでしょ。

ほいでもって「風と共に去りぬ」はMGMじゃんか。

んーなんちゅうか大会社ワーナー兄弟社にしてからが、
こーゆーパチもん路線堂々驀進してたのね。
なんかみょーに感激した。

つうわけでご覧いただいてまいりました内袋でございますが、センターには前回ご紹介申し上げました内袋が入ってたチコ・ハミルトンのGONGS EAST!がデンとすわっておりまして、
じつはこんかいのこれが入ってたのもチコ・ハミルトンのアルバムなんでした。

おー、クーキー!(内袋鑑賞その16か17あたりっすね)_d0027243_17561426.jpgTHE CHICO HAMILTON QUINTET WITH STRINGS ATTACHEDすね。

そしてエリック・ドルフィー入り。

もちろんこれもドルフィーがメンバーにいるから最初は聴いたアルバムです。そしておれが言うまでもなくこの若いドルフィーは最高だよフルートもアルトも。

でもやっぱ繰り返し聴いてると、たんなるウィズ・ストリングスとはぜんぜん違う緊張感と一体感と美しさと進取の気性がこのアルバムにはあってそれがすごく良くてね。その良さにドルフィーがさらに魅力を加えてるっていうか。いやほんとに聴きごたえのある傑作だと思う。

チェロだって、こういうふうに弾かないとね。

(でもジャケットのマリオネットはブキミだ)
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by god-zi-lla | 2011-05-21 17:56 | 常用レコード絵日記 | Comments(5)